骨盤ベルトのメリットや、使うタイミング、つけ方などのポイントを知って、産前産後の生活を快適に過ごそう
女性にとって、妊娠中から出産した後は生活も体もめまぐるしく変化します。
通常時に比べて、ホルモンの働きによって今までなかった体のトラブルをかかえやすいもの。
特に、腰・股関節・恥骨痛、体型の変化、体重の増加は多くの人が通る道です。
その一つの原因といわれているのが、骨盤のゆるみ。
少しでも、トラブルを軽減するためにセルフケアとして骨盤ベルトの必要性と効果、使用方法などをみてみましょう。
目次
産前産後の女性の骨盤は?骨盤ベルトの必要性は?
妊娠中はリラキシンというホルモンが影響して、分娩の時に赤ちゃんが産道を通りやすくするために、骨盤をつなぐじん帯や関節をゆるめ、骨盤の身体を支える力が弱まります。
骨盤周りの腰や股関節の筋肉に負担がかかる状態が続いて、腰痛や股関節痛が起こります。
特に現在の日本女性はダイエットをしたり、運動不足の人が多く、また生活の上でも立ったりしゃがんだりする習慣が少ないために骨盤のじん帯や筋肉が発達していない場合がほとんどです。
そのため、ゆるんだ骨盤を安定させ、サポートするために骨盤ベルトを使うことがおすすめです。
骨盤ベルトのメリット?デメリットは?
メリット
骨盤ベルトをつけると、骨盤のゆるみを軽減することで腰痛対策や安産にもつながるだけでなく、骨盤や骨盤周りの筋肉が鍛えられることで骨盤が安定し、出産前の正しい位置にもどりやすくなります。
産後はぽっこりした下腹、下半身太り、垂れたおしり、くびれを取り戻すことなど、産後の体型の悩みを解消してくれます。
また、骨盤ベルトは保湿効果もあり、お腹の皮膚のつっぱりも予防するので、妊娠線の予防の対策としても利用されることがあります。
産後は特に子供のお世話で忙しいので、運動をしたり、整体に行ったりする時間をつくるのが難しくなります。
骨盤ベルトがあれば、日常生活でセルフケアすることができます。
デメリット
骨盤ベルトは筋肉のかわりに骨格をサポートしてくれるものなので、長期間使用していると、本来、骨盤をサポートする筋肉が鍛えられなくなってしまうことがあります。
骨盤ベルトは、一時的に補助としてゆるんだ骨盤をサポートするために使うこと、また、産後に体が回復してきたら、骨盤ベルトの使用頻度を少なくするなど、筋力を養って徐々に元の状態にもどしていくとこを念頭においておく必要があります。
骨盤ベルトの装着の仕方はコツがいるので、難しいことや、生活を送っていると、ずれてしまうことがあります。
また、締めつけることによって、皮膚のかゆみや炎症が起きてたり、下腹を圧迫してしまう可能性もあります。
骨盤ベルトの選び方は?
試着をして、自分の体に合ったものを選ぶのが重要です。
妊娠中から産後まで長期に使えるものや、脱ぎ着しやすいもの、洗濯ができて、通気性のよいものを選ぶのをおすすめします。
産婦人科でもおすすめしている骨盤ベルトや、店員さんにアドバイスをもらって選ぶのも1つの手です。
サイズは、腰骨を計測して妊娠中の体重増加が8㎏以下は妊娠前のサイズ、8㎏以上の場合は1サイズ大きめを選ぶと妊娠中から産後も使うことができます。
ベルトが伸び縮みするもの、ファスナーで調整できるタイプのものであれば、体型が変わっても長期間使うことができます。
素材は、固いベルトであればしっかり骨盤をサポートしてくれます。
ただし、動きづらいことや、外見にひびくこともあります。
柔らかいベルトであれば、肌さわりもよく、外見にひびきませんが、骨盤のサポート力という点では、少し矯正力がおちます。
いずれも、試着してみて、自分の好みや体質に合った骨盤ベルトを見つけ出すことが大切です。
骨盤ベルトを使う時期は?
妊娠5か月から
お腹を圧迫する骨盤ベルトは使用しないようにします。
腰痛がある場合などは、ベルトの代わりにキネシオテーピングなどでサポートすることや、恥骨部の痛みや尿漏れを感じるような場合は、恥骨部分に骨盤ベルトを巻いてで固定することもできます。
妊娠9ヶ月から
お腹を圧迫する骨盤ベルトは使用しないようにします。
腰痛がある場合などは、ベルトの代わりにキネシオテーピングなどでサポートしながら、恥骨帯を固定できる骨盤ベルトでサポートすることがおすすめです。
産後から
出産を終えて2,3週目ころからつけ始めます。
産後1ヶ月間は子宮から悪露(おろ)という出血があります。
出産直後からベルトをつけてしまうと、悪露が出きらず残ってしまう場合があるので、悪露が出きってしまう2,3週間目以降からベルトをするのがおすすめです。
骨盤が閉じてしまい、矯正するのが困難になってくる産後6ヶ月までには、骨盤ベルトの装着が望ましいです。
骨盤ベルトのタイプは?
