腰痛になってしまう座椅子の座り方と、それを予防するための座り方
背の高い机ではなくテーブルで作業する人の中には座布団に座るのではなく、座椅子を使うという人も多いのではないでしょうか。
何となく「床に直接座るよりは座椅子のほうが負担は少なそう」というイメージがあるため、使ってみたは良いものの、実際使ってみると余計に腰痛が酷くなったという人も多いかと思います。
今回は、そうした「余計に腰が悪くなった」という事にならないための座椅子の使い方についてまとめたので、参考にしていただけたら嬉しいです。
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座椅子は腰に悪いというのは本当?
これは非常に良く言われる事ですが、座椅子に限った話ではありません。
そもそも「座る」という動作自体が腰に対して負担がかかる動作です。
ですから、床に座る、椅子に座る、座椅子に座るといった方法は問題ではなく、座っている時の姿勢が腰痛になるか否かの重要です。
逆に言ってしまえば、座る事が原因で起きる腰痛に関しては、姿勢や座椅子などの使い方、選び方を工夫すればリスクをかなり抑えることができるといえます。
ちなみに、腰痛持ちの人に珍しくない「立っている時のほうが腰は楽」という状態も、座ること自体が腰に対して負担をかけてしまっている事が原因で起きている可能性があります。
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座椅子が腰痛を起こしやすいとされる理由
座椅子に座ると腰痛になりやすいと言われますが、これは意識しないで座椅子に座ったときの姿勢が、腰に対してとても悪い姿勢になることが原因の一つです。
まず、大きな点として「前屈、後屈姿勢になり易い」という点が挙げられます。
そもそも、人間の背骨は本来、ゆるいS字カーブを描いています(これを脊椎の生理的湾曲と呼びます)。
この、緩やかな曲がり方が、サスペンションのような役割を持ち、上半身の重量を分散しています。
しかし、このカーブに異常が起きると、背骨の特定位置に負担が集中します。
腰痛も例外ではなく、背骨のカーブが弱くなると起きることがあります。
座椅子に座ってリラックスした姿勢を取ると、このS字カーブが崩れやすくなります。
そうすることで、腰に負担が集中し腰痛が起きやすくなります。
そのため、座椅子に座る時も姿勢をしっかりと気にして座っていれば、普通の座椅子でも意識しないで座った時よりも腰に対する負担を軽減することが出来ます。
座椅子で腰痛を起こさないためのポイント
座椅子を使っていて腰痛が起こさないようにするためには、座椅子に座っている時に次のようなポイントに注意するのがおすすめです。
●骨盤は軽い前傾になるようにする・猫背になっていないか・背もたれに寄りかかっていないか・足は伸ばさない方が良い・腰と背もたれの間に隙間が空けず、深く座るなどの点に注意すると、腰痛になるリスクを軽減することが出来ます。
また、これらの点を改善する以外に筋力をつけたり、体幹を鍛えたりすることも重要です。
日常的な動作の範囲であれば、いつもよりも少し歩く距離を伸ばすとか、歩く速度を少し早くするよう意識するといった簡単な事でも多少効果があるためおすすめです。
それ以上の専門的なストレッチやトレーニングは素人考えでやると、更に腰痛が悪化する事などもあるため、注意が必要です。
座る時は骨盤の方向に注意!
