低反発まくらと高反発まくらの違い
まくらの種類に低反発まくらと高反発まくらがあります。
それぞれのまくらは、どのようなものなのでしょうか。
またどちらも快眠には効果的であるとうたわれていますが、両者の違いはどのようなものであり、どちらのまくらを選べばよいのでしょうか。
以下に低反発まくらと高反発まくらの特長や違いなどについて述べてまいります。
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目次
低反発まくらとは
小さな気泡が多く密集したウレタン素材でできている、スポンジ状の材質でできているまくらです。
もともとはスペースシャトルに搭乗する宇宙飛行士のためにNASAが開発した素材です。
頭部を乗せるとゆっくりと沈み込んで、やさしく柔らかく包み込む感触があります。
その名の通り反発力が低いため、面で重みを吸収し体圧を分散させる効果があることから、頭部や首などの負担を軽減させ快適に眠ることができます。
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低反発まくらの特長
頭部の重さに応じてまくらの表面が自由に変形してその状態を保つため、好きな形状で眠ることができます。
指で軽く軽く押さえるとその形がはっきりと残るような低い反発力の素材でできていますから、頭部をまくらの表面全体でやさしく包み込んで柔らかな寝心地を得ることができます。
頭部をしっかりと安定させる形で眠ることになるため、寝返りを少なくさせることで快適に眠ることができるという特長があるまくらです。
そのため寝相が悪い人などにとっては低反発まくらを使うことで安眠効果や疲労回復効果が期待できるといえます。
他のまくらと比較しても安価で販売されていて種類も豊富であり、自分にとってお気に入りのまくらを選ぶことができます。
固すぎず適度な柔軟性があることから違和感なく自然な眠りにつくことができるため、どちらかといえば柔らかめのまくらを希望している人にとってはおすすめです。
低反発まくらの欠点
頭部がまくらに沈み込んだ形で眠ることになるため、寝返りしにくいという欠点があります。
そのため肩こりや首に負担がかかりやすく、人によっては寝心地が悪く感じます。
また寝返りをしにくいということからずっと同じ姿勢で寝続けることになり、これがストレートネックを生ずる原因とされていることも指摘されています。
低反発まくらをしばらく使用してみて首に違和感を感じるようであれば、使用を中止した方が良いかもしれません。
低反発まくらは使用しているうちに柔軟性がなくなってきた場合や反発力が低下して元に戻りにくくなったり、あるいは汚れてきた場合には買い替える必要があります。
低反発まくらは通気性が悪いために夏などの暑い時期には湿気がこもってムレやすく、頭皮にニキビや湿疹ができやすいという欠点もあります。
低反発まくらのお手入れ
低反発まくらは抗菌作用を施しているものが多く見られますが、使い続けているうちに変色したりカビが生えてくる場合もありますので、そのようなときは洗濯するようにしましょう。
洗濯の方法としては桶にぬるま湯を入れて少量の洗剤でしばらくまくらをつけ置きし、やさしくもみ洗いします。
その後洗剤を洗い流して水分をしっかりと落とし、十分に天日干しをします。
乾燥機などの使用はウレタン素材を壊してしますので避けるようにしましょう。
一般には低反発まくらの寿命は6カ月~3年程度とされています。
低反発まくらは湿気がこもり易いまくらですので、長持ちさせるためにはこまめに天日干しをしてやるといいでしょう。
高反発まくらとは
高反発まくらは反発力や復元力が優れた天然ゴムを原料としたラテックス素材を使用しているまくらです。
ほかにもポリエチレン素材や金属製のコイルなどを用いている高反発まくらもあります。
低反発まくらとは異なり、適度に固く感じるクッション性の高いまくらです。
高反発まくらの特長
高反発まくらの最大の特長は、その優れたクッション性です。
頭部が沈み込まないために寝返りが打ちやすく、特に首や肩への負担も少なくなることから肩こりやさらには腰痛の改善にも効果があるとされています。
寝返りは寝ている間に血液の循環が停滞しないようにするための体の自然な動きです。
これを自由にさせることで疲労回復や首、肩の凝りなどを減少させます。
通気性にも優れていて、寝ている間に汗をたくさんかいてもむれることなくさらさらとした爽やかな寝心地を楽しむことができます。
低反発まくらは寒い時期には固くなるという傾向がありますが、高反発まくらは気温や湿度に影響されず1年を通して同じ寝心地を得られることができます。
しかも寿命が長く耐久性に優れ長期間使用しても変形しにくいため、買い替えの期間が長いという特長もあります。
天然のラテックス素材は自然由来の抗菌作用があるのも大きな特長です。
カビやダニはもちろん、黄色ブドウ球菌なども寄せ付けず、天然素材ですから小さなお子様がいるご家庭でも安心して使用できます。
高反発まくらの欠点
低反発まくらと比較するとどうしても割高になりますし、種類もそれほど多くはなく取り扱っている店舗も少ないようです。
また汚れても丸洗いができないという欠点もあります。
高反発まくらは表面が固く感じるものですが、反発力が強すぎて固すぎるとかえって首などへの負担がかかってしまうことにもなりますから、自分に合ったまくらを選ぶことが大切です。
なおラテックス素材はゴムが原料となっているため、特に粗悪品はゴム臭が強いものもありますから、ゴムに対するアレルギーがある人は金属製コイルを用いたものや高反発ウレタン素材などによる高反発まくらを選ぶ必要があります。
高反発まくらのお手入れ
高反発まくらの素材は水に弱く、少しでも濡れると原型に戻らなくなってしまいます。
そのため丸洗いはもちろん厳禁で、むしろまくらカバーをこまめに洗うことが大切となります。
またゴム素材ですので、太陽光で劣化してしまいますから、天日干しもしてはいけません。
汚れた場合は濡らしたタオルでふき取り、陰干しするようにします。
低反発まくらと高反発まくら、結局どちらがいいの?
低反発まくらと高反発まくらとではどちらが優れているか、ということは一概には言えません。
低反発まくらは頭部の重みを分散し柔らかい寝心地が得られるので、低反発マットレスと併用すればより一層安眠効果があります。
特に頸椎ヘルニアなどの人にとってはその改善に効果的とされています。
一方で寝返りを打ちにくいという点から、寝相の悪い人にとっては逆に自由に寝返りを打てる高反発まくらの方が安眠効果が高くストレートネックの改善にもなります。
高反発まくらの方が通気性に優れていて寿命が長いということは言えますが、品ぞろえが少なく価格も高いことが欠点です。
このように使用する人によって低反発まくらの方が良いという人もあれば、高反発まくらの方が気持ちよく眠れるという人もいます。
自分の睡眠のタイプに合ったまくらを選ぶことが大切といえるでしょう。
またいずれのまくらにとっても、自分に合った高さのまくらを選ぶということも重要です。
まとめ
低反発まくらも高反発まくらもそれぞれ一長一短があり、人によってどちらのまくらを選べばよいか違ってきます。
睡眠は人間にとって非常に重要なものであり、それをより効果的にするためにまくらは重要なアイテムです。
低反発まくらと高反発まくらのどちらが自分に合っているかをよく見極め活用することが、心地よい眠りを得るためには大切です。