ベルトタイプ
妊娠中から産後も使えるベルトタイプの骨盤ベルト。
腰痛や恥骨痛がある場合に固定して使用すれば効果が期待できます。
ガードルタイプ
お腹から太ももまで覆ってくれる、はくタイプの骨盤ベルト。
産後から使用できて、お腹周りが気になる場合に効果が期待できます。
仙腸関節(せんちょうかんせつ)ベルト
仙腸関節とは体の上下をつなぐ唯一の関節で、骨盤全体として体を支える土台となる働きをもった関節のことです。
産後に仙腸関節痛や、ぎっくり腰に効果が期待できるタイプの骨盤ベルト。
骨盤の固定やケアすることに使うことができます。
骨盤ベルトの種類は?
トコちゃんベルト2
骨盤ベルトで評判がいいトコちゃんベルト2。
妊娠中の腰痛や恥骨痛を緩和してくれるだけでなく、産後ももちろん骨盤ケアとして長期に使えるので人気です。
産婦人科でもおすすめしているところが多いので安心できます。
骨盤をしっかり固定してサポートしてくれるので使い心地が高評価です。
マイルドトコちゃんベルト2
トコちゃんベルトの中で、骨盤のゆるみがあまりない人や、他のベルトがフィットしない人にはおすすめのベルトです。
トコちゃんベルト2と比較すると、つけ心地が自然で、蒸れて皮膚が炎症を起こすことが少ないのが特徴です。
ただ、店頭販売しかない商品です。
コナミスポーツ&ライフパワフルギアF
妊娠中から産後も使用できる機能が充実した骨盤ベルト。
簡単に締めることができて、ずれ防止加工がついているので、ずれてもすぐに直せます。
特に、効率を重視する人には便利で使いやすいのでおすすめです。
ワコール MGY620
妊娠中から産後も使えるはき心地の良い骨盤ベルト。
素材と装着のしやすさが工夫されているため、動いている間にずれたりせず、つけている時も違和感がないのが支持されています。
犬印 なが~く使えるマタニティベルト
妊娠中から産後も使えてしっかりサポートしてくれる骨盤ベルト。
クロスになった構造でお尻を包むので、ずれにくいのが特徴。
足の付け根に食い込みにくい設計なので、体型が変化してもストレスなくつけることができるので人気です。
ダッコ キュッとベルト2
産後すぐに使える骨盤ベルト。
伸び縮みしやすい素材が使われていて、ひっぱってテープをつけるだけで装着でき、産後ベッドで横になることが多い場合でも簡単にできるのが特徴です。
強めに締めつけたい人には評判です。
ピジョン 助産師推奨骨盤ベルト
産後すぐに使える骨盤ベルト。
本体についているベルトを引っ張って締めたあと、外側にある補助のベルトで固定します。
素材も蒸れにくく体にフィットするので、しっかり骨盤を引き締めたい人には人気です。
骨盤ベルトの正しいつけ方は?
骨盤が胸より高い位置にくるようにする
産後は骨盤がゆるんで、子宮や内臓が下垂していて、立った状態でつけると圧迫してしまう可能性があるため、仰向けになって、お尻の下に枕やクッションをおいて骨盤が胸より高い位置にくるようにして骨盤ベルトをつけます。
正しい位置にくるようにする
恥骨(へそから真っすぐ下に指をおろすと当たる硬い骨)と、大転子(恥骨から外側に指をたどると当たる出っ張りのある太ももの付根にある骨)を結ぶラインに骨盤ベルトをつけます。
正しい位置でつけないと効果が期待できない場合もあるので、注意が必要です。
正座をしてもきつくならない程度にする
きつく締めすぎてしまうと血流が悪くなって、腰痛やむくみの原因になります。
余裕をもって、正座をしても苦しくならない程度に骨盤ベルトをつけます。
ずれたら直すようにする
日常生活を送っているとどうしても骨盤ベルトがずれてきます。
ずれたままの状態では効果は期待できないので、常につけ直すように意識することが大切です。
まとめ
妊娠中から産後まで長く使える骨盤ベルトは妊娠出産を経験する女性にとって、特にありがたい存在です。
骨盤のゆるみを自分でケアするために、骨盤ベルトの正しいつけ方を知ることで、効果を最大に得ることができます。
普段の生活の中でも徐々に筋力を鍛える、姿勢を正すなどを意識しながら、トラブルから脱出するために骨盤ベルトの恩恵を受けるのもいいのではないでしょうか。