疲労回復から考える、慢性的腰痛や骨盤のズレに負けない身体づくり
この頃身体全体にガタがきている・特に骨盤あたりや腰など、身体を中心として疲れがたまっている…。
そんなことに覚えはないでしょうか。
慢性的な全身の筋肉痛や疲れ、特に腰痛の多くの原因が骨盤と言います。
ここでは、つらい痛みになる前にしっかりと原因を取り除き、痛みに負けない身体づくりを習慣的にできるよう、様々な提案や紹介をしたいと思います。
目次
骨盤がずれるのは何が原因?
腰痛や全身の筋肉痛・筋組織や骨組織の疲労からくる慢性的な痛みの主な原因は、骨盤にあると言われています。
何が骨盤を"ズレ"させるのか
骨盤がずれる、傾く、開く…最初にも簡単にお話ししましたが、昨今はこういったことが話題に挙げられ、骨盤矯正ストレッチ・トレーニングなどに関する書籍が多数発売されています。
ではなぜ、骨盤はズレるのでしょうか?
原因は大別すると3つです。
●運動不足や加齢に伴う筋力の低下
●骨盤を支持する筋肉の疲労
●自律神経の乱れ
裏を返せば、これらを克服していけば、いまある腰痛の改善・あるいは腰痛の事前予防にもつながるのです。
慢性的腰痛と連動する身体の異常
慢性的腰痛が起こるサイン、あるいは同時に起こる他の変調として、以下のようなものが起きます。
●肩こり
●肩甲骨下の張り
●O脚やX脚
●歩き疲れやすくなる
こうして挙げてみると、全身にその異変が現れることが分かります。
故に、骨盤を原因とする慢性的腰痛へのアプローチも様々です。
整骨院やマッサージ店に通う方・都心部ではストレッチ専門店というものもあるので、そういったところに頼るかたもいます。
医療機関に頼るとすれば、整形外科が妥当でしょう。
でも、腰痛に発展する前・あるいは腰痛を感じ始めた段階で、なんとか自力で改善を目指す方法はないのでしょうか?
インナーマッスルを鍛えれば治る!でも…
アスリート専属トレーナーが先導するように唱えられ始めたのが、インナーマッスルを鍛える「筋トレ」の効果です。
確かに、インナーマッスルの大部分は内臓を囲む腰回りの筋肉が中心になるため、ここを集中的に鍛えることで全身のバランスを整え、腰痛の改善・予防効果は十分に見込めます。
とはいっても「筋トレ」ですから、なんだか敷居が高い・もともとあまり運動に興味がない…という方にとっては、なんとも敷居が高く感じるのではないでしょうか。
そんな方には、「今ある筋肉を鍛えて骨盤と身体バランスを整える」のではなく、「身体のバランスを崩している日々の疲労をとる」という方法をここで提案したいと思います。
全ては疲労に端を発する
「疲労をとる」といえば楽な方向に流れるようで、効果はあるのかと心配になるかたもいらっしゃると思います。
しかし、ここで腰痛・骨盤痛のほとんどの原因をもっと詳しく話すと、ことの要点は「生活習慣や日中活動のなかで、筋疲労が身体の中心に集中したままとれない」ことにあるのです。
これが全身の筋力の低下にもつながりますし、腰痛を感じている人のほとんどが「疲れがとれない」という実感を覚えているとの声もあります。
では、具体的に「疲労回復」とは、どのようなことを実践していけばよいのでしょうか?
疲れを毎日リセットしよう
疲労回復の方法を実際に紹介する前に心がけたいのは、「その日の疲れは、その日中にリセットすること」。
長時間残業が問題になるこの時世のことや、勤務時間が不規則な方などのことを考えると、1人1人のサイクルで疲労をその日中に回復する…というのは難しいこと・十人十色であることだと考えます。
遅くなりましたが、どんなライフスタイルの人でも共通する項として、一日の疲労をその日の間に回復させる秘訣をお話ししていきます。
疲労をとるための食事方法
疲労には甘いモノ、と伝統的に言われているように、糖質は特に疲労回復に効果があります。
しかし。
摂取の仕方に気を付けないと、逆効果や肥満の原因になることも。
まずは糖質摂取の方法からアプローチをします。
必ずしも朝ごはんを食べる必要はない
朝食をとると身体が元気になる・活動的になるという説が主流ですが、結論を言うと「人による」ところが大きいのです。
肉体労働をする人は、すぐに身体が糖質を求めるため、朝食をしっかりと摂るべきと言えるでしょう。
しかし、デスクワーク・頭脳労働が主体の人は、朝食が必ずしも必要とは限りません。
むしろ朝食による血圧上昇が、仕事の能率低下に繋がり、後々の過剰な糖質摂取に繋がることも。
糖質摂取、ひいては食事というのは、生活リズムの要でもあります。
適切なタイミングで適切に食事をとることが、疲労をためない・回復させるコツです。
では、それぞれのライフスタイルの人は、どのように食事すればよいのでしょうか?
