腰痛がサイン?骨盤内の臓器・脊椎などから起こる深刻な病気とは
ただの腰痛だと思って放置していたら、実は大きな病気だった…そんなことも、稀にあるそうです。
とくに、骨盤内には重要な臓器が多く、これらの変調のきざしが腰痛という形で現れる事も。
脊椎~骨盤などといった組織を中心とした内臓のお話や、腰痛を併発する可能性のある病気の諸症状、心因性の腰痛などについても解説をさせていただきます。
目次
腰痛にもいろいろな種類がある
ひとくちに腰痛といっても、「どこが痛いか」「何をしているときに痛むか」で、名称は変わります。
特に骨盤に関しては、左右の骨・それをジョイントする2つの骨と合計で4つの骨で組織されており、そのうちのどれかが痛むことで「腰痛」と認識することも。
簡単なチェック方法を、後述いたします。
その痛みは骨盤?脊椎?座骨?
坐骨神経痛
骨盤の下部あたりに痛みの原因がある場合、坐骨神経痛と呼ばれています。
顕著な症状としては、
●立っていても寝転んでいても痛い
●座っていると、お尻のあたりがとくに痛い
●足全体や一部の箇所にしびれを感じる
こういったものになります。
腰椎を原因とする痛み
慢性的な腰痛との違いははっきりしているので、痛み方でその判断をすることになります。
●急激に、強い痛みが来る。
●ある姿勢をとると痛みが全くなくなるが、別のある姿勢では強く痛む。
●前のめりの姿勢が全くできない。
こういった症状が出ているときは、腰椎が痛みの原因と考えられます。
骨盤が原因の痛み
骨盤が原因である場合、どちらかと言えば「腰痛に関係なさそうな」症状が出やすい傾向にあるそうです。
後述しますが、骨盤内には代謝にかかわる重要な臓器がいくつかあり、これらが異変を訴えると症状がおきます。
極めて多岐にわたりますが、腰痛だけではなく
●排泄時の痛み
●肩こり
●のぼせ
●不眠
●ものにつまずきやすくなる
などなどです。
以下では、まずは骨盤痛から、内臓が原因である場合の重大な病気の可能性について触れていきたいと思います。
骨盤内の臓器疾患のサイン
骨盤内には、主に排泄器・生殖器に加えて、直腸・盲腸・肝臓があります。
女性であれば月経前後に痛むのは、内臓に端を発する典型的な腰痛と言えるでしょう。
筋疲労や骨盤のゆがみであれば、「痛まない楽な姿勢」がありますが、内臓に端を発する場合、どのような姿勢のときも痛んだり・突発的に急激な痛みがくる…などといった症状が挙げられます。
併発する痛みや症状から、典型的なものから紹介をしていきます。
食事の前後に痛む
この場合、胃腸の潰瘍・肝臓や大腸の異変が考えられます。
その他主な病変は、肝臓・胆のうの炎症など。
痛みのタイミングに気を使ってみましょう。
排尿の前後に痛む
これは男性に多く、生殖器が痛むことが多いので、分かりやすいかと思います。
主な病変は、腎臓・尿路にできる結石や炎症など。
その他は、女性特有のものなどがありますが、これについては後述をすることにします。
脊椎からくる深刻な病気のサイン
腰痛もちのかたに、こういった症状のある方はいないでしょうか。
●深呼吸をすると痛む
●がに股になり、歩きづらいと感じる
●熱が出たり、最近になって風邪をひきやすくなったと感じる
こういった症状が出ている人は、脊椎内に炎症が起きている可能性が多くあります。
どの部分にどういった症状が出ているのか、で病名の診断はかなり変わりますが、上半身を中心に痛む場合は一度診察を受けた方がいいでしょう。
坐骨神経痛が訴えるものとは
坐骨神経痛とは、脳から脊椎を通って腰まで通っている神経が、骨盤のジョイント部分のすぐ上あたりなどで圧迫されていることによって起こります。
