ランニングタイツは故障の予防にどれだけ役に立つのか?体を守る4つの機能
肥満解消や生活習慣病予防だけでなくストレス発散の効果もあるランニングは、健康維持に役立つ運動として多くの医師も推奨しています。
とは言え初心者がいきなり走り始めると膝の関節や脚の筋肉などを痛めてしまう可能性があるため、ランニングタイツを着用するような対策も必要です。
市民ランナーの間で人気が高まっているランニングタイツが故障予防に役立つと言われている理由を、怪我につながる4つの原因から解説します。
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ランニングで膝を故障する主な原因
ランニング初心者にありがちな故障の例として、膝の関節付近を痛めてしまうケースが筆頭に挙げられます。
脚の筋肉が弱いために膝への衝撃がうまく吸収しきれない初心者だけでなく、ある程度走り慣れたランナーでも膝の故障は少なくありません。
走るフォームに癖があるために、長年走っているうち膝の関節に変形が起きて痛みにつながるケースも考えられます。
ランナーに多い膝の故障としてはランナー膝とも呼ばれる腸脛靭帯炎が代表的で、これは膝関節の外側を支える靭帯に炎症が起きる症状です。
大腿骨と脛骨をつなぐ靭帯に炎症が起きる膝蓋靭帯炎はジャンパー膝の別名でも呼ばれ、バスケットボールなどジャンプを伴う競技の選手に多く見られます。
ランニングも同様にジャンプと着地を繰り返す運動とあって、ジャンパー膝の症状に悩まされているランナーは珍しくありません。
関節サポート機能で膝の故障を予防
膝関節周辺の筋肉を鍛えれば靭帯への負担が軽減され、腸脛靭帯炎や膝蓋靭帯炎による膝の故障防止につながります。
初心者は膝周辺の筋力が弱いためにどうしても膝関節付近を故障しやすい面もありますが、ランニングタイツを着用することで予防は可能です。
ランニングタイツの中でも関節サポート機能を持つ製品は、テーピングの原理で膝関節をしっかりと支えるというコンセプトで開発されてきました。
関節サポート力が筋力不足を補うことから、初心者ランナーでもそれほど筋力を使わずに走り続けられる点がランニングタイツを着用する1つのメリットです。
ランニングタイツが膝を固定してくれることで故障につながる動きのブレも起きにくくなる点を考えると、関節サポート機能は怪我を防ぐ観点から見ても意義があります。
とは言えランニングタイツだけに頼るのも良くないので、走りながら脚の筋肉を少しずつ鍛えていくことが大切です。
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不安定なフォームも故障の一因
ランニングの際には長時間にわたって跳びはねる動作を繰り返すことになり、着地のたびに膝には体重の3倍以上の力がかかり続けます。
走るフォームは人それぞれですが、正しいフォームで走らないと膝にそれ以上の大きな荷重が加わって故障しやすくなる点には注意が必要です。
不安定なフォームのまま走り続けた場合、膝だけでなく股関節や足首の関節付近にも大きな負担がかかります。
そうした原因で起きる故障を防ぐには関節への負担が小さいフォームを身につける必要もありますが、ランニング初心者にとっては正しいフォームをマスターするのも簡単ではありません。
脚の筋力が弱い人は長時間同じフォームを維持するのが困難なため、走っているうちに走行姿勢が崩れて故障の原因となってしまいます。
ランニングタイツは正しいフォームの維持にも効果
そんな初心者でもランニングタイツを着用すれば適度な加圧がかかるため、脚全体が引き締まってフォームが安定してきます。
ランニングタイツの多くは関節をサポートするタイプで、テーピングの原理によって関節をしっかりと固定する仕組みです。
同様の効果をテーピングで得ようとすれば走るたびに貼り直す必要があるだけに面倒ですが、ランニングタイツはただ着用するだけで済みます。
テーピング効果のあるランニングタイツは初心者だけでなく、膝の故障から回復しつつある人のリハビリにも利用されてきました。
