膝痛に伴い膝に水が溜まる!関節水腫の症状や原因や治療法について
膝痛には様々な障害や病気がありますが、「関節水腫」という症状をご存知でしょうか?
関節水腫を簡単に説明すると、いわゆる「膝に水が溜まる」という状態のことを言います。
では、どうして膝に水が溜まってしまうのでしょうか?
また、関節水腫の治療法とはどのようなことなのでしょうか?
ここでは、そのことについて詳しく解説していくので、膝に痛みがある方や膝に不安のある方、関節水腫に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
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関節水腫とはどのような症状なのか
関節水腫とは、膝関節内にある滑液(関節液)の分泌量が増えて蓄積してしまう症状になります。
そのため、膝は腫れあがったようになってしまいます。
関節水腫は「膝に水が溜まる」という表現をされることの多い症状ですが、では、なぜ膝に水が溜まるのでしょうか?
その原因について解説していきます。
膝に水が溜まる原因
膝関節内には膝の動きをスムーズにする潤滑油のような液体があります。
その液体が「滑液(関節液)」になり、通常は粘り気がある無色透明な液体をしていますが、障害や病気が影響すると淡黄色や白色になったりします。
そのため、滑液を調べると、膝痛の障害や病気の種類を絞り込むことができます。
滑液は膝の動き以外にも、関節軟骨に酸素や栄養を供給したり、老廃物を排出したりする働きもあります。
膝関節を覆っている関節包の内側に滑膜があり、滑液は滑膜から分泌されています。
そして、滑膜は古い滑液を吸収する働きもあります。
そのような滑膜の働きにより、関節包内にある滑液は、丁度良い滑液量を維持しています。
しかし、滑膜が刺激されると滑液が多く分泌されてしまいます。
その刺激の元となるのが炎症になります。
つまり、滑膜に炎症が起こることにより滑液は多く分泌され、膝に水が溜まってしまうのです。
滑液の分泌量が多くなるほど関節包内には水が溜まっていき、圧力が強くなるため、膝関節の安定感は失われていきます。
また、膝周辺の筋肉が緊張して固まることにより血流は悪くなり、膝関節内にある化学物質や異物などは排出されにくくなります。
このようなことが更に滑膜を刺激し、滑液が多く分泌されてしまうという負のスパイラルにはまってしまいます。
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どうして炎症が起こるのか
滑膜を刺激する原因となる炎症はどうして起こるのでしょうか?
そのことについて解説していきます。
滑膜を刺激するものは、膝軟骨や骨のカスや欠片になります。
つまり、それらが炎症を起こして滑膜を刺激しているのです。
炎症が起こることにより、膝関節内にサイトカインという炎症物質が放出されるので、炎症は更に強くなり、痛みも更に強くなってしまいます。
それでは、膝軟骨や骨のカスや欠片が発生する原因について解説していきます。
スポーツや事故などによる膝の怪我
スポーツでは、怪我をして膝を痛めることがあります。
その怪我は主に、疲労の蓄積・突発的な強い負荷を受ける・アクシデントなどが原因となります。
それらのことにより、膝軟骨や骨を損傷し、軟骨や骨のカスや欠片が発生してしまうことがあります。
また、交通事故などの突発的な事故で膝を怪我することにより、軟骨や骨のカスや欠片が発生し、水が溜まってしまうことがあります。
歳を取ることによる骨の衰え
歳を取って老化していくと、身体の様々な部分が衰えていきますが、膝の軟骨や骨なども衰えていきます。
そのため、高齢になるほど膝軟骨はすり減りやすくなり、軟骨が壊れたり変形しやすくなったりします。
その影響で炎症が起こり、水が溜まってしまうことがあります。
膝痛の病気や障害
