足幅の広い初心者ランナーにおすすめのマラソンシューズ、ニューバランスのRC1100とW1040を履いてみた
幅広の足を持つ人にとって、マラソンシューズを選ぶときにありがたいのは、ニューバランスの存在ではないでしょうか。
海外のメーカーの靴は、マラソンシューズに限らず、どちらかというとスリムな幅であることが多いのですが、ニューバランスはアメリカのメーカーながら、スリムなものから幅広のものまで、選択肢の広いことが特徴です。
幅広の足の初心者ランナーが、ニューバランスの異なるタイプのマラソンシューズを履いてみました。
ついに見つけた、ニューバランス
最初はうす底のRC1100
個人的な話になりますが、10マイルマラソンに勢いでエントリーしたことから、マラソンの世界にはまっていきました。
ところが、はまればはまるほど、足にあうシューズがほしくなるのに、なかなか見つけられないのです。
初心者ランナー向けとされる、ミズノのウエーブライダーやアシックスのGT-2000を試してみたものの、窮屈さを感じたり、爪が痛くなったりと、しっくりこないのです。
そんな時に、初心者ランナーにはクッション性の高いシューズがおすすめだが、練習の時には、うす底のマラソンシューズを履くのも、走力アップによい方法だという記事を雑誌で読んだのです。
うす底のマラソンシューズは速いランナーのものと思っていたので、自分にもうす底のシューズを履けるのだと思うと嬉しくなり、早速探し始めました。
ところが、大前提が幅広のシューズであるため、そこにうす底という条件を加えると、なかなかヒットするマラソンシューズはありません。
ついに見つけたのが、ニューバランスのRC1100でした。
このシューズはびっくりするくらい、足にぴったりときました。
軽くジョギングしてみたところ、こんなに軽くて気持ちよく走れるシューズがあったなんてと、走りながらうきうきしてきたものです。
とはいえ、脚力のない初心者ランナーですので、長距離をこのクッション性の低いサブ3.5ランナー向けのシューズで走ることは不可能です。
練習のジョギング用と、5キロ程度の短い距離の大会にと、RC1100は大活躍しました。
うす底のマラソンシューズに興味のある初心者ランナーには、ニューバランスのRC1100は、軽快に走れるおすすめのシューズです。
メーカーのRC1100の製品説明を見ると、サブ3.5のランナー向けとあり、購入するのをためらってしまうかもしれませんが、ぜひ一度お店で試し履きしてみてください。
軽いジョギングや短い距離のスピード走には、初心者ランナーでも使えますから。
ニューバランスW1040
うす底のマラソンシューズを探すなかで、ニューバランスと出会えました。
これまでは選択肢にも入っていなかったメーカーです。
ニューバランスは靴幅の選択肢が多いことを知り、早速ニューバランスの中から、フルマラソン用のシューズを探し始めました。
そうして見つけたのがW1040です。
ニューバランスの靴を履いてみて感じたのは、アシックスやミズノに比べて、大きめに作られているということです。
大きめというよりは長めといったほうがよいのかもしれません。
たとえば同じ23センチサイズのシューズでも、アシックスとミズノに大差は感じられないけれど、ニューバランスの場合はやや大きい(長い)のです。
ですから、これからニューバランスのマラソンシューズを買おうという人は、シューズの長さがやや長めであることを考慮に入れて、サイズを決めることをおすすめします。
さて、W1040は店頭になかったことから、インターネットで購入しました。
やや大きめサイズであることを考え、いつもよりワンサイズ小さいものを注文しようかと悩みました。
けれども、ワンサイズ下げると、その分わずかながら幅も狭くなるからと、いつも通りのサイズで注文しました。
これまで散々靴の幅に泣かされてきたので、大事をとった形になります。
合わなければ交換してもらえばよいのです。
届いたシューズを見た第一印象は「大きくて、がっしりしている」でした。
当たり前ですが、RC1100の軽快さとは正反対の見た目です。
サポート性やクッション性は格段にアップしたものの、がっしりしすぎているのではというのが、最初の感想でした。
このW1040は、そもそもウルトラマラソンなどの超長距離用に作られているので、しっかりしていて当然といえば当然なのです。
RC1100を履いた直後に、W1040を履いて走ってみると、まるで登山靴を履いているかのように重たく感じたものです。
それでも、最初からW1040を履いて走り始めると、重たさが気になるということはありませんでした。
足先にゆとりがありすぎるような気もしたのですが、これまでずっと幅がきつくて困っていた身には、ゆとりがあるくらいの方がよいと、サイズダウンはしないことにしました。
おかげで、購入してからお蔵入りとなっていた、5本指のマラソン用ソックスを履くことができるようになりました。
5本指のソックスを履くと、普通のソックスに比べて指の間にも生地がある分、足幅が太くなり、シューズがきつくなり履けなかったのです。
W1040を履いてハーフマラソン出場
フルマラソンを見据えた3度目のハーフマラソンは、長野県木祖村で開催されたやぶはら高原ハーフマラソンでした。
