グラフィックボードの温度が安定しない原因は?
デスクトップパソコンにグラフィックボードを後付けして、ネットゲームのプレイや高画質なネット動画の視聴をされる方は非常に多いと思います。
しかし、グラフィックボードの増設から1年ほど経過すると温度が安定しなくなることがあると思います。
これはグラフィックボードのメンテナンス不足が考えられます。
どのような症状や対策が必要か説明します。
温度の安定化は冷却ファンから!
やはり、グラフィックボードの温度が安定しないのは冷却ファンの不調が一番疑われます。
しかし、冷却ファンが壊れやすいと言われますが、回転軸部の故障で回転しなくなるだけです。
実際は、ベアリングの交換やグリスの注入で改善することが出来ます。
実は、温度が不安定になるのは故障の前兆ではなく、冷却ファンのブレードの回転負荷が大きく、回転不足やモーターの過熱も原因です。
そもそもこれらの原因は、冷却ファンにホコリが付いているからです。
小さなモーターで冷却ファンが回転している訳であり、少しでもファンブレードの重量変化が生じると回転効率が低下します。
結果として、冷却ファンの回転不足により、グラフィックボードが冷却されず、温度が不安定になります。
冷却フィンがホコリまみれ・・・
ホントのところ、冷却ファンの回転効率が低下していると、冷却ファンの下にある冷却フィンは大変な状態にあります。
それは、ホコリまみれで冷却フィンどころかグラフィックボードすら見えません。
この状態はもはや致命的な状態です。
人間で言うと、真夏に冬用の布団と毛布を被っているような状態です。
いくら外部から冷却しようとしても、冷却フィンに冷たい空気が当たらないため、高温状態となります。
また、ホコリ自体が熱を吸収して保温してしまうため、グラフィックボードの温度がますます安定しなくなります。
実際のところ、このような状態でもグラフィクボードは熱暴走するものの破損したりすることはあまりありません。
実はGPUの熱伝導率の低下が
冷却ファンの清掃や冷却フィンの清掃が完了しても、グラフィックボードの温度が安定しないことがあります。
この時点で、グラフィクボードが故障しているとお考えの方、先ずは冷静にGPUの状態を確認してください。
『GPUと冷却フィンの間に隙間はありませんか?』、そして『グリスは変質していませんか?』と尋ねます。
基本的にグラフィックボードはマザーボードとCPUと同じ関係にあります。
冷却フィンとCPUの間には熱伝導性のあるグリスを塗布しています。
グラフィックボードも同様にGPUと冷却フィンの間にグリスがあります。
電子部品と金属構造物を接触させる際、必ず隙間が出来ます。
その隙間をグリスで埋めることで熱伝導率を向上しています。
つまり、グリスがダメになっていれば、冷却効率が大幅に低下してしまうため、冷却ファンが頑張って冷やそうと高回転になっても、GPUは冷えません。
むしろ、GPUも発熱しモーターも発熱するので、グラフィックボードの温度は確実に不安定になります。
チップセットが高温になったら?
これ以外に原因でグラフィックボードの温度が安定しない場合は、チップセットが原因です。
チップセットの場合、基盤に自動で実装されるため、ユーザーが簡単にメンテナンスをすることが難しいです。
特に、チップセットが高温になっている場合は、グラフィックボードの寿命と考えることをおすすめします。
チップセット自体が、水分や熱により劣化してしまい、修理不能な状態です。
まとめ
筆者自身は、あるメーカー保証の切れた家電製品やパソコンなど自分で修理します。
過去にグラフィックボードも高温になり、常に温度状態が安定しませんでした。
分解した結果、GPUのグリスが完全に変質しており、注射器でグリスを注入して対策したことがあります。
皆さん、グラフィックボードは精密機械です。
定期的にお掃除することをおすすめします。