世界のまくら博物館とまくらの歴史
良い眠りに欠かせないまくら。
一体どのくらい前から使われてきたのでしょう?
いろいろな国や地域によって、どんな形や素材のものを使っているのでしょうか。
例えば日本の昔のまくら。
よく時代劇などを見ていると、木でできたいかにも硬そうな小さな枕が出てきますが、
あれでよく眠れたのかな?と疑問に思ってしまいます。
そんな疑問に答えてくれるかもしれない、まくらに関する博物館があります。
「世界のまくら博物館」とまくらの歴史をご紹介します。
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いきなり住宅街に「博物館」?
私が以前住んでいた札幌市白石区内にその博物館はあります。
見つけたのは今から10年くらい前なのですが、今でも(2016年現在)やっているようです。
うちの夫は、一般の人が趣味で始めたようなマニアックな博物館が大好きなので、よくそんな不思議な場所を見つけます。
その時も、たまたまその辺りに用事があって出かけたところ見つけてしまいました。
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世界のまくら博物館
「世界のまくら博物館」は、白崎ふとん店という看板が出ている4階建てのビルにあります。
見落としてしまいそうな博物館の木製の看板に反して、ビルは結構立派なので、なんだかミスマッチ。
思い切って入ってみると普通のふとん店・もしくは事務所みたいでしたが、かなりのスペースにまくらが展示してありました。
(私が初めて訪れた当時は1階の店舗部分に展示してありましたが、今は展示スペースは4階に移ったようです)
店員さんに声をかけてから、ゆっくり見せてもらいました。
江戸時代の「木まくら」
収めてある数々のまくらは、白崎繊維工業の社長さんが50年に渡って収集したもの。
(今は2代目の方が跡を継いでいるそうです)
「そう、これこれ」とすぐに目に入ったのは、時代劇で見るあのまくら。
同じ木製まくらでも、表面に小さな座布団のような布製のまくらが付いているもの、旅行用と思われる折り畳み出来そうなもの、
台の部分が漆塗りっぽいお殿様がしてそうなまくらなど、形もいろいろです。
陶器で出来た「陶枕」(とうちん)
陶器で出来たまくらはおもに中国製のもののよう。
子供がうつぶせに寝そべってる形の年代ものや、白地に藍色で絵付けした綺麗な柄のものもあります。
ひんやり冷たいので、夏にはおすすめかな?でもやっぱりちょっと硬そうですね。
世界各国のまくら
アフリカのまくらは、木の枝のようなかたち。
アーチの部分に頭を載せるのでしょうか?
タイのは象の置物型まくら。
ガラスケースの中に非常持ち出し兼用まくらという箱型のまくらもありました。
蒔絵のように美しい金の模様が入っていました。
まくらの歴史
古代エジプトの遺跡などからも出土しているまくら。
その時代には、丸太や平たい石をそのまま使ったり、植物を束ねたものをまくらにしていたそうです。
技術が発展してくると、布製や陶器製など、中国やヨーロッパではそれぞれきれいに装飾されたまくらが、
工芸品として高値で売買されるようになったとか。
日本のまくら
江戸時代より前の日本では、結い上げた髷の形を崩さないために、あの高さのある木製まくらを使ったのだそう。
引き出しが付いている箱型のものは貴重品入れだったんですって。
さっきの非常持ち出し兼用まくらは、そういうものだったんですね。
そこから転じて、泥棒のことを昔は「まくら探し」と言ったそうです。
不老長寿のまくら
漢方に使われる菊の花を乾かしたものをまくらの詰め物に使った「菊まくら」は、
上品な香りがするうえに、不老長寿になるとして、日本では昔から珍重されていました。
花を詰めた良い香りのまくらなんて素敵ですね。
アロマテラピーなどが流行っている現代に在っても良さそう。
まとめ
「世界のまくら博物館」で見た珍しいまくらを参考に、まくらの歴史をたどってみました。
普段身近にあるものも、改めて調べてみるといろいろな発見があるものなんですね。
世界のさまざまなまくら。
どんな夢が見られるんでしょうね。
ちょっと試してみたい気もします。
特に、花びらが詰まった良い香りのするまくら、なんてぜひ試してみたいですね。