座椅子に座る時は、骨盤の方向に注意しましょう。
背骨のS字カーブを維持するためには骨盤を軽く前傾になるようにするのが良いとされています。
逆に、この前傾を妨げたり、深く傾けすぎたりすると腰痛が起きやすくなります。
そのため、猫背や背もたれによりかかるような姿勢を取るのは控えるのがおすすめです。
特にテーブルで作業したり、パソコンを触ったりする人は猫背に要注意です。
どうしても手元に意識が注力しやすく、自分で気が付かないうちに手元に頭を寄せてしまい、自然と猫背になってしまいます。
こうしたことを防ぐためにもテーブルやパソコンの画面の高さは、背筋が真っ直ぐに伸びる位置になるように調整するようにしましょう。
足は伸ばさずに、あぐらをかく
座椅子に座る時は、足を伸ばすのもあまりよくありません。
足を伸ばすと腰より上の重量が全て腰に対してかかるため、かなりの負担になります。
座椅子に座る場合には足を伸ばすよりは「あぐら」をかくのがおすすめです。
あぐらも決して腰にいい姿勢ではありませんが、それでも足を伸ばす姿勢と比べればずっと負担が少なく、座り方を工夫するだけで腰への負担をかなり軽減することも出来ます。
あぐらをかいて腰への負担を減らすためには骨盤で支えられるような足の組み方をする必要があります。
ポイントは、ほんの少しだけ胸を張るように意識して、腰ではなく足の付け根~太腿あたりに体重を乗せるようなイメージで座る事です。
座椅子に座る時は、深く腰掛けること
座椅子に座る時は深く腰掛けるようにしましょう。
浅く腰掛けると前後どちらかに姿勢が寄ってしまいがちで、上で書いた腰への負担が更に強くなります。
座椅子に座る時は腰と背もたれの間に隙間が空かないようにして座るようにするのがおすすめです。
深く腰掛けることで、背中と背もたれとの距離が狭くなるため背もたれに体重をかけた時に、大きく傾いでしまう事も防ぐことが出来ます。
また、座椅子を選ぶときは深く腰掛ける事が出来る座椅子を選ぶようにしましょう。
ネットショップで購入するのではなく、実際に店舗に見に行って実際に座ってチェックするのもおすすめです。
腰痛を起こさないために身近なもので出来る対策
腰痛になりにくい座り方ですが、実際に試してみるととても辛いかと思います。
特に骨盤の傾きを意識した座り方は1時間も同じ姿勢で居るのは辛いのではないでしょうか。
そういった点は、身近にあるもので補助する事でより楽に維持することができるようになります。
骨盤の前傾を維持するのが大変な人は、座椅子に座る時にお尻の下、坐骨に重なるように二つに折った座布団や堅めのクッションをはさむのがおすすめです。
そうすることで座った時に自然とお尻が持ち上がるため、意識しなくても骨盤の前傾を維持することが出来ます。
椅子の座面が広く、深く腰掛けることができない事も有ると思います。
そういった場合は、背もたれ側にクッションや座布団を挟んで、背もたれと背中の隙間を埋めるのがおすすめです。
どちらの場合でも、クッションや座布団で十分ですが、最近よく売られているとても柔らかいタイプのクッションはあまりおすすめ出来ません。
体重がかかる部分のため、クッションそのものが弾けてしまい、弾けない場合にも身体がクッションに埋まってしまい、高さが得られないため意味が薄くなってしまいます。
冬にコタツを使う人は要注意
寒い季節になると、テーブルからコタツに変更する人も多いかと思います。
座椅子でコタツに入ると「温かいし作業も出来るし、良い所だらけ…」と思いがちですが、実際には「あまりこたつから出ない」「足を伸ばしがち」「深く入ろうと猫背になる」など、腰に対する負担はむしろ増えやすいです。
特に、寒い日はコタツの外に出るのがつい億劫になってしまいがちですが、30分~1時間同じ姿勢を続けたら、一度コタツから出て軽いストレッチをするのが効果的です。
また、コタツを選ぶときは、座椅子の上であぐらをかいていても入れるくらい高さのあるものを選ぶようにしましょう。
低いコタツを選んでしまうと、寒さからついつい足を伸ばしがちになります。
まとめ
あぐらや座椅子は確かに腰痛になり易い姿勢です。
ですが、しっかりと対策を講じておけば普通に床に座るよりもずっと楽に作業することが出来ます。
座っている間、多少姿勢が大変なことはありますが、それも座布団やクッションを併用して、座った時の姿勢を意識した作りになっている座椅子を選ぶことで維持するのも楽になります。