膝を故障していない人でもランニングタイツを着用することで正しいフォームが維持され、走行姿勢の乱れを原因とするような故障を予防できるようになるのです。
筋肉や関節が冷えられると故障リスクも高まる
十分な準備運動をしないままいきなり走り始めると脚の筋肉を痛めやすいという点は、ランニングの経験者なら誰でも覚えがあるものです。
走り始める前は脚の筋肉が温まっていないので柔軟性も低く、この状態で筋肉に強い力が加わると肉離れなどの原因となってしまいます。
走る前には屈伸などで準備運動をしてから体を慣らすように走り始めることで筋肉が徐々に温まり、怪我をしにくい状態へと移行していきます。
特に気温が低い冬場のランニングは筋肉が温まるまで時間がかかることから、夏場よりも故障リスクが高まる点に注意しなければなりません。
走っているうちに体温が上昇して暑くなってくるとランニングタイツが邪魔になりがちですが、少なくとも走り始めは脚の保温対策も必要になってきます。
防寒効果に優れた冬用のランニングタイツ
厚手の生地で作られた冬用のランニングタイツは防寒効果も高く、冬場のランニングに付きものの怪我を防いでくれます。
走っている最中に暑くなってくるのが気になる人は、汗がすぐに乾く速乾性の素材を使ったランニングタイツがおすすめです。
特に初心者は低温下でのランニングで脚の筋肉を痛めやすい傾向も見られますので、冬場のランニングには防寒タイプのタイツが欠かせません。
足首まで覆うロングタイツだと脚が固定されて走りにくいせいか、冬場でもハーフタイプのランニングタイツ姿で走っているランナーもいます。
脚全体に加圧をかけてフォームを安定させるコンプレッション効果や防寒効果を考えると、ロングタイプのランニングタイツの方が故障予防の見地から見ても冬場のランニングに有利だと言えます。
筋肉の疲労蓄積も怪我の原因に
ランニングで怪我をする4つ目の原因として、走り続けているうちに筋肉の疲労が蓄積される点も見逃せません。
筋肉が疲労するのは疲労の原因となる老廃物の排出が追いつかなくなり、細胞内に疲労物質が溜まってくるのが一因です。
走っている間じゅう収縮を繰り返す脚の筋肉は絶えず新鮮な酸素の供給を必要とする一方で、老廃物もその都度回収しなければなりません。
老廃物の回収は静脈を通じて行われますが、脚の静脈から心臓へと血液が戻るには重力に逆らう必要があります。
脚の筋肉が収縮することでポンプ代わりとなって静脈の血流を促すのが血液循環の仕組みだけに、その働きが低下すると筋肉に疲労物質が蓄積され故障の原因となってしまうのです。
疲労軽減効果の高いランニングタイツ
ランニングタイツの中にはふくらはぎ付近の筋肉に大きな着圧をかけることで血流を促し、疲労回復効果を高めるというコンセプトで開発された製品もあります。
筋肉サポート力に優れたランニングタイツほど静脈の血流を効率化してくれるため、疲労軽減効果も高いのが特長です。
膝の関節をサポートしたり走行姿勢を維持したりする機能を最優先に開発されたランニングタイツは、疲労軽減という点では必ずしも効果が高いとは限りません。
ふくらはぎ付近の着圧と太腿付近の着圧に変化を持たせる段階着圧タイプのランニングタイツであれば、そうした血液の循環も考慮されて設計されているため疲労軽減効果が期待できます。
脚の筋肉が十分に発達していないランニング初心者は静脈の血流を押し上げる力も強くありませんが、こうしたタイプのランニングタイツを着用することで筋力不足による疲労物質の蓄積が緩和されます。
長時間走り続ける中で筋肉の疲労に悩まされている人には、故障を防ぐためにも段階着圧タイプのランニングタイツがおすすめです。
まとめ
ランニングにありがちな故障の原因としては膝関節付近の靭帯を痛めるケースに加え、不安定なフォームや低温と疲労蓄積の影響が考えられます。
それぞれの故障原因を防ぐのに適したランニングタイツは異なますが、特に初心者は関節サポート機能やフォームを安定させる機能を重視して製品を選ぶようにするといいでしょう。
冬場は防寒効果に優れたランニングタイツを着用し、段階着圧タイプを選んでおけば脚の筋肉も痛めにくくなるものです。