赤ちゃんには要りません。でも小学生くらいになったら首のくぼみにあったまくらを!
大人用のまくらは、たくさん市販されています。
まくらが合わないと、肩こりや頭痛など体の不調が起きることもあります。
でも、まくらって、そもそも何のために必要なのでしょう。
そして、子どもにも必要なのでしょうか。
まくら選びのポイントはどこにあるのでしょう。
子ども用のまくらと大人用のまくらで、何か違いはあるのでしょうか。
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なぜまくらは必要なの?
ありとあらゆると言ってよいほど、膨大な数のまくらが市販されています。
寝るときの必需品とされていますが、そもそもまくらは人間が睡眠をとるときに必要なものなのでしょうか。
なぜ眠るときに人はまくらをするのでしょう。
簡単に言えば、まくらがないと眠りにくいからです。
まくらのない状態で寝転がってみてください。
頭が下がって落ち着かない感じがしませんか。
まくらがないところで、例えばピクニックに行って芝生の上でごろんと横になったときなどは、まくらの代わりになるように、無意識に自分の腕を頭の下に持ってきていませんか。
人間はお尻から頭までの骨の連なりが、ゆるくSの字のカーブを描いています。
頭の重たい人間が二足歩行をするために、最も体の負担が少ない体のつくりがこのS字カーブなのです。
自然に立ったときに、首のあたりは横から見ると頭と肩のあたりに比べ、ややくぼんでいます。
寝た姿勢であっても、このくぼみが維持されている状態が、最もらくで自然な姿勢なのです。
寝ている間も、このくぼみを維持するために、まくらの支えが必要になるというわけです。
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まくらの高さはどうやって判断する?
まくらは、首のくぼみのカーブを支えるために必要です。
ということは、くぼみにあったまくらが一番よいまくらといえるでしょう。
S字のカーブの具合は人によって違います。
やせ形の人、小柄な人、大柄な人、太り気味の人など、体型によっても異なってきます。
壁を背にまっすぐ立ってみたときに、首のところにできた隙間が何センチくらいかで、おおよそのまくらの高さを判断することはできるかもしれません。
ただし、その場合は、まくら自体が頭の重さで沈み込むことを加味して高さの判断をしなければなりません。
横になったときに床との間にできたすきま分を、ちょうど埋めてくれるまくらの高さがよいということになります。
まくらの高さが適しているかどうかは、そのまくらであおむけになってみることで、おおよそ判断できます。
顎が上がっている場合は、頭が下がりすぎているということですから、まくらの高さが低すぎることになります。
逆に顎が引けてしまっている場合は、頭が上がりすぎているということで、まくらが高すぎるということになります。
子どもにはいつからまくらが必要か
小さな子どもにも、まくらを用意しているというご家庭もあれば、用意していないというご家庭もあるでしょう。
赤ちゃんには、通常まくらは必要ありません。
なぜかというと、赤ちゃんの骨はまだS字のカーブを描いていないからです。
歩行しない赤ちゃんの背骨は、S字ではなくCの字にゆるくカーブしているそうです。
まくらが必要なのは、首のくぼみを支える必要があるからです。
ということは、まくらは骨の連なりがCの字ではなくSの字のカーブになってからでよいということになります。
むしろ、首のくぼみがない状態でまくらを使用させるのは、よくないこととも言えるでしょう。
では、いつ子どもの骨はS字カーブを描くようになるのでしょう。
そもそも、S字カーブになるのは、二足歩行の時に重たい頭を支えるためです。
ですから、赤ちゃんが歩けるようになることがまず一番です。
歩き始めてから、少しずつ骨の連なり方に変化が出てくるのです。
個人差はありますが、おおよそ小学生になったころ、Sの字のカーブができてくるようです。
子どもにまくらを用意するのは、そのころを目安にしてはいかがでしょうか。
子どものまくらの選び方
高さ
子どものまくらの高さも、大人のまくらの高さを選ぶ時と同じ基準で選びます。
