白髪染めに是非ヘナを!染め方&トリートメント効果の解説
ヘナはタトゥー・髪のカラーリングなどとあらゆる使い道があり、人体への影響が少なく敏感肌にも使えると好評です。
しかし、本場のヘナ粉末は高い・コストと手間を考えれば美容院での白髪染めと変わらないのでは?
という疑問もつきもの。
ここでは、安心してヘナでの染色を検討していただけるよう、染色方法やトリートメント効果の仕組み・デメリットまでをしっかりと解説します。
ヘナで白髪染めをする方法
まずは、ヘナを使った正しい白髪染めの方法を解説していきます。
用意するもの・手順
髪の染色用ヘナもありますが、おすすめは「100%ヘナ粉末」。
ヘナ粉末と称されるものはダイソーでも手に入りますが、添加物が多いため、ヘナ農家から直輸入している業者からの購入をおすすめします。
行きつけの美容院によっては、ヘナの輸入先と契約している場合があるので、そこから紹介してもらうのもアリでしょう。
ヘナ粉末を用意したら、後は以下のものを準備します。
- ゴム手袋
- 40度程度のお湯
- クシ(100均のものでOK)
ポイントは、シャンプー後に染色すること。
リンス・コンディショナーは、染色する日は使わないようにしましょう。
通常の白髪染めと同じく、お湯に溶解したヘナを髪全体に馴染ませた後10〜15分放置。
その後は洗い流して、お湯で頭皮マッサージをして完了です。
アフターケア
ヘナは落ちやすく、1〜2週間ほどで元どおりになります。
長持ちさせるコツとして、シャンプー・コンディショナーともにノンシリコンのものを使用すること。
近年の洗髪料配合されているシリコンは、毛髪から剥がれやすいという特徴を持ちます。
このときにヘナによるカラーも一緒に落ちて行くので、できれば石鹸シャンプーなどを使うのが良いでしょう。
髪のきしみが気になる場合、ドライヤー前にアルガンオイルなどを使用するのがおすすめ。
ヘナ染料は極めて光に強く、太陽光で脱色するのは考えにくいのですが、念のため紫外線ケアをしておくのもおすすめします。
髪にも使えるUVカットスプレーは、東急ハンズ・ロフトでいくつか取り扱いがあります。
「敏感肌なので、アレルギー反応が出ないか心配」という人は、念のため頭皮ケアスプレーを用意するのもおすすめします。
後述しますが、ヘナは非常に優しく・頭皮が炎症を起こすという例は、ほとんど見られません。
ただ、ごく稀に体質に合わないというかたもいらっしゃるようなので、様子見するのも大切です。
ヘナのトリートメント効果とは
さて、一通り染色方法を解説したので、続きましてはヘナ染色がおすすめされる理由について。
その秘密は、「繰り返し染色することで、髪が補強される」ことにあります。
しかも、シリコンや通常のトリートメントとは全く異なる仕組み。
髪そのものを強く・しなやかに変えていくのが特長です。
ヘナが髪に吸着する仕組みとは
まずは毛髪の構造から見て見ましょう。
髪一本を断面図で観ると、中には空洞が無数にあります。
「くせ毛」と称されるのは、キューティクルが開いて、髪内部の空洞が直接外気に触れている状態のこと。
こうなると、髪が空気中の湿度をたっぷりと含んでしまい、全体をうねうねとする…という結果になります。
ヘナで染色をすると、この髪内部の空洞に、染色成分が入り込みます。
シャワー・シャンプーによりキューティクルが開くたび、徐々に流れ落ちてしまうのですが…それでも、成分の一部は残ります。
染色を繰り返すうちに、髪空洞内部の残留成分が蓄積されていき、髪密度が上昇。
すると、キューティクルが開いても湿気が入り込みづらく・水を弾き、天候や湿度にかかわらず、ストレートでまとまりやすい髪に仕上がって行きます。
ヘナにはビタミン群をたっぷりと含み、髪に必要な栄養もしっかりと補給が可能。
油分も若干含まれるので、保湿効果もあります。
くせ毛や毛髪の細いかた・薄毛になってきたと感じられるかたには、ぴったりの染色&トリートメント成分だと言えます。
染まり方はどうなる?
気になる染まり方ですが、結論からいうと「やや茶髪」になります。
決して明るい色ではなく、金融・商社系のオフィスルックでも問題ありません。
髪のタンパク質と反応してやや明るくなるのですが、「出来るだけ黒く」したいかたは、美容院でヘナを指定しての白髪染めをおすすめします。
市販では入手できないのですが、海外メーカーで黒色色素の入ったヘナ染色料があるのだとか。
取り扱いのある美容院は少ないので、予約時に尋ねておくことをおすすめします。
ヘナ染めのメリット・デメリット
ヘナ染めの最大のメリットは、「敏感肌の人でも実践できる」ことでしょう。
美容院専用の白髪染めも研究が進み、マイルドでトリートメント効果の高いものが使われるようになっていますが…依然として「施術後に頭皮がかぶれる」という人は少なからずいるようです。
また、他の白髪染めとは異なり、万一お風呂のタイルなどに染料が飛び散っても、さっと流せるのも嬉しいポイント。
皮膚についたものも同様で、すぐにシャワーをすればきれいに落ちます。
トリートメント効果ですが、前述のように「髪密度を高める」ため、根本的に髪質を変えていきたい人はお試しの価値があるでしょう。
近年の研究で「くせ毛・ダメージヘアには、シリコン入りコンディショナーを使った方がよい」と言われるようになっていますが、ヘナにより強くなった髪は表面からの保護を必要としません。
石鹸シャンプー・ノンシリコンシャンプー・精油系シャンプーなど、あらゆる洗髪料への適性を持つようになります。
冷え性の方は要注意
ここまでは様々な嬉しい効果を述べてきましたが、ヘナによる白髪染めにはデメリットもあります。
まず、東洋医学の観点から観ると「ヘナ=身体を冷やす効果が極めて高い」ということ。
日照量の減る冬場に使用すると、寝つきが悪くなる…という専門家もいるそうです。
その他、自律神経失調症のかた・冷え性のかた・寝ているときに足がムズムズするかたなども、使用上の注意が必要だそうです。
漢方に詳しい医師によると、抗うつ剤・抗不安剤を服用しているかたは医師との相談が必要との意見も。
対策として考えられるのは、生姜やにんじんなどの、身体を温める食事をしっかりととること。
また、一流のアスリートの間でも広く提唱されていますが、季節問わず飲み物は暖かいものにすると、内臓の冷えによる様々な不調を防げるそうです。
抜け毛でお困りの方は、古くから「髪によい」とされている海藻類を食事に取り入れてもよいでしょう。
わかめ・ひじきは身体の代謝をよくする食べ物と言われているので、髪を強くする効果が期待できます。
そしてこれは、一部の美容師の意見になりますが…ヘナ染色を繰り返した髪は、カラーが入りにくいとのこと。
どうしてもカラーをしたいという場合は、都度ブリーチが必要になるとの意見もあります。
度重なるブリーチは、加齢による薄毛や脱毛症に拍車をかけるので、要注意。
元々カラーリングが好きなかた・髪色を明るくする予定のある方は、行きつけの美容院とヘナについて協議したほうが良さそうです。
まとめ
限りなく髪と地肌に優しく・トリートメント効果としては特異な仕組みでの「髪質の補強」も期待できるヘナ。
初めてのご自宅での白髪染めには、強くおすすめ出来ます。
しかし、美容師・医師の間で賛否両論あることも否めません。
この記事でまずご興味を持っていただいて、専門家へのご相談の上使用を検討していただければと思います。