腰痛と椅子との関係について3種類の椅子について検討してみる

椅子

くつろいでいる時や仕事をしているときなど、様々な状況で椅子に座ることがありますが、一日の中で椅子に座っている時間は結構長いものです。

椅子に座っているときには、同じ姿勢を保っていることが多いので、体に与える影響も少なくありません。

特に腰痛を患っている場合には、どのような椅子を使うかによって、腰痛の状態を悪くすることもあるので注意が必要です。



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座り姿勢と腰痛との関係について

椅子と腰痛との関係を考える上では、椅子に座ったときの腰の負担について考えることが始まりになります。

座り姿勢と緊張について

腰痛にはいろいろな原因があり、その原因によって治療法が異なりますが、各原因に共通してよくない生活習慣というものもあります。

これを椅子との関連について言うと、座ったときの姿勢がポイントになります。

座っているときには、少なくとも立っているときよりはリラックスしているはずなのですが、姿勢によっては、腰に負担をかけてしまっていることがあります。

具体的には、あぐらの姿勢が分かりやすいのですが、あぐらをかいているときには、足に対して腰の位置が低くなっています。

一方、このとき上半身はまっすぐ上に、もしくはやや前かがみになっています。

この姿勢だと、体の後ろ側にある腰の筋肉は少し伸びた状態で、かつ上半身を支えるために緊張した状態になっています。

この、伸びた状態で緊張している、というのが腰にとって大きな負担となっているのです。

そして、この負担を長時間続けることで、腰痛にとってよくない影響を与えることになると考えられます。

椅子に座った姿勢と腰の緊張について

上で述べたように、椅子に座ったときに腰痛に悪い影響を与えないようにするには、伸びた状態で緊張している、という状態に出来るだけなら無いようにすることが大切です。

上ではあぐらの姿勢をとったときについて考えましたが、普通に椅子に座る姿勢では、足と上半身が大体直角、もしくはやや鈍角になるので、腰が伸びた状態にはならないのではと考えがちです。

しかし、椅子に座っているときには、自然に前かがみになることがあります。

特に仕事や作業などをしているときには、無意識に前に乗り出すことがあるので、このようなときには、腰が伸びた状態になっているのです。

そこで、まず一つ目には、作業中などに前かがみになっても、出来るだけ腰が伸びないように出来ないかを考えます。

次に、椅子に座ったり立ったりするときに、腰に負担をかけないようにすることを考えます。

せっかく椅子に座っているときに腰に楽な姿勢を保持出来ていても、座ったり立ったりするときに腰に負担をかけてしまってはどうしようもないからです。

また、座ったり立ったりするときには、腰に強い力がかかるので、座った姿勢のときとは異なった配慮が必要となるからです。



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クッションについて

楽な姿勢で座っていられるというと、クッションが思い浮かびますが、腰痛との関連ではデメリットも少なくありません。

クッションのメリット

クッションはやわらかい素材で出来ているので、全体的に沈み込むような姿勢となります。

このとき上半身はやや後ろにのけぞるようになるので、足と上半身は鈍角になり、腰に負担はかかりません。

また、後ろにのけぞった姿勢が基本となるので、座っているときに余計な力が腰にかかることもありません。

そこで腰への負担について考えたとき、クッションは優れた椅子となります。

しかし、背もたれの部分が比較的硬く出来ていると、沈み込んだ状態で上半身が前に押し出されるようになり、腰に力がかかってしまうので注意が必要です。

クッションのデメリット

上で述べたように、クッションは座っているときの姿勢としては腰へとてもやさしいのですが、沈み込んでいる分、立ち上がるときに上半身を前に移動しなくてはならず、このとき腰に大きな負担がかかってしまいます。

また、クッションの前にローテーブル等をおいて飲食をしたり書き物をしたりするときには、その時に大きく前に乗り出す必要があるので、やはり腰への負担は大きくなります。

クッションのおすすめ使用法

以上のことを考えると、クッションは、座っているときにはあまり姿勢を変える必要がない状態で使用するのがおすすめです。

また、常に左右の少なくともどちらかに肘掛があるようにして、立ち上がったりするときには肘掛が利用できるようにすることが大切です。

ひざあて付きチェアーについて

特に作業などをするとき、座面がやや前に傾斜して、その代わりに前に滑り落ちないように、ひざを前から支えるようになった椅子について考えます。

ひざあて付きチェアーのメリット

ひざあて付きチェアーは、座面を前に傾斜させたときに、腰から背骨のラインが、全体的に負担が少なくなるように設計されているので、もちろん腰への負担はとても少なくなります。

一見すると、余計に背筋を伸ばした姿勢になっているので、長時間作業すると疲れるように思われますが、元々腰や背中への負担が少ない姿勢なので、意外と疲労を感じることがありません。

ひざあて付きチェアーのデメリット

このように体への負担がとても少ないひざあて付きチェアーですが、この姿勢は作業には向いていても、休息をとるには向いていません。

また、疲労は少ないといっても、時々は姿勢を変えることが必要で,背もたれや座面の傾斜については調整できるものが多いですが、もともと背中をしっかりと支えるように出来ているので、休息をとるには背もたればきつく感じることがあります。

また、ひざあてがあるので、座ったり立ち上がったりするときにひざあてを避けるようにする必要があるので、このときに腰をひねったりする恐れがあります。

ひざあて付きチェアーのおすすめ使用法

このようにひざあて付きチェアー作業に特化した椅子なので、一定の時間作業に集中するような場合におすすめです。

そして、休息をとるときには、他の椅子に移ったり立ち上がる方がよいですが、座ったり立ったりするときに無理な姿勢をとらなくて済むように、周囲に比較的スペースの余裕がある状態で使うのがよいでしょう。

作業用スツールについて

構造が簡単で経済的なものとして、スツールの利用について考えます。

スツールのメリット

スツールに座った状態は、上半身が不安定になるので腰が緊張しますが、前後左右に均等に不安定なので、腰への緊張もバランスが取れるのであまり負担とはなりません。

また、シンプルな構造をしているので、狭い場所で使用するのにも向いています。

スツールのデメリット

座った状態で、ある程度の緊張がある分、疲労がたまります。

疲労がたまると姿勢が不安定となりがちになり、腰の緊張のバランスが崩れるので、腰へ負担をかけることになってしまいます。

スツールのおすすめ使用法

このように座った姿勢としては悪くないのですが、どうしても疲れやすいので、比較的短時間の作業で、周囲のスペースにあまり余裕がないときに使うのがよいでしょう。

まとめ

このように、椅子と腰痛との関係については、絶対に腰に優しい椅子というものを考えることは出来ません。

一方で、その時々に応じて腰への負担が少ない椅子と言うものを考えることは出来ます。

そこで、どのような状態で使用するのかを具体的に想定して、その状態に対応して最適な椅子を選んで使用することが重要となるのです。






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