つまり、首のくぼみの分をちょうどカバーしてくれる高さがベストです。
お尻から頭にかけての骨のS字のカーブが、幼少であればあるほど、ゆるやかなカーブになっています。
ですから、子どもには大人のまくらは高すぎるということになります。
材質
まくらは首を支えるために必要なのですが、支えられたらそれでよいかというと、そうではないのです。
寝ている間に、大人も子どもも、何度も寝返りをうちます。
体をリラックスさせ正しい姿勢に導くために、寝返りは大切な行為です。
まくらがふわふわしすぎていたり、逆に硬すぎたりすると、この寝返りがうちにくくなってしまいます。
とはいえ、どれがふわふわすぎで、どれが硬すぎるか、子どもに判断を求めるのは難しいでしょう。
大人がかわりに推測するしかありません。
大人の感覚で、ふわふわしすぎておらず、硬すぎでもないものを選んでみてください。
寝入りがよく、夜間の寝返りがいつもと同程度で、本人も気持ちが良ければ、そのまくらでおそらく問題ないと判断してよいでしょう。
まくらが合わずに起こる不調
まくらが高すぎて寝返りの打ちづらいまくらであった場合、体調不良も起きかねません。
まくらの不具合で生じる不調の代表的なものは肩こりでしょう。
そのほか、硬すぎるまくらが血流を悪くし頭痛を引き起こすこともあります。
高さのあわないまくらは、腰痛の原因になることもあるそうです。
また、高すぎるまくらはいびきの原因にもなります。
これは、大人だけではなく、子どもにもあてはまることです。
ほかの原因が見つからないのに、これらの症状がでた場合は、まくらがあっていない可能性が考えられます。
子どものまくらのおすすめ
イタリアファベ社のメディカル枕
メディカル枕とは、イタリアの整形外科医が、長期入院患者さんの首の負担を軽減したいと開発したまくらです。
首筋から肩にかけてのウレタンフォームの凸部分が大きな特徴で、この凸部分が首のくぼみの支えとなり、首、肩、あごの筋肉が不自然に緊張しないようなつくりになっています。
これは大人用のまくらなのですが、このメディカル枕に6歳から13歳用の子ども用のメディカル枕があるのです。
大人用との違いは、まずその大きさにあります。
大人用の場合、まくらのサイズは横75センチ、縦45センチで、厚さは14センチあります。
これに対して子ども用のまくらは、横53センチ、縦35センチで厚さは10センチになります。
その他、大人とは頭の重さやS字カーブに違いがあるため、まくらそのものの硬さなどにも違いがあるようです。
どちらかというと、大人用のメディカル枕よりはやわらかいつくりという印象です。
大人用に比べると、サイズは小さくなるとはいえ、横53センチという大きさは、このまくらをおすすめするポイントのひとつです。
子どもは、よく寝返りを打ちます。
寝ている間もよく動きます。
ですから、子どもの小さな頭に合わせた小さなまくらですと、寝ている間に頭がまくらから落ちてしまうのです。
キタムラのジムナストキッズ
枕のキタムラが作った子ども用のまくら、ジムナストキッズもおすすめです。
メディカル枕同様に大きなサイズで、横幅は66センチもあります。
首のくぼみにフィットするよう、中央部分がやや低く作られています。
また、寝返りがうちやすいよう、真ん中から両サイドにかけてはゆるやかなカーブがつけられています。
さらに、まくらの高さを変えられる専用パッドがついています。
子どもの成長はとても早いものです。
身長が伸びるとともに、背骨のS字カーブの具合も変化していきます。
その度にまくらを買い替える必要がないようにと、高さを変えられるパッドがついており、約2センチ高くすることができるのです。
まとめ
大人にとっても、自分にあったまくらを見つけるのは簡単なことではありません。
子どもの場合、成長が早いこともあり、適したまくらを探すのはより困難といえるでしょう。
高価なものを買うのがためらわれたら、バスタオルで首のくぼみにあうまくらを作ってあげるのも一案です。
手作りにしても、購入するにしても、おおよそ小学生くらいになって、子どもがまくらをほしがったら、高さや硬さを検討したうえで、子ども用のまくらを用意してあげてください。
大きなサイズは頭が落っこちなくておすすめです。