まくら選びで気を付けたいこと色々あるけど、実はまくらの高さってとても大事なんです
寝る時の必需品とも言えるまくらですが、どんな基準で選ぶのが一番いいのでしょう。
素材でしょうか柔らかさでしょうか、通気性や抗菌が問題でしょうか。
勿論それらも考慮に入れるのが必要でしょうが、何より考えていただきたいのはまくらの高さです。
まくらの高さによって睡眠の質も、また身体の不具合も解消できることもあるのです。
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まくらの目的とは?
その前に一応確認しておきたいのは、まくらを使用することの目的です。
勿論よく眠れて、疲れた身体や頭を休めるようにすることが、第一の目標であることは言うまでもありません。
最も昔は箱枕などと言う、髪型を崩さないようにするのが目的のまくらもあったわけです。
この箱枕は、頭を支えるわけではなくて、首の部分に使用して髷の後ろ側をつぶさないように使うわけです。
今でもこれは、舞妓さんなどが結った髪を崩さないように、寝るときに使用していると言う事です。
そう言った特殊な例を別にすれば、殆どの人は熟睡を目的にして寝具を選ぶわけですし、特に身体の中でも重量のある頭を支えるのに必要なまくらは、最も気を付けて選ぶべき寝具であると言えます。
寝ている時に人の身体は一番リラックス、脱力しています。
筋肉も緩んでいるわけですので、そこに負荷がかかるとトラブルが起きやすくなるのは、言うまでもないことです。
特に重要な神経の通っている首、頸椎の部分に負担をかけてしまうことの無いように、まくら選びは慎重にしたいものです。
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まくらの高さが重要なわけ
ではまくらの高さと言うのは、眠りや身体にどれほどの影響を与えるものなのでしょうか。
たかが枕の高さでそれほどまでにトラブルが起きるはずがない、とお考えの方のいるでしょうが、実は寝違えは勿論のことかなり大きなトラブルを引き起こしますので、充分に注意が必要なのです。
場合によっては睡眠障害や、呼吸器の問題も出てきますので決して甘く見ないでご自分に合った高さのまくらを慎重に選ぶことをおすすめします。
次に合わないまくらを使用した場合に起きる問題を、いくつかご紹介します。
まくらが高すぎた場合
まくらの高さが高すぎた場合、首は所謂うつむいた状態になります。
立っているとすると、下を向いた状態ですね。
所謂猫背ですので立っている時でもあまりいい姿勢とは言えませんが、では寝ている時にはどうなのでしょうか。
呼吸器への負担
この下を向いた、顎を引いた姿勢と言うのはどうしても、首から胸にかけてのラインを短くします。
その辺りの身体の内部に、負担をかけると言う事になります。
首から胸にかけては、呼吸器として大事な気管支があります。
うつむいた体勢だと、丁度ここに圧迫を加える感じになりますね。
つまり呼吸がきちんと肺まで入ってくれない、入りづらいので深い呼吸が出来ないと言う事になります。
寝ている時の呼吸が足りなければ、充分な休息も取れません。
また場合によっては、鼻呼吸でのいびきなどの呼吸器不全の兆候も出てきます。
特に高年齢者の場合は、充分に注意が必要なことでもあります。
食道への負担
食道は勿論、食べ物の通り道です。
ここが寝ている時に多少圧迫されても問題無いように思えるかもしれませんが、問題は気管支との境にあります。
うつむいた姿勢でいると、気管支と食道の切り替えの器官が上手く働かず、寝ている間に誤嚥の危険性も出ると言う事です。
つまり寝ている時に、無意識につばを飲み込んだりする時、それが食道の方に行かずに気管支に入ってしまったりの危険性もあると言う事です。
若い人ならまずこういったこともありませんが、高齢者の場合はただでさえ筋肉など弱っていますので、注意しておきましょう。
仰向けに寝ている時の姿勢の悪さ
このうつむいた姿勢のまま、つまりあおむけの状態で寝ていると、所謂猫背の姿勢になってきます。
