間違っていませんか、あなたのランニングタイツの選び方?
ランニングタイツを履いているランナーが増えました。
マラソン大会に参加すると、ランニングタイツを履いていない人を見つけるのが、大変なほどです。
ランニングタイツは、誰もが当然のように着用するものになっているようです。
けれども、ランニングタイツと一言で言っても、その機能性能は様々です。
皆が履いているからと、何となく買って何となく履いていたりはしませんか。
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サポート系ランニングタイツ
タイツに共通の機能
ランニングタイツには保温や日焼け予防などの機能があり、これはタイツ全般に当てはまる機能と言えます。
そして、疲労軽減効果もランニングタイツには期待できます。
タイツを履くことで、足全体がきゅっと締まった感じがします。
締まり具合は製品により異なりますが、この着圧がかかることで、筋肉の揺れが抑えられるのです。
ランニング中は、地面を蹴っては着地する動きが、延々と続きます。
その動きのたびに筋肉は揺れています。
揺れるだけでエネルギーのロスにつながるのです。
この揺れを抑えることで、疲労軽減が図れるというわけです。
皮膚の保護や保温のほかに、多少なりとも疲労軽減効果が期待できるというのが、基本機能のみのタイツと言えます。
このタイプですと、安価なものでは千円台からでも購入可能です。
マラソン大会などで履いている人が多いのは、この基本機能に何らかの効果がプラスされたランニングタイツであることが多いでしょう。
どんな効果がランニングタイツに期待できるのでしょうか。
大きく分けて、関節のサポートに特化したものと、疲労回復に特化したものの2タイプあります。
サポート系ランニングタイツの特徴
サポート系のランニングタイツは、サポートという名が示す通り、ランナーをサポートしてくれるタイツです。
何をサポートしてくれるのかというと、関節のサポートです。
どの関節のサポートかは、製品によって異なってきます。
股関節や膝をサポートするものが多いでしょう。
仕組みはテーピングと同じです。
その都度自分でテーピングするのは大変ですが、サポート系のランニングタイツであれば、履くだけで、テーピング効果が得られるというわけです。
疲労軽減や皮膚の保護・保温のほかに、膝に不安があるような人には、このサポート系のランニングタイツがおすすめです。
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コンプレッション系ランニングタイツ
特徴
コンプレッションとは圧力の意味です。
どんなタイツかというと、着圧をかけることで疲労回復効果が期待できるタイツです。
皮膚の保護や保温というタイツの基本機能のみを備えたものでも、履かないよりは履いた方が、着圧はかかります。
ですから、ある程度の疲労回復や疲労軽減の効果は、基本機能のみのタイツでも得られるでしょう。
このコンプレッション系のランニングタイツは、着圧に着眼し、足首、ふくらはぎ、太ももなど部位ごとに着圧を変えるなどし、より効果的に疲労回復ができるよう、筋肉に圧力がかかるつくりになっています。
圧力をかけるとなぜ疲労回復につながるの?
人間は、心臓から赤血球が全身に酸素や栄養を送り届けることで、活動することができます。
ランニング中も、足が動き続けるのは、心臓から赤血球が足の先まで酸素を届けてくれているからです。
心臓から足先へと、赤血球を運ぶ道となるのが動脈です。
動脈の血の流れは、下に向かう流れですので、スムーズに流れていきます。
問題は静脈の流れです。
酸素を送り届けた赤血球は、二酸化酸素や老廃物を集めて心臓に戻るのですが、その通り道となるのが静脈です。
静脈の流れは、足先から心臓へと上へ向かっていますので、押し上げる力がなければ戻れません。
その役割を担っているのが静脈弁です。
これが動いて血液を押し上げるのです。
ところが、静脈弁は筋肉の収縮によって動くため、筋肉が疲れて収縮が鈍ると、弁の動きも鈍くなります。
すると、押し上げる力が弱まり、老廃物や二酸化炭素を運びきれなくなり、疲労がたまっていくのです。
そこで、コンプレッション系ランニングタイツの出番です。
着圧で足の筋肉全体を締めて刺激し、収縮を促すことで、静脈の血がうまく心臓へ戻れるようにしてくれるのです。
着圧は強ければよいのか?
