色や香りも楽しんで、痛みも和らげばラッキー!慢性の腰痛には入浴剤を!
腰痛に悩まされたことのない人を探すのは、今の日本では大変なことではないでしょうか。
腰痛は、たくさんの人の悩みの種になっています。
原因がはっきりしているものもあれば、そうでないものもあります。
何らかの治療でさっぱりと痛みが消えればよいのですが、腰痛は肩こりと同様、特効薬に乏しく、痛みをかかえたままという人も多いでしょう。
すべての人の腰痛に効果があるわけではありませんが、日常で簡単にできる腰痛対策として、入浴剤の利用があります。
入浴剤を入れることで、どんな効果が期待できるのでしょう。
腰痛は温めるのが良いのか、冷やすのが良いのか
急性期は冷やすのが基本
腰痛に限らないのですが、打撲でも、ねんざでも、肉離れでも、外傷の場合、傷をうけた場所に炎症が起きます。
炎症が起きると赤くなったり、腫れたり、熱を持ったりします。
もちろん痛みも発生します。
これらの度合いがひどければひどいほど、強い炎症が起きているということになります。
腰痛ではイメージしにくいのですが、例えば、ぎっくり腰などは、わかりやすい例でしょう。
外傷を受けてからいつまでが急性期かという判断は難しく、厳密に期間を区切ることはできないようです。
実際、医師によってもその判断に違いがあるようです。
ただ、目安として非常におおざっぱに言えば、外傷を受けた時点から2日ないし3日、あるいは痛みが非常に強い間を、急性期と考えてよいようです。
そしてこの期間は、患部を冷やすのが基本です。
ですから、ぎっくり腰になった場合、数日の間は、温めない方がよいのです。
慢性期は温めるのが基本
急性期は冷やすのが基本であるのに対し、慢性期は温めるのが基本です。
急性期のように、血流を抑えて激しい炎症反応を鎮める必要はなくなっているからです。
逆に、血行を促進して代謝を良くし、患部の回復を助けることが大切になってくるため、温めるのが基本なのです。
入浴剤の効果が期待できるのも、この慢性化した腰痛に対してです。
ぎっくり腰になったからと、その日のうちに入浴剤入りのお風呂にじっくり入ると、痛みは和らぐどころか、炎症に加担して痛みを長引かせてしまうことにもなりかねません。
お気をつけください。
入浴剤の種類と効果
無機塩類系入浴剤
無機塩類系入浴剤とは、塩の字が入っていることから推測できるかもしれませんが、塩類の入った入浴剤です。
成分の具体名でいうと、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウムなどが挙げられ、これらを主成分とする入浴剤がここに分類されます。
この無機塩類系入浴剤は、保温効果に優れています。
それは、主成分の塩類が、皮膚表面にあるたんぱく質と結びつくことで膜を形成し、この膜が体から熱が逃げるのを防いでくれるからです。
そのため、入浴後もぽかぽかと温かさが続き、湯冷めしにくいということになります。
保温効果を求める場合には、この無機塩類系入浴剤がおすすめです。
炭酸ガス系入浴剤
炭酸ガス系入浴剤といえば、細かい泡がでてくる固形の入浴剤を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどと、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸などを組み合わせて作られています。
炭酸ガスには、血管を拡張させる働きがあります。
お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から吸収されると、血管の筋肉へ働きかけて血管を拡げるのです。
体中の血管が拡がると、血液の流れがよくなり血圧が下がります。
血行がよくなると、全身の新陳代謝も促進されます。
体内に入った炭酸ガスは、やがて肺から体外へ自然に排出され、体内にたまっていくことはないそうです。
血行促進や代謝促進効果を求める場合、炭酸ガス系入浴剤がおすすめです。
薬用植物系入浴剤