先程、老化で膝の骨や軟骨が衰えると炎症を起こしやすくなり、水が溜まることがあるということを話しましたが、そのような膝痛を変形性膝関節症と言います。
これは、加齢も原因になる症状なため、中高年に多い症状になります。
変形性膝関節症以外にも、半月板損傷や靭帯損傷、痛風や関節リウマチ、離断性骨軟骨炎や神経病性関節症などがあり、水が溜まる原因となります。
滑液ではなく血液が溜まる場合がある
一般的に関節水腫は「膝に水が溜まる」と表現されますが、水(滑液)ではなく血液が溜まる場合もあります。
そのようなケースは、靭帯損傷や半月板損傷などの膝の怪我で多くあります。
それらの怪我によって、膝周辺の細胞組織が損傷し、内出血をして膝関節内に血液が溜まってしまいます。
また、それらの怪我以外にも、血友病という病気でも膝に血液が溜まってしまうことがあります。
関節水腫と思われる症状
水が溜まる原因は炎症なため、関節水腫は痛みを伴います。
ですが、その他にも関節水腫と思われる症状があります。
それは、患部が腫れあがるようになることです。
滑液が過剰分泌され蓄積されるため、患部はふっくらと膨れてしまいます。
その部分を押してみると、ぷにょぷにょしており、異物が入っているような感覚があります。
痛みの感じ方は、その人によって異なりますが、階段の上り下りや、歩いていて方向転換した時などに激しい痛みを感じる場合もあります。
膝関節内に水が過剰に蓄積されていると、その圧力により膝の可動域が狭くなりやすくなります。
また、関節包が大きくなることや靭帯が緩むことで膝はぐらぐらし、不安定になりやすくなります。
関節水腫の治療法
関節水腫の適切な治療法は、膝関節内の水を抜き、炎症を抑えることになります。
水が溜まることによる圧力は、炎症を悪化させる原因になるため、溜まった水(滑液)を抜く必要があります。
一般的には、注射器を使って水を吸い込んで抜きます。
水を抜くことにより圧力がなくなるため、膝関節が動きやすくなり、痛みも緩和されます。
ですが、この状態は一時的なことになり、水が再び溜まれば膝は膨れ上がり、痛みが出て、膝の可動域は狭くなってしまいます。
そのため、膝痛の原因となっている根本的な部分を治す必要があります。
薬による治療
消炎鎮痛剤などにより炎症を抑え、膝に水が溜まるのを防ぐ方法になります。
非ステロイド系消炎鎮痛剤以外にも、湿布やクリームなどの外用薬があります。
また、座薬や内服薬などもあり、本人の症状に適したものを使用します。
そして、ステロイド剤を注射で入れたり、ヒアルロン酸注射をしたりすることもあります。
患部を温める治療
温熱療法は、患部を温めることにより血行を良くし、回復を促進させます。
また、血行が良くなることから、炎症を強くする物質は流れやすくなります。
そして、患部の筋肉が温まることにより動きが良くなります。
クリニックでは、ホットパックや電気治療などで温熱療法を行います。
自宅でも温熱療法をすることができ、入浴したり、カイロを使ったり、蒸しタオルを使うことにより患部を温めることが可能となります。
また、保温効果に特化したサポーターを使うのもおすすめです。
手術による治療
薬物療法や温熱療法など、保存的療法では膝痛が改善する見込みがない場合は手術が検討されます。
膝痛の手術は主に、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工関節置換術の3つになります。
関節鏡視下手術は、膝関節内に内視鏡を入れて手術を行い、高位脛骨骨切り術は、骨の一部分を切り除き、骨の向きを正す手術になります。
そして、人工関節置換術は、壊れた関節を人工の関節に置き換える手術になります。
まとめ
以上のように、関節水腫は炎症が深く関係しています。
そのため、様々な膝痛で起こる可能性のある症状になります。
炎症が滑膜を刺激し、滑液が過剰分泌されてしまうので、水を抜いても炎症の原因となっている怪我や病気を治さないと再び水は溜まってしまいます。
そのため、根本的な部分である膝痛を治すことが関節水腫を治す方法になります。