肉体労働が中心のかた
前述したように、起床してすぐ・出勤前の食事は欠かせないようにしましょう。
ここの食事を欠くことで、その日初めての食事をとるまでに身体の組織からエネルギーが捻出されてしまい、結果的に筋力低下を招きます。
また、労働中の間食や夜食の吸収率が跳ね上がり、夜の寝つきも悪くなる可能性も。
3食のはじめはボリューミーに・間食はほどほどに・夜食はできるだけ糖質を減らすのがいいでしょう。
デスクワーク・頭脳労働が中心のかた
ブランチという言葉があるように、海外では「昼食を兼ねた、遅めの朝食」という概念があります。
デスクワークや頭脳労働は、労働中はほとんどエネルギーを消費しないのですが、集中力が途切れるタイミングや決められている休憩時間に、一気に身体が栄養を求めるようになります。
そこで、できれば「朝食を抜くか控えめにして、間食を用意する・もしくは昼食をボリューミーにする」ことをおすすめします。
日勤の方であれば、お昼3時くらいまでの間、集中できないと感じたらお菓子を食べる…というペースでよいでしょう。
ただし、夜食にはご注意を。
日本人は夜食文化とも言われ、ついついがっつりと食べてしまいがちですが、余分な脂肪がついたり寝つきが悪くなったりする元凶になり得ます。
筋疲労の回復の鍵は「夜」
すでに多くのかたがご存知ですが、疲労回復は「夜間・眠っている間」に行われます。
夜の眠りが上質であるほど、身体にとっては望ましいのです。
では、眠りの質を上げるにはどうすればよいのでしょうか?
眠る2時間前には入浴を済ます
眠る2時間前から、誘眠ホルモンが出始めます。
このホルモンの役割は、眠気を誘うだけではなく、疲労を回復させ全身をリラックスさせることにもあります。
入浴で十分にリラックスできる人は「お風呂に入ってすぐ眠ればいいのではないか」と考えがちですが、これが曲者。
入浴は交感神経と呼ばれるものを刺激し、誘眠ホルモンの分泌を阻害することがあります。
できれば、入浴と就寝は2時間以上開けましょう。
忙しい日も足湯だけでも
お風呂に使っている暇がない、ガス代や水道代が心配という方も、「足湯」くらいはしましょう。
足には太い血管が通っており、これを温めることで骨盤内を通って全身にぬくもりを伝え、代謝をよくします。
眠る前に簡単なストレッチを
身体が疲れていると、夜の寝返りが打ちづらくなり、睡眠が浅くなってしまいがちです。
そこで、眠る直前に簡単なストレッチをしてみましょう。
骨盤ストレッチとよばれるものをここに導入してみるのがおすすめです。
デスクでもできるストレッチ
さて、これまでは食事や睡眠にかかわる習慣のお話しでしたが、主にデスクワーカー向けの勤務中にできるストレッチのご紹介をします。
いずれも椅子に座ったまま、目立たずにできるのでご安心を。
●片足ずつ体育座りのように抱えて、お尻~背中を伸ばす
●お腹に力を入れた状態で、上半身を左右にひねる
是非実践してみてください。
心の疲れも忘れずケア
骨盤痛や腰痛の一因として、心のストレスも挙げられています。
実際に、整形外科では何の異常もないのに、肩こりや腰痛がする…という人も少なからずいるようです。
できることとしては、
●アロマテラピーを取り入れてみる
●眠る2時間前に考え事や頭脳作業をしない
●肉体作業の人でも、オフの日は体を動かすことで、気持ちの整理をする
などなど、たくさんあります。
日ごろの疲れを、バイタル・メンタルともにとってみるよう心がけては、いかがでしょうか。
まとめ
身近に腰痛もちの人がいる・猫背や歩き方など、骨盤を中心とした普段の自分の体勢が気になる…こういったかたのために、「努力しなくてもいい」腰痛・骨盤痛予防や対策案を提案してみました。
骨盤周りの筋肉は加齢や疲労により衰えるため、早い段階から疲れに負けない習慣を身に着ける事が肝要と言えます。
これからが心配なかた・今も少し身体に違和感があるかたは、是非ご参考にしてください。