マザーボードは中古パーツでも大丈夫?中古で購入する際の注意点
パソコンを自作する際、予算が足りない場合などには中古パーツを利用するという方法が挙げられることがあります。
実際、一部のパーツは中古でも問題が無いため、人によっては率先して中古部品を利用する人も居ます。
しかし、マザーボードに関してはかなり意見の分かれるものとなっています。
そこで、中古のマザーボードを購入する際の注意点についてまとめました。
目次
中古のマザーボード、使っても大丈夫?
結論から言うと「おすすめは出来ないが、ありえない選択肢ではない」という感じです。
というのも、マザーボードに関してはパソコンを構成するパーツとしては比較的寿命が長い方で、物によっては10年近く使える事もあります。
ただし、これは好条件が揃った結果であるため、現実的な範囲では平均して3~5年程度で寿命を迎える事が多いとされています。
逆に言ってしまえば、中古のある程度新しい製品(つまり、ここ1年以内に発売された製品の中古品)を購入した場合には、2年前後は使える可能性があるという事になります。
そのため、2~3年で完全に作り変えてしまう予定のある自作ユーザーなどは中古製品の中から状態のいいものを選んで使用する事も有ります。
どんな人におすすめ?
主に「パーツ更新の間隔が短い人」や「パーツの寿命に関して割り切れる人」におすすめです。
また、中には中古品とはいえ、欠品はあるものの品質自体は新品という商品も少なくないため、商品の状態が良いのであれば、ある程度自分で何とか出来る人や、身近な所に自作PCに詳しい人が居る場合には十分おすすめできます。
マザーボードに限らず中古パーツ全体に言えることですが、何かしらのトラブルが起きることがあるため、自作PC初心者の人にはあまりおすすめすることが出来ません。
そもそも中古のマザーボードは売られている?
CPUやグラフィックボード、メモリほどでは無いものの中古のパーツを取り扱っているショップのHPや店舗に行くとそれなりの数を取り扱っています。
ただし、CPUソケットの種類によっては全くおいていなかったり動作も保障されていないようなジャンク品レベルの物しか売られていない場合もあるため、他のパーツと比べると「選択肢が多い」とまでは言えない状態です。
また、中古品は一度ユーザーが手に取っているという性質上、メインストリームの製品が多くなります。
そのためマザーボードの場合には、CPUソケットがIntel系の第六世代CPU「Skylake」に対応したソケット、LGA1151に対応した製品が多く出回っている反面、AMD系のCPUに対応したSocket AM3+のマザーボードなどは扱われている件数自体がかなり少なくなっています。
そういった背景があるため、よほどの掘り出し物を見つけない限りはメーカーや規格などの選択肢はないと思った方が確実です。
中古のマザーボードを買う時の注意点
ネット上の中古ショップの場合、商品の状態を示す説明が付されている事が多いため、それらの説明をしっかり見ることである程度製品状態を確認することができます。
特に「未開封」や「未使用」の製品は、中古ではあるものの使用された製品ではなく、中古品とは思えないほど状態が良いものが多いため、出来る限りこのタイプの商品を購入するのがおすすめです。
また、ショップによっては動作チェックなどを事前に行っているところもあります。
そういった点もしっかりチェックすることで「ハズレ」の中古品を引いてしまう可能性を下げることができます。
ただし、いずれの製品にも言えることですが、中古品の時点でメーカー保証などは無いことが大半です。
場合によっては店舗ごとの保証が無い事もあるため、事前に把握しておくようにしましょう。
中古とジャンクの品の違い
よく勘違いしやすいのが、中古品とジャンク品は違うという点です。
似たイメージの言葉ではありますが、実際にはかなり違うため注意が必要です。
中古品の場合には前述した通り「メーカー保証などはないが新品」の商品の場合もあります。
そのため運が悪くなければ新品と同程度の物を、より安く手に入れることができます。
また、動作確認がされているものや、素性がある程度明らかになっているものが多いため、信用して購入してもそれほど失敗することはありません。
それに対してジャンク品は基本的に「壊れているもの」です。
そのため、動作の保証などはされていない場合が大半です。
中古品が「運悪く使えないものがある」のに対し、ジャンク品は「運よく使えるものがある」といった傾向が強いため、基本的にはジャンク品の購入は控えた方が無難です。
欠品についての注意点
マザーボードに限らず、中古のPCパーツの中には欠品があるものがあります。
ネットショップなどでは何が足りないのかしっかり説明が付けられているものが大半ですが、中には致命的な物が足りない事も有るため、欠品物がある場合にはしっかり詳細ページなどから確認するようにしましょう。
中古マザーボードの場合、マニュアルや各種接続ケーブルが欠品している事が多いですが、これらはあまり気にしなくても問題ありません。
逆にマザーボードの場合、欠品していて困るのは「ドライバCD」「バックパネル」などです。
ドライバCDが欠品している場合、他のPCでネットからダウンロードするなどの対策が必要になるため、初の自作の場合などには知人などからPCを借りたり、ネットカフェなどでドライバをダウンロードしてくる必要があります。
また、バックパネルはそれ自体が無くても動作面で困ることはありませんが、PCケースの背面に隙間が空いてしまうため、虫や埃が入ってしまう可能性があり衛生面、メンテナンス面で問題になります。
バルク品とは?
バルク品というのは、同梱品(マニュアルなど)や箱が存在しない「製品のみ」を簡易包装した商品の事です。
パソコンのパーツの場合、HDDやメモリなどに多く使われる商品形態で、基本的にマザーボードのバルク品は存在しないと思って間違いありません。
ただし、中古ショップなどではドライバCDやバックパネルなどの必須のもののみが付属され、それ以外の物が一切付属していないマザーボードをバルク品と称して販売している事も有ります。
この場合には製品そのものの質は新品と大差ないことが多く、前述した通り最低限無いと困るドライバCDやバックパネルだけは用意されているため、新品同然の製品が欲しいが、外箱が邪魔という人などにもおすすめできます。
ただし、マニュアルなどは付いていないことがあるため、最低限の知識は身に着けている必要があります。
トラブルがあった時の対処法
中古品にはメーカー側からの保証がないため、基本的に中古品を購入・使用した際にトラブルがあった場合には、自力で解決するか、購入したショップに対応してもらうかのいずれかになります。
ショップによっては、商品ごとに1週間や1ヶ月などの保証期間を用意している事があるため、その期間を過ぎてしまった場合には自力で対応するか、別の製品を購入するかのいずれかになります。
正規の商品と比べると保証期間が短めになっているものが多いため、購入後は出来る限り早く組み上げ、使用できるか否かのチェックを行うようにしましょう。
まとめ
中古のマザーボードを購入するか検討している際には、最低でも使用状態と欠品の有無、保証期間についてだけは確認するようにしましょう。
そして中古品は未使用品や未開封品でない限りはある程度寿命が減った状態からスタートになるという事を忘れないようにしましょう。
新品のパーツよりも様々な点でシビアになっているため、日々のメンテナンスなどもしっかりと行うようにするのが、寿命を余計に削らないためにも重要です。