出揃いつつあるSocketAM4マザーボード、自作するならどれにする?おすすめAM4マザーボード特集。
Ryzen 7、Ryzen 5が、相次いで市場に投入されましたが、そのコストパフォーマンスの高さからユーザーには、おおむね好意的に受け入れられました。
「Ryzen 3」APUのリリースも、今年2017年後半に控えています。
しかし、いざ自作しようとすると迷うのがマザーボードの選択ですよね。
例えば、FM2/FM2+以来の自作となると、相当マザーボード選びに迷うのではないでしょうか。
今回は予備知識として、この記事を読んでもらいマザーボード選びの悩みを解決して欲しいと思います。
おさえるポイントは3つ
マザーボード選びでチェックすべきポイントは、以下の3つです。
- ディスプレイ出力端子があるか
- メモリーレーンの数
- SATA 3.0(6Gbps)の数
です。
APUを使用する場合、マザーボード側の出力端子は必須です。
また、メモリーレーンの数が、2レーンだと搭載メモリの量にも限りがあります。
HDDのようなストレージを多数接続する場合は、SATA 3.0(6Gbps)の数が少ないと困りますよね。
現在流通しているSocketAM4マザーボード
ここで、ざっくりAM4マザーボードの説明をしておきましょう。
チップセットの名称を知っておくだけでも、購入の際の迷いが少なくて済みます。
A320チップセットはエントリーモデル、B350チップセットはミドルクラス、X370チップセットはハイエンドモデルです。
各モデルの違いは、ディスプレイ出力端子の有無、メモリーレーンの数、オーバークロック対応かどうか、などです。
とはいえ同じチップセットでも、メーカーにより仕様はかなり異なります。
やはり、その製品の特長をしっかり把握することが重要なのです。
SocketAM4おすすめマザーボード
今回は、価格的にも手が届きやすいA320、B350に絞って、各メーカーのマザーボードを紹介したいと思います。
やはり機能的には、FM2/FM2+時代と比べると、隔世の感があります。
各ボードの特徴を理解した上で、自分にあった製品を選択してください。
ASRock AMD A320M
ASRock のMicro ATX マザーボードです。
実売価格6880円ですから、SocketAM4版としては、破格の安さのマザーボードです。
もちろん品質が悪いから、安いのではなく、機能を絞っているから安いわけです。
メモリスロット数は2レーンで最大32GBまで搭載できます。
オンボードインターフェースとしては、M.2スロット×1、SATA3.0×4、バックパネルにUSB ポートを6個装備しています。
この価格帯でM.2スロットを装備しているのは、大きいですよね。
対応OSは、Microsoft Windows 10(64bit)のみとなっています。
保証期間は2年です。
オンボードグラフィック機能はないので、グラボ購入は必須です。
MSI B350M BAZOOKA MB3911
MSIのB350チップセットのmicroATXマザーボードです。
しかし、最近のMSI SocketAM4マザーボードは、トマホークやらバズーカやらネーミングが物騒ですよね。
メモリーレーンを4本装備し、64GBまで搭載可能です。
DDR4メモリ、1866/ 2133/ 2400/ 2667(OC)/ 2933(OC)/ 3200(OC)+ Mhzまで対応します。
バックパネルにはUSB3.1×4、USB2.0×4を計8基装備しています。
第7世代 APUに対応し、映像出力端子はHDMI×1、DVI-D×1、VGA×1の3ポートを搭載しています。
もちろん、オンボードグラフィック機能はないので、APUではなく 「Ryzen」CPUで組む場合は、グラフィックボードが必要です。
高速SSD用として、最大転送速度32Gb/sのTurbo M.2スロットを装備しています。
オンボードのSATA 3.0(6Gbps)は4つです。
対応OSは、Microsoft Windows 10のみです。
実売価格は、11000円前後となっています。
MSIらしく最新で手堅い造りのマザーボードです。
APUではなく、「Ryzen」CPUで組む場合、バックパネルの映像出力端子は不要なので、ユーザーがそのあたりをどう評価するかでしょう。
GIGABYTE GA-AB350M-D3H
