枕って必要なの?枕を使用しない方が快適に感じるのはどうしてなのでしょうか
マットレスの固さや敷布団の仕様にこだわる人は多いです。
そんな中、枕については意外にドライな人が多いよう。
オーダーメイドで枕を作るほどこだわりを持つ人がいる一方、枕はいらないという人も一定数いるようです。
枕が不要という人にはそれなりの根拠がある様子。
枕を使用しない方が快適だと感じるのはなぜなのでしょうか。
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目次
枕はどんな役割があるのでしょうか
人間が仰向けに横たわるとき、頭の後ろに手を当てますよね。
殆ど人が無意識にこのポーズをとってしまうのではないでしょうか。
それはこのポーズが体にとってとても楽なものだから。
横になると頭を支えるものが欲しくなるのです。
これはなぜかといいますと、人間の身体の特徴に原因があります。
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人間の重い頭を支えるのは腰!
二足歩行になり、四つん這いから二本の足で立ち、歩くようになった人類。
身体の中でも重要で重たい頭を支えるのは大変です。
人間の頭の重さは成人で約5キロ。
体重比で8~10パーセントと言われています。
普通に考えると背骨や腰にはかなりの負荷がかかってしまいそうですが、人間の身体は非常にうまく出来ています。
正しい姿勢さえキープできれば、殆ど負荷を感じることなく過ごせるのです。
一点に負荷をかけない理想的な姿勢とは
頭を支えているのは脊椎や腰椎です。
首から腰に掛けて、人間の骨はまっすぐではありません。
微妙になだらかなカーブを描き、湾曲しているのです。
これが「脊椎のS字カーブ」「生理的湾曲」と言われるものです。
特に大切なのが仙骨と腰椎の部分をつなぐ角度。
これは20度ほどなのですが、この角度があることによって身体の負荷が一点に集中するのを防いでいるのです。
S字カーブが体重を前後に分散し、重たい頭や体重を支えるのに無理のない姿勢を作りだしてくれます。
この姿勢は筋肉の疲労が少なく、脊柱にかかる負担も最も軽いと考えられます。
S字カーブがきちんとキープされていれば、直立姿勢は一番楽でリラックスできる姿勢なのです。
寝ている間も理想的な姿勢を保とう
理想的なS字カーブがキープ出来ている人は、寝ている時もその姿勢を保つことが出来れば体がリラックスできます。
つまり良い状態で眠ることが出来、質の高い睡眠を得やすくなるのです。
この理想的な姿勢をキープするのにおすすめなのが枕なのです。
人間が仰向けに横たわると、首とマットレスの間には隙間ができます。
これは人間の身体の構造上当たり前の事。
枕はこの隙間を埋め、首や頭部分を支えてくれるものなのです。
枕は不要!という人も多い?
寝ている間の姿勢が悪いと、起きたときに体がだるくなったり、痛みを感じたりすることがあります。
身体に負担のない姿勢で寝るためのサポートをしてくれる枕は重要なアイテムと言えるのですが、「枕はない方が良い」という人もたくさんいます。
これはなぜなのでしょうか。
枕を使って寝ると腰や背中が痛い!
これは腰痛や背中痛を患っている方に多く見られる意見です。
枕をして寝ると、朝起きたときに背中や腰に痛みを感じるというものです。
通常枕は理想的な姿勢を支えるための補助的役割を持つもの。
それなのにその枕で体が痛くなってしまうということは、枕の高さがあっていないというのが考えられます。
枕は首や頭部とマットレスの隙間を埋め、支えて包み込むようなものでなければなりません。
しかし、首や頭部とマットレス部分の隙間は個人によって大きな差があります。
普段から姿勢の悪い人は通常より隙間が小さかったり、大きかったりします。
その隙間に見合わない枕を使えば無理な姿勢となり、筋肉に負担がかかるため痛みやだるさを感じるようになってしまうのです。
枕をすると頭痛がする!
枕を使用して寝ると、偏頭痛になってしまった、止めたら治った。
このような意見もあるようです。
偏頭痛は血行の不良から生じることがあります。
このような人は枕の高さが高すぎるというのが考えられます。
首部と頭部の隙間を埋める役割の枕が首部分を圧迫し、血流を妨げているのです。
不自然に首の血管を圧迫することでこりが生じ、頭痛を発症してしまう原因となります。
このような人は医療機関できちんと診察を受けるのがおすすめです。
自己判断せず医師に相談しましょう。
首にしわがよらない!
首は体の中でも年齢が出やすい部分と考えられます。
顔のケアはきっちり行っても、首まではなかなかケアしきれません。
そのため、エイジングを顕著に感じてしまいます。
枕をしない方がいいというのは、こうした首のアンチエイジングを主張する美容専門家です。
高い枕をすると、首の内側の皮膚がたるみ、シワができるとか。
枕をせずに首をまっすぐにして寝ると、シワがよりにくくなるという主張です。
しかしこれには根拠がありません。
美容専門家によっては、枕をしないと首の外側の皮膚がたるみ、シワになると主張する人もいます。
同じ美容専門家でも真逆の主張があるわけですね。
ですからあまり真に受けず、「そういう考えもあるのだ」と心に留めておく程度がいいのではないでしょうか。
ストレートネックの人は枕不要?
ストレートネックというのは、本来ゆるやかにカーブを描いているはずの頸部の骨が、文字通りストレートになってしまっている人。
デスクワークが多く、パソコン画面を注視し続けている人や、スマホのし過ぎでいつもうつむいている人は要注意です。
頸部のカーブがなくなってしまっているため、筋肉に負荷がかかり肩こりや頭痛の原因となります。
ストレートネックと言われる人は枕をしないで寝た方が良いという意見があります。
首のカーブが少ないため、枕を当てると頸部が圧迫され寝苦しく感じてしまうのです。
しかし、ストレートネックの人が枕をしないで寝るとさらに状態を悪化させるおそれがあります。
睡眠中の頭部や頸部をきちんと支えてくれる、低めの枕がおすすめ。
通常の枕では高さがありすぎて、違和感を覚えてしまうのです。
枕を不快に感じてしまう人は枕があっていない!
枕をやめたらよく眠れるようになった、身体が軽くなったと感じる人は、それまで使用していた枕が合わないものだったということになります。
本来枕は体を支え、楽な姿勢で眠れるようにサポートしてくれるもの。
正しい枕を使用していれば、不調を感じるはずはないのです。
大切なのは枕の高さです。
個人によって脊椎のカーブの角度は異なります。
ですから、横たわったときの首部分とマットレスの隙間も大小様々。
隙間が小さい人が高さのある枕を使用すれば首部分の血管を圧迫しますし、いびきや筋肉疲労の原因となってしまいます。
枕を外して快調になったという人は、枕が不要なのではなく、合わない枕が不要なのです。
特に椎間板ヘルニアなどを患っている方は、枕がなければ悪化する傾向にあります。
枕不要!という前に、本当に自分に合った枕を探すことをおすすめします。
美容的効果にしても、実際のところはわかりません。
よほど首のケアに気をつけている、シワが許せないという人以外は美容効果よりも健康効果をとるのがおすすめです。
まとめ
一つの健康法として認識されている枕の不使用。
はっきりとした健康効果は認められていませんが、枕をやめたら快適になったと感じる人ならついつい信じてしまいますよね。
しかし、人間の身体の構造上、枕を使用した方が楽な姿勢で眠れるはずなのです。
枕をやめてみようと考える前に、自分にピッタリの枕を探してみることをおすすめします。