ランニングタイツを買ってみたけれど、締め付け感が強くて、履き続けられなかったという人もいるのではないでしょうか。
疲労回復のため静脈弁の動きを良くすることを目的とした場合、かける圧力は強ければよいというわけではないのです。
むしろ弱圧の方が、疲労回復効果は高いと言います。
圧力が異なる2種類の機能性タイツを履いた場合と、何も履かなかった場合とで比較した研究があります。
強圧のものと、弱圧のものと、何も履かない場合とでは、運動中の心拍数の平均が、弱圧タイツの場合が最も低く、疲労にかかわる血漿インターロイキンという血液成分の上昇も、弱圧タイツが最も少なかったそうです。
それぞれのタイツを履いて運動した直後の、垂直とびや跳躍の結果も、弱圧タイツを履いていた方が高い値を示したそうです。
そうしたことから、この研究では、下肢の筋肉疲労の軽減や、心拍数の上昇抑制には弱圧が有効だと結論づけています。
目的別のランニングタイツの選び方
走りを助けてもらう
初心者ランナーなどで、まだ十分な筋力がない場合などは、サポート系ランニングタイツがおすすめです。
テーピング効果が期待でき、関節への負担が軽減されます。
けが予防という点でも期待できます。
ただ、サポート系ランニングタイツを履いてトレーニングしたら、筋力や走力がアップするかというと、そうではありません。
あくまで筋力や走力の向上は、トレーニングの結果であって、ランニングタイツがもたらしてくれるわけではありません。
ランニングタイツを着用することで、故障の予防が期待できますので、故障なく継続してトレーニングを続けるために、ランニングタイツが手助けしてくれると言えるかもしれません。
大会などに出場する際にも、テーピングをするかわりに、いつものタイツを履いて走ると、故障なくよい結果が出るかもしれませんね。
トレーニングや大会の疲労を早く回復させる
トレーニングをしても、疲労が抜けず、次のトレーニングに影響が出るのでは、最大のトレーニング効果は望めません。
疲労が残ったままトレーニングを重ねることで、けがにもつながりやすくなります。
コンプレッション系のランニングタイツは、ランニング入門者から上級者まで、疲労を早く回復したい人に、おすすめのランニングタイツです。
大会で酷使した体にも、使用すると翌日の疲れの残り方が違うといいます。
注意しておきたいこと
タイプを誤らない
何の目的でランニングタイツを履こうとしているのか、その目的に合ったタイツを選択することが大切です。
同じ着圧といっても、筋肉部分により圧がかかるようなつくりになっているのか、関節部分により圧がかかるようなつくりになっているのかで、得られる効果が違います。
またランニング中に履いた方がよいのか、ランニングの後に履いた方がよいのかなど、履くべき時にも違いが出てきます。
着圧は強ければよいわけではない
着圧が強い方が、何となく効果がありそうに感じてしまいがちですが、疲労回復という点で言えば、強圧より弱圧の方が有効であるという研究結果がでています。
サポート系ランニングタイツで、疲労回復を目的にしない場合であっても、強すぎる圧は、関節をサポートしてくれたとしても、同時に、走る際の足の動きを抑制することにもなってしまいます。
メリットとデメリットを考えたうえで、自分の目的にあったものを選ぶことが大切だと言えるでしょう。
まとめ
いまやランニングタイツは、走る時には履くものと言ってもおかしくないくらいに、普及しています。
はた目にはどれも同じように見えます。
皆が履いているからと、安易に購入してはいませんか。
その機能は製品それぞれによって違いがあります。
ぜひ、ランニングタイツを履く目的をはっきりさせたうえで、どれが適しているのか選んでみてください。
上手に選択すれば、ランニングタイツは、記録向上にきっと貢献してくれることでしょう。