どうして色が違うの? 黄金色と無色透明のホホバオイルを比べてみた
肌のアンチエイジングや髪の保湿などに高い効果を発揮するホホバオイルは、女性に人気の植物由来スキンケアオイルです。
ホホバオイルには黄金色のものと、無色透明のものの2種類があることにお気づきでしょうか?
どちらも同じくホホバオイルと表記されていますが、では一体どうして色に違いがあるのでしょうか。
ホホバオイルの色の違いの秘密に迫ってみました。
ホホバオイルには2種類ある!?
雑誌などで特集を組まれることも多く、肌や髪に優しいスキンケア化粧品として使用されるホホバオイル。
数年前から女性の間で巻き起こっているオーガニックブームと共に、ホホバオイルを使用している方が増えています。
これからホホバオイルを使ったスキンケアを始めようという方が最初に悩むのが、ホホバオイルの種類についてです。
店頭やネットショップでホホバオイルを選んでいると、ホホバオイルには2種類の色があることに気付くと思います。
黄金色のホホバオイルと、無色透明のホホバオイルです。
ボトルに記載された表示にはどちらも「ホホバオイル」とありますが、どうして同じホホバオイルなのに色が違うのでしょうか。
実は、色の違いはホホバオイルの製造過程によって生まれます。
原料となるホホバの実の産地や、ホホバの種類などによって左右されているわけではありません。
ホホバオイルの色は、製造過程でオイルを精製したかどうかによって変わるんです。
黄金色のホホバオイルは未精製
最も一般的なホホバオイルは、黄金色をしています。
色合いとしてはオリーブオイルに近いような印象を受けますね。
これは別名「ゴールデン」と呼ばれるタイプのホホバオイルです。
ゴールデンのホホバオイルは、製造過程で精製されなかったものです。
精製されていないので、原料のオイル色がそのまま出ています。
原料のホホバの実をそのまま絞って抽出しているから黄金色だということですね。
ゴールデンのホホバオイルは低温低圧圧搾という方法で作られます。
難しい呼び方ですが、一説にはインディアンによって1000年以上前から利用されてきたというホホバオイルを、化学的な処理を用いらずに抽出したものです。
要するに、昔ながらの圧搾方法で搾ったオイルですね。
無色透明のホホバオイルは精製済み
一方で、無色透明のホホバオイルは精製済みのものです。
ゴールデンのホホバオイルを抽出した後のホホバの実には、まだたくさんのオイルが残っています。
実はゴールデンのホホバオイルを作るときに使われる低温低圧圧搾という方法はかなり昔から使われている方法で、当時の技術では抽出しきれなかったオイルが実に残ってしまうのです。
そこで、現在の技術を活かした高温高圧圧搾という方法が使われます。
ホホバの実を高温高圧圧搾で再処理することにより、今までは搾りカスとして捨てられていた部分からも大量のオイルを抽出することに成功したのです。
ただし、高温高圧で抽出したオイルはゴールデンというよりむしろ茶色に近いくすんだ色になってしまい、その上そのまま使うことが出来ないほど強く独特な匂いを放ちます。
そのためオイルに化学処理を施し、完全無臭になるまで精製するのです。
このような処理を経て完成したホホバオイルは、未精製のホホバオイルとは違い無色透明になります。
どちらのホホバオイルが良いの?
実はゴールデンのホホバオイルと無色透明のホホバオイルには効果に差があるといわれています。
それぞれにメリットがありますので、使用者の肌質によって使い分けるのがベストです。
未精製ホホバオイル(ゴールデン)のメリット
未精製のホホバオイルが優れている点は、ビタミンEなどの肌に優しい成分を多く含んでいることです。
ホホバオイルの原料となるホホバという植物は乾燥した荒野でも自生することができる生命力の強い植物です。
灼熱の荒野で生きていくため、ホホバには強力な抗酸化作用や保湿力が備わっています。
ホホバオイルが肌に良いといわれるのは、ホホバに含まれる豊富な抗酸化作用やビタミンが肌になじむためです。
未精製のホホバオイルは、そうしたホホバの栄養がしっかりと含まれています。
しかし300℃以上の高温で精製されたホホバオイルの場合、ビタミンなどの熱に弱い成分が破壊されてしまっています。
ビタミンやミネラルといった成分は、肌や髪にとって必要不可欠な栄養です。
未精製のホホバオイルが優れているのは、精製済みのホホバオイルよりも多くの栄養を含んでいることだと言えるでしょう。
精製済みホホバオイル(無色透明)のメリット
精製済みのホホバオイルを使用するメリットは、低刺激性であるという点です。
そもそもホホバオイルは全ての人の肌質に合うと言われるほど、肌に良く馴染む低刺激性のオイルです。
中でも精製済みのホホバオイルは、精製の過程で刺激のある成分を全て取り除いてしまうため、特に肌の弱い方に好まれているようです。
精製したことでビタミンやミネラルなどの栄養素も失われてしまうのですが、商品によっては加熱により失われた分の栄養を後から加えているものもあります。
ホホバオイルの精製は、ホホバのもつ独特の匂いを消すために行われるもので、精製済みのオイルは未精製のものに比べて嫌な匂いが少なく、慣れていない方にも使いやすいというメリットがあります。
また、一般的に未精製のホホバオイルよりも精製済みのホホバオイルの方が値段が安く手に入れやすいことや、性質が変化しにくいので使用期限が長いというのも特徴です。
結局どっちのホホバオイルがおすすめ?
未精製のホホバオイルには、ビタミンなどの栄養を多く含んでいるというメリットがありました。
逆に、精製済みのホホバオイルは、匂いが少ない、値段が安いなどの理由から使いやすいのが魅力的です。
ホホバオイルの効果を期待するなら、基本的にはゴールデンの未精製ホホバオイルの方がおすすめです。
肌への浸透性や保湿作用も、未精製のホホバオイルの方が優れているようです。
ただし、だからといって未精製のものが悪いというわけではありません。
初めての方は精製済みのホホバオイルから使ってみてもいいかもしれません。
また、肌への刺激が気になるという方も、まずは精製済みのホホバオイルから試してみましょう。
精製済みのホホバオイルは製品によって品質の差が出やすい
精製済みのホホバオイルは、メーカーや製品によって品質の差が出やすい傾向にあるようです。
多くの化粧品メーカーはホホバオイルの精製方法を公開しておらず、それぞれのメーカーが独自の方法をとっています。
そのため、精製したオイルにどの程度の栄養分が残されているか、または精製時に使用した化学成分が残留していないか、といった目に見えない差がメーカーごとに発生しやすく、私たち消費者には使ってみるまでその違いが分かりません。
肌に塗るものだからこそ、安心して精製済みホホバオイルを使うには、有名なメーカーや信頼できるメーカーを選ぶ必要がありそうです。
未精製のホホバオイルに関しては圧搾方法にさほど差が生じないため、精製済みのオイルに比べると品質は安定しているようです。
心配な方は未精製のホホバオイルがおすすめですね。
まとめ
ホホバオイルの色の違いは、そのオイルを作る過程で精製したか未精製のままか、という違いで発生するものでした。
ちなみに未精製のオイル同士で生じる、黄色っぽい、緑っぽい、というような細かい色の違いに関しては原料となるホホバの質や時期などに左右されるようです。
栄養分の豊富なゴールデンのホホバオイルを使うか、それとも肌への刺激が少ない無色透明なホホバオイルを使うかはアナタ次第です。
肌の悩みに合わせて使い分けてみてはいかがでしょうか?