適度に寝返りを打っていれば問題はありませんが、熟睡してあおむけの状態が続いてしまうと、猫背の状態で寝ている間を過ごすことになります。
この猫背、身体の前側の筋肉を弱める結果になるので、普段から姿勢には注意が必要なことなのは当たり前のことです。
でも無防備な、寝ている間にこれを身体の癖にしてしまうと改善が大変なので、このことからもまくらの高さには注意が必要と言う事になります。
まくらが低すぎた場合
ではまくらが低すぎると、どういう問題が持ち上がって来るでしょうか。
大雑把に見ると、まくらが硬すぎた時とは反対に今度は、上を向いた姿勢になるわけです。
立っていれば、天井を見ている姿勢ですね。
一見いい姿勢のように見えますが、やはりこれも続くと弊害が出てきます。
口呼吸の問題
昨今、子供たちの口呼吸が問題になっています。
鼻で呼吸が出来ずに口で呼吸をするために、風邪などのウィルスも感染しやすくなったと言う事で、鼻呼吸を推奨する意見が出ています。
低いまくら使用時の仰向けに寝た姿勢の場合、この口呼吸になってしまう可能性があります。
簡単に言うと、口を開いて寝ているということですね。
家の寝室ですので風邪のウィルスとかの心配はあまりありませんが、口を開いてしまっているので口の中が乾燥してしまいます。
つまりドライマウスの危険性が、出てくると言う事です。
まあこの口をポカンと開けた状態で寝ているところは、あまり人に見せたくないのも事実でしょう。
いびきの問題
いびきに関しては、一人で寝ている分には迷惑をかけることも無いので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんが、これを癖にしてしまうと厄介なのでこちらも注意です。
仰向けに寝ていることによって口呼吸になりますので、しかものけぞった状態での呼吸なので、喉の奥に負担がかかってゴロゴロいう感じのいびきが出ます。
口で吸って口で吐く呼吸をしているわけですので、喉の奥からいびきが聞こえてきます。
いびきは色々な身体のSOSを伝えてくれる症状でもありますので、まくらの高さの関係でいびきが癖になってしまうと、本当に何かあった時のSOSの役に立たなくなってしまうかもしれません。
まくらの高さを変えたらいびきも収まった、と言う場合は明らかにまくらの高さが合っていないと言う事ですので、高さの調整をすることがおすすめです。
高すぎても低すぎても共通の問題が発症します
高すぎるまくらも、低すぎるまくらも実は一番大事なところで共通の問題が起きてしまいます。
つまりは、頸椎への負担と言う事です。
重い頭を支える決して太いとは言えない骨、それが頸椎です。
首の骨、と言った方が解りやすいでしょう。
ここはしかも、脳と全身を繋ぐ大切な神経の集まりでもあります。
重さを支えた上に、大事な神経も守ってくれている頸椎に、寝ている間に負担をかけては睡眠が逆に身体に負担をかけてしまうと言う事になります。
うつむいた状態でも仰向いた状態でも、通常の頸椎の形は崩れてしまい前側か後ろ側に頭の重さが、偏ってかかってしまうのです。
これでは休息が休息にならないどころか、負担をかけるだけと言うのがお解りいただけるのではないでしょうか。
理想的なまくらの高さは?
では理想的なまくらの高さとは、どんなものでしょうか。
これは個人差がありますので、一概に何㎝などとは言えません。
頭蓋骨の後ろ側の丸みの大きさなどで、その人に丁度いい高さは決まります。
高さ調節の出来るまくらや、こちらの体重を受けて形が変化してくれるまくらは理想的ですが、それでも人間の身体は日々刻々と変化しています。
寝違えなどがあった時には、タオルなどでまくらの高さを微調整して上げるのも、また一つの方法でしょう。
まとめ
たかがまくらの高さ、と甘く見ていると身体に不都合を起こすこともあります。
1日のうち6時間はお世話になる寝具、まくらです。
寝ている間の無防備な身体を、守ってくれるまくらです。
健康な体のためにも、ほんのちょっとだけまくらの高さに注意して見てはいかがでしょう。
朝起きた時の1日の始まりが、まくらの高さだけで変わることも無いとは言えないのです。