腰痛の原因は敷布団にあった!腰に優しい敷き布団を選ぶための3つのチェックポイント
腰を痛める原因には慣れない運動やスポーツ、肉体労働や立ち仕事の影響などが代表的な例です。
一方では寝ている間に腰が痛くなるという人も少なくありませんが、そのようなタイプの腰痛は敷き布団に原因があると考えられます。
腰痛を防ぐための敷き布団選びには自然な寝姿勢の維持と体圧分散、さらには寝返りの打ちやすさという3つの選定ポイントが挙げられます。
どれが欠けても腰痛の原因となる可能性があるため、3つの条件を兼ね備えた敷き布団が快適な睡眠をもたらしてくれるのです。
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敷き布団が原因で腰痛になる理由
腰痛には椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などの疾患を原因とするケースだけでなく、病院で検査を受けても異常が認められないケースも少なくありません。
X線検査や筋電図検査・血液検査といった検査で異常がないと診断され、原因が特定できない腰痛は全体の85%にも達します。
そのようなタイプの腰痛は何らかの原因で腰に負担がかかって筋肉に炎症が起きていると考えられますが、原因の1つに数えられるのが寝具です。
寝具に問題があると寝ている間も腰に大きな負担がかかり、腰の筋肉が緊張し続けるために腰痛の原因となります。
寝具の中でも特に敷き布団は腰への影響が大きいため、腰にかかる負担を軽減させるような素材と構造が求められます。
骨格や体重・体質が1人1人異なる中で、多種多様な敷き布団の中から自分に合った1枚を見つけ出すことが腰痛改善への第一歩となってくるのです。
敷き布団は柔らかすぎても硬すぎても腰に悪影響
敷き布団には寝心地の柔らかい低反発タイプもあれば、反発力が高めで寝心地の硬いタイプの製品もあります。
柔らかい寝心地を好む人はどうしても低反発タイプの製品を選びがちですが、柔らかすぎる敷き布団は腰痛の原因になりかねません。
逆に柔らかい敷き布団だとうまく眠れないという理由で、寝心地の硬い製品を好む人もいるほどです。
しかしながら硬すぎる敷き布団も後述するように腰に大きな負担がかかるため、腰痛を防ぐという観点から見れば良い選択肢とは言えません。
腰痛に悩まされている人が症状改善のために敷き布団の買い替えを検討する場合には、柔らかすぎず硬すぎもしない適度な反発力を持った敷き布団を選ぶのが理想的なのです。
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腰痛にならない自然な寝姿勢とは
理想の敷き布団に求められる3つの条件のうち、最初にチェックすべきポイントは自然な寝姿勢が維持できるかどうかという点です。
人間は進化の過程で四足歩行から直立二足歩行へと移行した経緯があるため、他の哺乳動物と比べて腰の骨に体重の負担がかかる骨格構造をしています。
体の中心にあって全身の骨格を支えている背骨は緩やかなS字カーブを描いており、腰のところで湾曲することで体重の負担が軽減される仕組みです。
起きているときはこのS字型が維持されていますが、寝るときに敷き布団が柔らかすぎると腰が深く沈み込んでしまってS字カーブが崩れてしまいます。
そうなると何時間もの間ずっと前傾姿勢を取り続けているのと同じ状態になり、腰に大きな負担が加わってしまうのです。
腰椎すべり症や腰部脊柱菅狭窄症の人には低反発タイプの敷き布団が適していると言われますが、その場合でも仰向けではなくできるだけ横向きに寝るようにする必要があります。
寝ている間も自然なS字カーブを維持できる敷き布団が理想
腰痛で病院を受診して椎間板ヘルニアや筋膜性腰痛と診断された人の場合は、前傾姿勢を取ることで痛みが出やすくなります。
そのような人が選ぶべき敷き布団は、反発力が高く腰が沈み込まないタイプの製品です。
そうした明確な原因が特定できないタイプの腰痛に悩まされているという人は、寝ているときに背骨の自然なS字型が崩れている可能性があります。