GIGABYTE社製のB350チップセットマザーボードです。
第7世代 APUにも対応しているため、映像出力端子として、HDMI×1、DVI-D×1、VGA×1の3ポートを搭載しています。
バックパネルの構成は USB 3.1 Gen 1×4、USB 3.1 Gen 2 Type-A ports (red)×2、USB 2.0×2となっています。
オンボードインターフェースとして、 M.2 スロットを1基、SATA 3.0(6Gbps)を6基搭載しています。
メモリーレーンは4本で 64 GBまで対応します。
実売価格は、13000円前後となっています。
SATA 3.0を6基装備しているため、HDDのようなストレージを多く使用したい人向けのマザーボードです。
ASRock AB350M Pro4
1万円を切る価格ながら、きっちりまとめられたASRockのB350チップセットマザーボードです。
このマザーボードも第7世代 APUにも対応しているため、映像出力端子として、HDMI×1、DVI-D×1、VGA×1の3ポートを搭載しています。
オンボードのSATA3( 6Gbs)は、4基です。
特筆すべき点としては、M.2 スロットを2基装備している点でしょうか。
AB350M Pro4は、高速ストレージを使いこなしたい人向けのマザーボードです。
ただし、SATA3( 6Gbs)とM.2 スロットは、排他的関係にあるので注意してください。
M.2 スロットを1個使えば、その分SATA3が1個使えなくなります。
実売価格は,9780円となっています。
AM4マザーボードで、自作マシンを作ってみた
今回の自作PCのテーマは安く、それなりに軽いゲームも楽しめるマシンです。
色々思考錯誤した結果、以下のようなパーツ構成になりました。
- CPU:AMD Ryzen5 1400 65W
- メモリ:キングストンデスクトップ用メモリDDR4 2400 4GB×2枚
- マザーボード:ASRock AMD A320M
- 内蔵SSD:Transcend SSD 120GB TS120GSSD220S(流用)
- グラボ:MSI GeForce GT 1030 2G LP OC VD6348 30W
- 内蔵HDD: WD Blue WD30EZRZ3TB
- 内蔵DVDドライブ:メーカー不明(流用)
- OS:Microsoft Windows 10(64bit)
- ケース:OWL-612-SLT(流用)
肝は、マザーボードにSocketAM4最安値レベルのASRock AMD A320MとグラボにNVIDIAのローエンドモデルであるGeForce GT 1030を使用している点です。
使える部品はそのまま流用し、後は定番パーツで固めてみました。
まぁ、相性問題の不安もあるわけですが、パーツを流用できるのは自作ならではです。
結局、今回の自作は、お値段66543円でおさまりました。
今後、OSのメジャーバージョンアップはない(つまり「Windows11」はない)ので、PCの寿命は確実に伸びると思います。
実際の使用感ですが、デュアルディスプレイでもサクサク動きます。
CPUとグラボの消費電力をあわせても95Wと、100Wを切っているので、ランニングコスト的にも、そこそこのPCが組めたかなという印象です。
実際は、アイドル時間もかなりあるので、電気代はさらに安くなるはずです。
用途としては、ネット閲覧、Office関連、動画鑑賞、「World of Warships」のような軽いゲームをやる程度です。
今後は、調子が悪くなったり、容量が少なくなったりしたパーツを交換しながら、長く使って行きたいと思います。
動作もキビキビして、安定しているので、ここ数年はPC関連のコストを抑えられそうです。
ただし、自作PC製作はメーカー品ではないので、あくまで自己責任で行ってください。
まとめ
「Ryzen」登場時、あまりに板(マザーボード)の選択肢が少なかった為、不安になった自作ユーザーも多かったことでしょう。
しかし、現在では、各ベンダーから個性的なマザーボードが多数発売されています。
特にA320チップセットのマザーボードが、自作市場に流れてきた事は、安価にRyzenでマシンを組みたい人にとっては朗報と言えます。
今まで、RyzenでPCを組もうかどうか様子見していた人にとって、自作するにはいいタイミングだと思います。