産後の悪い寝姿勢で起きた腰痛は、骨盤ベルトが救世主に

産前産後の骨盤ベルト

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出産後、可愛い赤ちゃんにやっと出会えたと喜んだ私を襲ったのは、腰の激痛でした。

赤ちゃんが泣いても抱っこができません。

ベッドに横になろうとしても腰が痛くて眠れません。

すぐ目の前にあるトイレに行くにも30分かかる始末。

すやすやと眠っている赤ちゃんを起こさないように、静かな病室で一人苦しみ、涙を流しました。

そんな私を助けてくれた救世主が「骨盤ベルト」でした。



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骨盤の重要な役割

骨盤は人間の身体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐ要となる骨です。

骨盤には大きく分けて次の4つの役割があります。

歩くときの役割

歩行時に両足と胴体をつなぐ股関節と連動し、足からの衝撃を吸収するとともに上半身を支えてくれます。

出産時に骨盤がゆがむと、激痛で歩行が困難になります。

内臓を守り、正しい位置に保つ役割

骨盤は内臓を守り、下から支える役割を担っています。

産後に骨盤がゆがむと、内臓を支えることができなくなり、ポッコリお腹となってしまいます。

座るときに体を支える役割

座るときは、赤ちゃんが生まれるときに開く坐骨を支点として支えます。

産後に横座りやぺちゃんこ座りをしていると骨盤がゆがみ、腰痛の原因になります。

上半身を支える役割

寝ているとき以外、骨盤は上半身を支える役割を担っています。

骨盤が正しい位置にないと、バランスが取れず美しい姿勢を保つことができません。



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産後の骨盤の状態

妊娠初期の段階ではまだ骨盤は開いていなくても、出産に向けて少しずつ骨盤が開いていきます。

そして出産前になると赤ちゃんの頭が通るので、骨盤は最大限にまで開きます。

当然のことながら、出産後は骨盤が開いた状態になっているので歪みやすくなっています。

しかも骨盤の靭帯もユルユルになり、きちんと骨盤を押さえられない状態になってしまっています。

そして骨盤は、産後半年ほどかけてゆっくりと閉じていきます。

靭帯も適度な運動をすれば元の状態に戻ります。

産後におすすめの寝方

出産が終わってすぐ、赤ちゃんに出会えた高揚感から私は産後ハイとなり、痛みや辛さを忘れてしましました。

あれほど長時間の陣痛に苦しんだのに、可愛い赤ちゃんを見ればそんなものは吹き飛びました。

そして赤ちゃんは検査ために助産師さんに預け、私は病室に戻りました。

夜中ずっと陣痛で苦み、やっと出産したのでホッとしていつの間にか眠っていました。

私は普段から横向きで寝るタイプなのですが、当然、このときも自分の楽な姿勢の横向きで眠ったのです。

それが後々の悪夢をもたらすとも知らないで。

目を覚ますと、3時間以上寝ていました。

腰を大きな針で突き刺されるような痛みと骨盤がずれているような違和感を感じ、慌てて仰向けになりました。

腰が痛くて身体を起こすことができません。

ベッドがボタンを押すと上半身を起こしてくれる仕様だったので、軽く動かしてみました。

45度くらい上半身が起き上がりましたが、激痛でそれ以上動かすことはできませんでした。

仰向け・うつ伏せ寝

出産後すぐの寝方として望ましいのは、仰向けかうつぶせ寝です。

うつぶせ寝は内臓を圧迫するので普段の寝方としてはあまりよくありませんが、産後すぐに限ってはうつぶせ寝をおすすめします。

ゆるみきった骨盤が安定し、内臓が押さえられるので痛みも和らぐからです。

仰向けで寝る場合は、膝の下に枕を敷いておくと楽な姿勢になります。

横向き

私もそうですが、横向きが寝やすいという方は多いと思います。

しかし、出産後すぐはあまりおすすめできない寝方なのです。

赤ちゃんと添い寝や添い乳をしながら寝たいから横向きじゃないと、という方もいるかもしれませんが、産後すぐは本当にやめておきましょう。

ずっと同じ方向で横向きに寝ると、骨盤を水平保つことができないため、骨盤がゆがんだり子宮が元の位置に戻らなかったりする可能性があるからです。

