腰痛用のコルセットには大きく2種類があります。 症状に合わせたコルセットを使いましょう。
腰が痛くて動くのが辛い…そんな経験はありませんか?
私も寝返りを打つのに呻きながら過ごした経験がありますが、その時にお世話になったのがコルセットでした。
しかしコルセットと言ってもいろいろな種類があり、ダイエット用のコルセットと、腰痛用のコルセットは全く異なります。
今回は腰痛用のコルセットについてご紹介しますが、腰痛用のコルセットでも大きく2種類あるのです。
症状にあったコルセットを正しく使用しないと、痛みを緩和できないだけではなく弊害もでてきます。
それでは詳しくご紹介していきます。
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腰痛用コルセットの目的と効果
まず、腰痛用コルセットの目的と効果について説明いたします。
腰痛用コルセットの目的は大きく3つとなります。
- 動きを制限する
- 関節を安定させる
- 腹圧を上げる
それでは順番に見ていきましょう。
動きを制限する
テーピングと同じ原理です。
コルセットで可動域を制限することにより、痛みを感じない程度の動きに制限することが出来ます。
実際に私も、立ち上がることが困難な症状で、コルセットを巻くとなんとか立ったり歩いたりすることが出来ていました。
関節に圧力をかけて安定させる
コルセットを巻くことで、関節に圧力がかかり関節が安定します。
関節を安定させることにより筋肉に力が入りやすくなり、動けるようになるのです。
腹圧を上げる
腰椎や骨盤を前から支えるのはお腹です。
お腹を支えるには、腹筋を締めるか、中から腹圧をかけるか、どちらかの必要があります。
腹筋や腹圧がかかっていないと、痛みのもとである部分が無防備になってしまうため、症状が悪化します。
腹筋がしっかりしていれば筋肉で支えてくれるわけですが、年をとって腹筋が緩んでくるとこれが支えられなくなります。
腹圧というのは、例えば押し相撲をした時にお腹に力がはいると思いますが、これを腹圧と言います。
コルセットを巻くことで腹圧がかかり安くなるため、内臓や筋肉が安定するので、痛みが減ります。
ヤクザ映画で、お腹にサラシを巻きますが、あれはお腹を切られた時に内臓が飛び出さないようにするためのものなのですが、それと同じ効果がコルセットにはあるのです。
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腰痛用のコルセットの種類は大きく2つ
腰痛用コルセットと言っても大きく2種類あり、痛む部位によって使い分ける必要があります。
簡単に言うと、骨盤より上が痛む場合は「腰椎ベルト」、骨盤より下が痛む場合は「大転子ベルト」を使いましょう。
腰椎ベルト
腰椎ベルトは、骨盤より上の痛みに対応するものであり、骨盤より上に巻きます。
たまに上に巻きすぎている人がいますが、コルセットの下部分が腰骨に当たるような感じで巻きます。
これを巻くことにより背骨の根本が安定して痛みが減ります。
大転子ベルト
大転子(だいてんし)というのは骨盤につながっている「足の付根の出っ張った骨」です。
骨盤と連動して股関節を動かすのに重要な骨なのですが、ここが安定していないと歩く時に支障がでます。
また、大転子周りの筋肉を痛めると、歩行に支障が出るだけでなく、下半身が太くなることがよくあります。
大転子ベルトは骨盤より下を締め付けるものであり、股関節を安定させる目的で使用します。
オーダーメイドの医療用コルセットはどうちがう
ぎっくり腰で病院に行くと、症状がひどい場合はオーダーメイドのコルセットを作る場合があります。
私も作らされた口ですが、結果として市販のコルセットとは全く別物でした。
何が違うのか
当然ながら症状によって作るコルセットは違うものになると思いますが、私の場合痛みは背骨でした。
作ったコルセットは、市販のものよりも明らかに長いものであり、締めるけると言うよりも「骨盤の上に筒を載せて背骨を安定させる」ものでした。
椅子に座っていても、腰骨の上にコルセットが乗っかる感じになり「煙突の中に入って支えられている」用な状態になります。
当然ながら体にフィットした形状である必要があり、石膏で型をとり、鉄の芯が何本も中にはいった、見た目的には「ウェストニッパー」の用なものでした。