一般に腰痛持ちの人には高反発タイプの敷き布団やマットレスが適していると言われているのも、理由がないことではないのです。
特に仰向けの姿勢で寝た方が眠りやすいという人には低反発タイプの敷き布団は不向きですが、高反発タイプの敷き布団でも腰痛が出る場合は寝返りを打って横向きに寝ることで解決する可能性があります。
硬すぎる敷き布団も腰に大きな負担
柔らかすぎる敷き布団が腰痛の原因となっていた人は、高反発タイプの敷き布団に替えることで腰痛が軽減されています。
高反発マットレスなども腰痛持ちの人に人気を集めていますが、その上に敷く布団が柔らかすぎるようではマットレスの効果が十分に発揮されません。
敷き布団を高反発タイプに替えるだけでも腰への負担を軽減できるとは言え、敷き布団が硬すぎても腰には良くないものです。
寝ているときは肩や背中・腰など出っ張っている部分に体重の圧力が集中するため、敷き布団が硬すぎると腰と布団との間に隙間が生じて背骨をしっかり支えられなくなります。
布団の代わりに腰の筋肉が背骨を支えようとして一晩中緊張し続けると、腰の筋肉を痛める結果となりかねません。
布団を敷かず床に直接寝ると体が痛くなるのも、骨の出っ張った部分に強い体圧がかかるからなのです。
適度に体圧分散ができる敷き布団の構造
腰痛になりにくい敷き布団は背骨が自然なS字カーブを描くような寝姿勢を維持できるとともに、体圧分散にも優れています。
そのようなタイプの敷き布団は面ではなく点で体を支える構造だったり、多層構造や特殊素材で体圧をうまく分散する仕組みが採用されていたりするものです。
例えば中綿の下に適度な硬さを持つウレタンの層が重なる構造をした敷き布団であれば、下層のウレタンが体をしっかりと支えると同時に上層の綿が体圧を分散させてくれます。
硬い敷き布団の上に低反発ウレタン製などのパッドを敷くことでも同様の効果が得られる場合はありますが、それでも腰痛が改善されないという人には体圧分散敷き布団がおすすめです。
寝返りの打ちにくい敷き布団は血行不良から腰痛の原因に
寝ている間に腰痛が生じるもう1つの原因として、腰部付近の血行不良が挙げられます。
首の付近でも血行が悪くなると肩こりや頭痛の原因となるように、筋肉への血流が滞ると炎症物質が放出されて痛みにつながってしまうのです。
そのような原因による腰痛を改善するには、特定の個所が長時間圧迫されて血流が悪くなるのを防ぐために適度な寝返りを打つ必要があります。
一晩に打つ寝返りの回数には個人差もありますが、20回から30回程度が平均的な回数です。
この平均値よりも寝返り回数の少ない人は腰痛になりやすいというデータもあるほど、寝返りと腰痛とは密接な関係があるのです。
敷き布団選びは寝返りの打ちやすさも重要
寝返りを打ちやすくするには敷き布団にある程度の反発力が必要になってきますので、寝返り回数が極端に少ないという人は敷き布団にも原因があると考えられます。
睡眠中には無意識のうちに何回も寝返りを打っているものですが、意識することなく寝返りを打てるのは敷き布団の反発力を利用してわずかな力でも姿勢を変えられるからです。
敷き布団が柔らかすぎると寝返りを打とうとする力が吸収されてしまうため、自然と同じ姿勢で寝続けることになります。
そうなると腰の同じ箇所が圧迫されて血行が悪くなり、筋肉の炎症によって腰痛が生じてくるのです。
敷き布団に適度な反発力が求められるのは自然な寝姿勢を維持するためだけでなく、寝返りを打ちやすくして腰の血行を良くするためでもあります。
寝返り回数が少ないために腰痛を招いている可能性があるという人には、寝返りを打つのが楽な高反発タイプの敷き布団がおすすめです。
まとめ
敷き布団の柔らかさや硬さは単に寝心地を左右するだけでなく、腰に対する負担の程度にも大きく影響してきます。
腰痛になりにくい敷き布団の条件としては素材の反発力に加え、腰に集中しがちな体圧をどれだけ分散できるかという点も重要です。
寝ている間も立っているときと同じように背骨が自然なカーブを描けるような構造で、なおかつ体圧が特定個所に集中せず寝返りも打ちやすい敷き布団が理想的だと言えます。