グラボの寿命はどのくらい? 壊れる前兆と長く使う方法

グラフィックボード(グラボ)

玄人志向 グラフィックボード NVIDIA GeForce GTX750Ti PCI-Ex16 LowProfile 2GB 補助電源なし GF-GTX750TI-LE2GHD

グラボも価格の幅こそあれど安くはないため出来る限り長く使いたい、という人は多いと思います。

実際、筆者もその1人です。

グラボの寿命はどのくらいなのか、壊れる直前にはどんなことが起きるのか、そして、グラボをより長く、安定して使うための方法についてまとめました。

グラボを長く使いたい方は参考にしていただけたら幸いです。



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グラボの平均寿命は5年?でも、実際は…

ネットの質問掲示板などで「グラボの寿命について」の質問がされることは珍しくありません。

実際、グラボは実用的な性能を持つものは安いものでも10,000円前後、高い物では100,000円以上するなど決して安いものではありませんし、寿命が気になってしまうのは仕方がない事です。

そして、答えとしてよく使われるのが「グラボの寿命は5年程度」という話です。

実際のところ、平均してみるとこのあたりが多いとは感じます。

ですが、使い方次第では、10年近く動作することも珍しくありません。

逆に交換して2週間で誤作動を頻発させるケースもあります。

なぜここまで寿命に幅が出るのか、となれば原因は「使い方の差」です。

もちろん個体差だったり初期不良だったりという原因ですぐに壊れる事も有りますが、そういったイレギュラーを除けば殆どは使い方の差で寿命が決まると言えます。



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グラボが壊れる時に起きる症状

グラボの寿命が限界近く、もしくはグラボがすでに破損している場合には次のような症状が起きることがあります。

●画面が映らない
●画面に黒いブロックノイズが出る
●色がおかしくなる(青が一切出力されないなど)
●グラボ自体を認識しない

などの症状が起きます。

大抵は画面に関連した症状が起きますが、パソコンそのものが起動しなくなったり、スリープ状態から復帰できなくなるといった、一見してグラボの不調だとは分かりづらい症状が起きる事も有ります。

また、ゲーミングPCの場合には「他の動作は何もおかしくないが、ゲームが起動できない」といったトラブルが起きている時にはグラボが破損している事があります。

特に危険な症状は「異臭」と「異音」

グラボが壊れる直前、もしくは壊れるその時に起きる症状の中でも特に危険なのは「異臭」と「異音」です。

この2つが起きている時は大抵はグラボ自体が破損していて手遅れな事が多いです。

特に異臭のほうが、原因によっては他のパーツまで巻き込んで故障する事があるため、特に注意が必要です。

この2つが起きた時は、無理に作業を続けずに出来る限り早くパソコンをシャットダウンするようにしましょう。

また、場合によっては部屋を換気したり、PCケースのパネルを開けるなどの対応をする必要があります。

グラボが壊れる危険信号「異臭」

グラボから異臭がする場合に考えられる原因は大きく分けて2つあります。

1つはグラボの周辺に溜まった埃に通電した際など何らかの原因でショートしたことによる異臭、もう1つはグラボ上に搭載されたコンデンサが破裂したことにより、中に入っている電解液が飛び散ったことによる異臭です。

最近のグラボを使っていて異臭がした場合には、前者が原因の事が多く、掃除すればまだ使えることも多いです。

後者は、古めのグラボを使っている場合に起きやすい症状です。

以前と比べると固体コンデンサが増えたり、コンデンサの質自体もかなり上がってきてはいるものの、まだまだ液体コンデンサも多いため、発生する可能性があります。

こちらの場合には確実にグラボは使用不能になります。

コンデンサの破裂を完全に防ぐのは無理なため定期的に目視で膨らんで破裂しそうなコンデンサが無いかチェックする以外の方法はありません。

グラボが壊れる危険信号「異音」

グラボのファンがおかしな音を立て始めたら、グラボが壊れる前兆の事があります。

おかしな音がする原因は様々ですが、大抵は次の2つが多いです。

●埃が詰まって熱が逃げにくくなり回転数が上昇している
●ファン自体に埃が潜り込んで異音を出している

どちらかという前者が起きやすいです。

早めに掃除して対処してしまえば大抵はまた使えるようになりますが、あまり放置し続けると上に書いたようにショートしたり、最悪発火する事も有るため注意しましょう。

また、リファレンス版のグラボに搭載される事が多い外排気用のシロッコファンは特に埃と相性が悪いため注意が必要です。

ファンの内部に埃が潜り込んでしまい、回転がブレたり、引っかかることで異音が出るケースもあります。

この場合は殆どの場合でどうする事も出来ないため、クーラーごと交換するか、グラボを交換するかの2択になります。

グラボの様子がおかしいと思ったら

グラボの様子がおかしくなったら、壊れたのか?

と思ってしまうのも仕方ないですが、以下のようなことを試してみるのがおすすめです。

●ドライバのアップグレード・ダウングレード
●PC内の掃除

の2つを試してみるとトラブルが解消することがあります。

いずれも比較的簡単に出来ることなので、このあたりを試してみてからグラボが故障したと断定しても遅くはありません。

ですが、先にも書いた通り「異臭がする」「ファンの回転数が急に上がる」といったハードウェア面での明らかな異常がある場合には、対処を試す前にまずは電源を切って落ち着かせましょう。

のんびりと原因を探っている間に症状が進行したり、最悪他のパーツにも被害が出る可能性があります。

ドライバのアップグレード・ダウングレードを試す

これは、nVidiaのグラボではあまり起きないトラブルで、どちらかというとRadeonのグラボで良く起きるとされるトラブルです。

動作がおかしくなる前にアップグレードしている場合には、古いドライバを入手してきて入れ直すと解決することがあります。

また、ドライバ自体に問題が無い場合でも、古いドライバの残りカスが残っている場合などに誤作動などのトラブルが起きることがあります。

そのため、nVidiaからRadeonのグラボを乗せ換える場合などにはデバイスの削除用のツールなどを利用してしっかりと削除するのがおすすめです。

筆者が体験したものでは、ゲームを起動すると操作は出来るし音も聞こえるが画面全体が白く眩しくて何も見えなかったり、逆に真昼の時間帯設定なのに真夜中の時間帯のようにMAP全体が真っ暗になるなどがありました(いずれもドライバの変更で解決)。

PC内の掃除

先にも書いた通りグラボに埃は大敵です。

少ない量であれば殆ど実害はありませんが、量が増えるとファンの動作不良や排熱障害になる事も有ります。

そのため、グラボを長く使っていきたいのであれば、定期的にパソコンの内部を掃除するようにしましょう。

この際に一緒にグラボやマザーボードのコンデンサの具合も見ておくと効率的です。

掃除の頻度は理想は1シーズン1回ですが、最低でも1年に1度は掃除するのがおすすめです。

また、埃の量が気になるという人は、PCケースのファン部分に取り付けるフィルターなどを利用するのもおすすめです。

埃の大半はフィルターに付く形になるため、PCケースの中にまで入る埃の量を格段に減らすことが出来ます。

まとめ

グラボを長く使いたいなら定期的に掃除を心がけて埃を貯め込まない事と、負荷の高い処理を行わない事が重要です。

これらの点を気にするだけで大抵のグラボは1日当たりの稼働時間などによって差はあるものの2~5年程度は安定して動作します。

また、負荷の高い処理を行うのであればグラボに無理させるのではなく、より高いグラボを最初から選ぶようにするのがおすすめです。