どうしても横向きで寝たいという方は、膝を曲げで胸の方に近づけて体を丸めて寝ましょう。

抱き枕などを足に挟んで寝るのもおすすめです。

また、同じ方を向いて寝るのではなく、右向きと左向きを同じ時間ずつ交互に行うといいでしょう。

救世主、骨盤ベルトのおかげで

横向きに寝たばっかりに、と後悔しかありませんでした。

そこへ主人がやってきました。

背中を支えて起こしてもらわないと、腰に激痛が走ります。

病室にトイレがあり、ベッドから3メートルのところにありますが、まずベッドから足を降ろすことができないのです。

片方の足を動かすと、それだけで腰が痛みます。

両方の足を同時に少しずつ、本当に数センチ刻みで移動させていきました。

ベッドの縁まで足を動かせても、次は足を降ろさなければなりません。

主人に足を支えてもらい、同時に地面に付けてもらいました。

そして立つのにも一苦労です。

脇を抱えてもらい、一気に立ちました。

しかし足を踏み出すことができません。

また足を少しずつ、数センチ刻みで動かして前に進みます。

やっとトイレに着いたと思ったら、30分以上かかっていました。

こんな状態では赤ちゃんの世話はできない、情けないという思いで涙があふれてきました。

助産師さんが赤ちゃんを連れて病室に来てくれました。

可愛い赤ちゃんに胸がいっぱいになりました。

しかし、赤ちゃんが泣きだしても腰が痛くて抱っこもできません。

オムツも変えられないし、お世話をすることがまるでできないのです。

助産師さんを呼んで腰の痛みを相談したら、少し気持ちが落ち着いてきました。

そこで骨盤ベルトを巻いてみるように言われました。

まれに私と同じような症状になる人がいるので、骨盤ベルトがおすすめだそうです。

産後の骨盤ベルトの巻き方

骨盤ベルトは骨盤を安定させるためのものなので、お腹ではなく骨盤部分に巻きます。

恥骨と大転子を直線に繋いだ場所に巻きます。

恥骨は、おへそから下へ触ると最初にある膨らみのある骨で、大転子は足の付け根の出っ張った骨です。

骨盤部分に圧がかかるように締めますが、あまりきつく巻きすぎるのはいけません。

恥骨のあたりに手のひらが入るくらいの余裕があるのが理想的です。

骨盤ベルトのおかげで痛みが緩和されて

骨盤ベルトを巻くと、不思議なことに自分の力で起き上がり、歩くことができました。

通常のように機敏に動くことはできませんが、ゆっくりとでも動くことができます。

身体を動かすときに発生する腰の痛みも緩和されました。

しかし2、3日経って骨盤ベルトを外すと骨盤がグラグラして痛み、まだ自分で動くことができませんでした。

だから寝ている間もずっと骨盤ベルトを巻いて過ごしました。

寝るときの姿勢は、骨盤ベルトがないときはうつ伏せ寝でないと無理でした。

しかし、うつ伏せ寝は身体を圧迫するので顔がむくみ、疲れも取れません。

ウトウトする分には構いませんが、夜本格的に寝ようと思うと無理でした。

骨盤ベルトを巻いてから、やっと仰向けに寝ることができました。

寝返りを打つのはなかなか難しかったですが、少しでも寝ることができるというだけで十分でした。

退院後の生活

退院後、実家に戻ってお世話になることも考えましたが、上に子供がいたので自宅で過ごすことにしました。

もちろん骨盤ベルトは、朝から晩まで巻いていました。

まだ上半身を起こすのはツラかったので、赤ちゃんのお世話も添い乳でしのぎました。

そして起きるときは、ベッドを転がって足を先に地面に着けると楽だということも編み出しました。

日ごろの授乳中の姿勢も骨盤に影響を与えるので、なるべく腰を倒さないように気を付けました。

骨盤のゆがみをとるために整体にも5回ほど通いました。

そして産後2か月して、ようやく骨盤ベルトを外して生活することができるようになったのです。

まとめ

出産後の数時間の過ごし方は、本当に大切です。

少しでもゆっくり眠れる時間があるなら、骨盤をゆがまさないような寝姿勢を取りましょう。

また、骨盤ベルトをできるだけ早めに巻いて骨盤を安定してあげる必要があります。

「産後1か月は床上げするまで養生が必要」だと昔から言われています。

その期間に無理をすると、骨盤が開いたままで戻りが悪くなったりゆがんだりしてしまいます。

できる限り、周りの人に協力を仰ぎ、自分のことや赤ちゃんのお世話以外は手助けしてもらうことが望ましいです。