薬用植物系入浴剤とは、センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカなどの生薬が入っている入浴剤のことです。
生薬がそのまま入っているものもあれば、抽出されたエキスが入っているものもあります。
生薬は古くから、様々な場面で使用されてきています。
たとえば、トウキ、ウイキョウ、チンピ、トウガラシ、ショウキョウなどには、血行促進効果があることが研究により明らかになっています。
生薬の効く理由やメカニズムについては、まだ完全に解明されていないこともあるものの、その効果は昔から確かなものとして、生活の中に取り入れられてきました。
スキンケア系入浴剤
腰痛に効くかはともかくとして、入浴剤には、保湿効果のあるスキンケア系入浴剤とよばれるものがあります。
スクワランやホホバオイル、植物のエキス、米発酵エキスなど、保湿成分を配合した入浴剤で、特に乾燥する冬場にはおすすめです。
保湿成分が肌の表面だけでなく、内部にも浸透していくことで、肌がしっとりと保湿されます。
荒れた肌を潤すだけでなく、ひびやあかぎれなどの予防にも役立ちます。
腰痛におすすめの入浴剤のタイプとは
慢性の腰痛には、温めて筋肉をほぐし、血行をよくすることが、痛みの緩和に役立ちます。
腰痛の原因がはっきりしている場合はともかく、なんとなく続く痛みは、肩こり同様筋肉が凝ってかたくなってしまっていることが、痛みを継続させる要因となっていることもあります。
ストレッチや軽い運動が効果的とされますが、もっと気軽にできるのが、入浴剤を入れたお風呂で温めることでしょう。
目的は筋肉の凝りを和らげたり、血行をよくしたりすることですから、無機塩類系の入浴剤や、炭酸ガス系の入浴剤がおすすめです。
リラックスすることでも筋肉は和らぎますので、お気に入りの香り成分の入った入浴剤もよいでしょう。
また、腰痛にターゲットを絞った製品も出されています。
腰痛にターゲットをおいた入浴剤
薬用バブメディケイティッド
Kaoから出されているシリーズです。
通常のバブよりも炭酸が高濃度で含まれているため、肩こりや腰痛に効くとされています。
泡の数はバブの10倍にもなります。
柑橘の香り、森林の香り、花果実の香り、レモングラスの香りの4種類がありますので、お好みの香りでリラックスしながら入浴できます。
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムも配合されているため、保温効果も期待できます。
B019N7F7AI
バスクリンきき湯マグネシウム炭酸湯
バスクリンから出ているきき湯シリーズの中の一つで、肩こりと腰痛に効くとされています。
硫酸マグネシウムなどの温泉成分に炭酸ガスを加えたもので、カボスの香りのする入浴剤です。
ゆったりとお風呂に入ろう
温めることが大切だからと、熱いお湯に入るより、長湯できるくらいのお湯にゆったりとリラックスして入ることをおすすめします。
痛みはメンタルな部分ともつながっています。
血行促進や保温効果が高くなくても、リラックスして入ると、痛みから生じるストレスは和らぎます。
楽しいことをしていたり、気分良く過ごしている時は、一時的にせよ、痛みを忘れられたりします。
温めなければならないと、辛抱して熱いお湯に入るより、気持ちよく入浴した方が筋肉の緊張もほぐれます。
また、散歩などの軽い運動をして体をほぐしてから入浴すると、血行促進の点から入浴剤の効果も高まるかもしれません。
あるいは、入浴後、体がぽかぽかして筋肉も柔らかくなっているところで、ストレッチをするのもよいでしょう。
まとめ
日常生活の中に常に痛みがあるというのは、例え激しい痛みでなくとも、ストレスになります。
慢性化した腰痛は、簡単には治らないかもしれません。
でも、だからこそ、うまく付き合って、ストレスを少しでも和らげたいものです。
入浴剤は、数えきれないくらいたくさんあります。
効果が高いと言われるものも、そうでないものも、お楽しみを兼ねて色々試してみてはいかがでしょう。
それで痛みが和らげばラッキー。
たとえ変化はなくても、入浴剤の色や香りでリラックスできたら、小さなラッキー、と思ってはいかがでしょうか。