しかし、流石にこれは楽で、コルセットと言うよりはほとんど取外し可能なギプスであり、今まで使っていたコルセットとは全く別物でした。
費用はいくらくらいかかるか
私の場合は3万5000円くらいでしたが、これは症状や作りによって変わると思います。
あくまで参考程度とお考えください。
保険は効くのか
保険がききます。
負担割合によって返ってくる金額は変わりますが、例えば3割負担の場合は代金の7割が戻ってきます。
意外と安価に体にピッタリあったコルセットが作れた印象があり、是非ご検討されることをおすすめいたします。
ただし、私の場合は一旦全額払い込んで、後日返金されるようになっていましたので、ご注意ください。
つけっぱなしで良いのか
朝起きてから、夜寝るまでほとんどつけっぱなしの状況でした。
ただし、寝るときは血行が悪くなって回復に支障が出るので外してください。
また、オーダーメイドのコルセットはほとんどギプスなので、スポーツはほぼできないと考えたほうが良いです。
運動をする場合は、スポーツ用のコルセットなどに付け替えられることをおすすめいたします。
関節が運動不足になり回復が遅れる
コルセットを付けていると楽ですが、関節の動きを制限するために回復が遅れる可能性があります。
特に大転子の痛みの予防にはストレッチが有効なのですが、コルセットに頼ってしまうと関節自体が固まってしまう恐れがあります。
痛みが出ているときは仕方ありませんが、痛みが収まって再発予防の場合は、ある程度コルセットを外した状態で関節を動かす運動をしたほうが良いと思います。
ただし、判断は医師の指示に従うことをおすすめいたします。
筋力が落ちる
コルセットは、痛みにより筋肉や腹圧がかけられない状況をサポートするものです。
コルセットを常用してしまうと、楽なのですが筋力が落ちます。
コルセットに頼りすぎると、筋肉や骨と関節で支えられなくなってしまいますので、注意が必要です。
症状が収まった場合は、コルセットを外して本来の状態を取り戻せるように運動することが望ましいです。
ただし、不安がある場合は予防的にコルセットを使うケースもあります。
これも医師の指示に従ってリハビリを行うことをおすすめいたします。
寝るときは付けたままでいいのか
前述しましたが、寝るときはコルセットは外しましょう。
コルセットを付けたままで寝ると、血流が悪くなって回復が遅れることと、筋膜が癒着して体を動かしにくくなり別の痛みが出る可能性があるからです。
コルセット無しで就寝する際に痛みが出るときは、私の場合は抱きまくらを使うと楽でした。
横向きに抱きまくらを抱くことで、余計なところに力が入らなくなるのと、動きが制限されるからです。
症状によって違うと思いますので、抱きまくらを抱きながら、痛くない体勢を探してみられることをおすすめいたします。
スポーツ用のコルセット
医療用のコルセットだけでなく、スポーツ用のコルセットが存在します。
特徴としてはコルセットにしては動きやすく、汗をかいても洗いやすいというものがあります。
補強材が樹脂製
医療用のコルセットは補強材がアルミや鉄ですが、スポーツ用のコルセットは補強材が樹脂製です。
「ある程度回復して運動もしたいけれど、コルセットなしでは怖い」という時にはこれがおすすめです。
樹脂製の補強材なために、動きやすく、ぶつかったとしても自分も相手もケガをしません。
洗いやすく、装着感も良い
スポーツをするとどうしても汗をかきますが、医療用コルセットはあんまり洗うとボロボロになってきます。
スポーツ用のコルセットは動きやすいですし、全体的に伸縮性があるため「固いもので締め付ける」というよりも「ゴムのようなもので巻き付けて締めける」感じになります。
実際私も症状や状況に合わせてコルセットを使い分けていました。
特に回復期に、予防として使うには、スポーツ用コルセットは楽でした。
まとめ
腰痛用コルセットには大きく、「腰椎ベルト」と「大転子ベルト」があり、痛む部位によって使い分けが必要です。
また、オーダーメイドのコルセットは装着するとかなり安定感が違い、保険も効くことから、症状が重い人にはおすすめです。
しかし、つけっぱなしだと回復が遅れてしまうことがあるので、コルセットに頼らなくて済むようにリハビリを行うことが重要です。
リハビリの際、スポーツ用のコルセットを使うと、装着感もよく、安全ですので是非ご検討ください。