骨密度が低下し始める40代以降の男女に多く、腰痛と間違えやすいのがポイントです。
初めのうちは「腰と合わせて足やお尻のあたりがしびれる」程度ですが、ひどくなると、歩行障害や排泄時の激痛などを伴うようになります。
女性は必見!月経前後の腰痛に注意
女性の場合、人によっては月経と腰痛は隣り合わせと言っても過言ではありません。
しかし、出産経験のない若い女性・あるいは出産経験問わず30代後半以降の女性にとっては、重大な病気のサインとなることがあります。
医師のもとでよく診察されるのが、子宮内膜症。
あるいは筋腫、その他子宮にまつわる病変が認められる場合もあります。
子宮内膜症は、妊娠・出産の予定が見込まれる女性にとっては、後の不妊にも繋がり得る深刻な問題です。
すでに出産ラッシュを終えた時期の女性にとっても、がんのリスクが高まるため、早期に医師の診察を受けるべき問題と言えるでしょう。
おすすめの診察の流れ
腰痛だけではなく、他の場所の異変も感じる…と思った場合、まずは内科へ検診に行くようにしましょう。
骨盤内を含め、腰周辺には重要な臓器が多数あります。
お近くの内科で原因が分からなかった場合、大学病院などにある総合診療科へと紹介状を書いてもらう流れとなります。
総合診療科に直接診察に行けるのであれば、是非行ってみてください。
内科で問題が見つからなかった場合
臓器が原因の痛みではないという判断が降りた場合、次に門を叩くのは整形外科となります。
余談ですが、「形成外科」と呼ばれるところは骨などの内部に関する問題ではなく、皮膚などの外的問題を取り扱う診療科なのでご注意を。
骨盤のゆがみ・腰椎や脊椎・あるいは座骨に問題がある場合、整形外科で診療・治療や指導を受けることとなります。
治療方針によっては保険適用外のものもありますが、長期化するような病変がここで見つかった場合は、セカンドオピニオン…つまり、いくつかの病院に診察を受けるのもよいでしょう。
さて、問題は、「臓器・骨格・筋肉を含め、どこにも病変や疲労などが見当たらない」場合です。
心因性の腰痛とは
実は、腰痛の原因には「ストレス」もあります。
デスクワークかつ、残業の多い方・普段から運動の習慣のないかたに多いそうです。
上記診療科目で異常がないと判断された場合は、併発している症状をあらためて見直してみましょう。
●痛み止めがほとんど効かない
●痛む箇所や痛み方が決まっておらず、ころころと変わる
●動いているときや座っているとき、就寝中など、どんな時でも痛み始める
●何もしなくても改善→悪化のサイクルを繰り返す
これらに伴い、抑うつ気分や発汗、過呼吸などが起こるケースも多くあります。
特に、嫌なことを始める前に腰が痛みだす…という方は要注意。
放っておくと、心因性にもかかわらず本当に該当箇所に病変が現れて、深刻化するというケースもあるようです。
こういった場合、最初は訪れにくいと思いますが、心療内科の門を叩いてみましょう。
近年は心因性の腰痛を含め、一見肉体的な病気に見えると思われるものが急激に増加しているようです。
それに伴い、向精神薬なども依存性の少ないおだやかな効果のものも多数出ており、安心して治療を受けることが出来ます。
場合によっては、総合診療科などに案内される場合もありますが、心因性の場合は特に医師の手にゆだねるべきと言えるでしょう。
まとめ
繰り返しになりますが、腰痛の主な原因となる骨盤・腰椎・座骨周りには、重要な臓器が集まっています。
多くの場合、整形外科で取り扱える範疇の、筋肉の硬直・血行不良・骨盤の開閉の問題などが原因ですが、腰痛以外の症状が伴う際は臓器・骨の病変を疑うのも一手でしょう。
なんだかおかしいな、と思う場合は、是非医師の診断を受けてみるようにおすすめいたします。