7月のマラソン開催は、暑い盛りで、都会では考えにくいものですが、標高の高い木祖村では、それほどの暑さは感じないのでした。
実際、コース上にシャワーも設置されていたものの、曇り後半霧雨の天候で、肌寒さを感じるほどでした。
しかし、梅雨の明けきらない時期で湿度が高いこともあり、熱中症症状で搬送されるランナーもいました。
この大会のコースはアップダウンの繰り返しで、ペース配分を間違えると大変です。
後半にある急坂には気力もそがれます。
それでも、ニューバランスのW1040で走って何の怪我も痛みもなく、最後に多少膝に痛みが出た程度でゴールできました。
急な下り坂などは、クッション性の高いW1040により、足が守られていたのかもしれません。
平たんでないコースを走る人には、W1040はおすすめといえます。
ニューバランスW1040でフルマラソン
サイズ変更をしてスタートラインへ
ニューバランスのW1040で、問題なくゴールできたことから、フルマラソンもこれで行こうといったんは決めました。
しかし、練習のためニューバランスのRC1100を履くと、次にW1040を履いた時にどうしてもその重さが気になるのです。
さらには、当初から多少気になっていた大き目のサイズということも、気持ちの上でしっくりこない原因になっていました。
ハーフマラソンを走ってみて、何の問題もなかったのだから、そのままでよかったのです。
けれども、ニューバランスは大き目に作られているのだし、幅にはゆとりがあるのだからと、ワンサイズ小さいものを新たに注文したのです。
インターネットで注文し、試し履きしてだめなら返品しようと思っていました。
届いたワンサイズ小さいシューズは、見た目としては、思っていた通りの、アシックスやミズノと変わりない大きさでした。
その見た目に、やはりワンサイズ小さくして良かったのだ、これで登山靴でなくマラソンシューズになる、と思ったのでした。
履いてみても問題はありません。
ジョギングしても問題はありません。
0.5センチ分小さくするだけで、これほど軽やかになるのかと、うれしくなったものです。
親指が痛い!
ついにフルマラソンの日が来ました。
出場したのは富山マラソンです。
マラソンのきっかけになった10マイルの大会に出たときと比べると、少ないながらも練習量は増えていました。
ハーフマラソンにも10マイルの大会以降、3回出場しました。
ある程度の自信をもってスタートしたのですが、15キロを過ぎたころから、足の親指に痛みが出始めたのです。
感覚としては「靴がきつい」。
しかし、スタートしてしまった以上、靴がきついというのは、どうにもできない問題です。
裸足で走るか、我慢して走るかのどちらかしかありません。
仕方がないのでそのまま走りました。
幸か不幸か、後半は、体中あちこち痛くて、足の親指の痛みは意識からなくなっていましたが。
そんな状態でも、最後はラストスパートする気力を残して、どうにか完走することはできました。
完走した夜の痛み
ゴール後は体中痛くて疲れてぐったりしているという予想に反し、かつて痛めた膝に多少違和感がある程度で、大きな痛手はありませんでした。
ただ一か所を除いて。
そう、足の親指の爪です。
15キロ付近から痛み出した親指の爪部分です。
ゴール直後は痛さを感じなかったのですが、夜には掛布団が当たっても痛いという状態になっていました。
サイズダウンしたことが、大きな間違いでした。
ハーフマラソンを無事完走できていたのに、なぜその時のシューズを履かなかったのかと悔やまれますが、後の祭りです。
その後長い間、両足の親指の痛みに苦しみました。
店頭で的確なアドバイスをくれる店員さんにみてもらっていたら、正しいサイズ選択をできていたのでしょうか。
がっしりしすぎているという感覚が強かったので、もしもアドバイスをもらっていても、独断でサイズダウンしていた可能性はあります。
明らかにきつければ、試し履きの時点で、あるいは練習中にわかったでしょう。
しかし10キロ程度の距離であれば、問題を感じることなく走れていたので、大丈夫だと思ってしまっていたのです。
それでもおすすめのシューズ
間違ったサイズ選びをして痛めた親指の爪は、真っ黒に変色してからは痛みもなくなり、約半年後に根元からすっかり全部剥がれました。
下にはうっすらとやわらかい次の爪の元ができていて、親指の爪がちゃんと通常の爪の状態になったのは、フルマラソンからほぼ一年後のことでした。
そんなことのあった、ニューバランスW1040ですが、サポート性にもクッション性にも優れており、初心者や長距離を走る場合にはおすすめです。
足幅の広い人はぜひ選択肢に入れてみてください。
まとめ
ニューバランスのRC1100とW1040とは、その性能や特徴に明らかな違いがあります。
それでも、履きわけることで、初心者ランナーにも履けるシューズの選択肢は増えます。
そして気に入ったシューズで走れる心地よさは格別です。
矯正靴やアーチサポートインソールの開発を手掛けていたニューバランスのマラソンシューズは、幅広の足や外反母趾の足をもつランナーにもやさしいシューズだといえるでしょう。
ぜひ一度お試しください。