手頃な値段ならゲーミングPCにも使えるおすすめマザーボード
ゲーミングPCはその名前の通りゲームプレイを目的としたPCです。
ゲーミングPCの特徴として、上下の差こそあれ性能が高いのが特徴です。
高いスペックが必要になるため、必然的に使用されるマザーボードも拡張性が高い物が選ばれることが多くなっています。
今回は、そうしたゲーム目的用のPCにおすすめのマザーボードについてご紹介します。
目次
ゲーミングPCは高いパーツが必要なわけではない
まず、大前提となるのがこの点です。
基本的にはゲーミングPCはネット用のPCと比べると性能が高い物が多いですが、だからと言って飛び抜けて高額というものではありません。
むしろ、自作PCは予算の中で組むことが多いためか、重要なパーツにはある程度予算の割り当てを多くし、逆に節約しても問題の無い部分は率先して安いパーツや中古パーツを使う事が多いです。
ゲーミングPCの場合、マザーボードは基本的に後者の「節約したい部分」に該当します。
ただし、マザーボードの場合は中古品だとコンデンサが劣化している事も有るため、基本的に新品の中で予算に合わせたものを購入するのがおすすめです。
ゲーミングPC向けマザーボードの価格帯は?
どのゲームをプレイするかにもよりますが、10,000円前後のマザーボードでも意外と高スペックなため、それで事足りる場合が大半です。
実際、BTOのパソコン(PCショップなどで自作された完成済みPC)でもマザーボードに関して大半はこの価格帯の製品を使用していることが多く、スペックによってはさらに下位の製品を採用している事も有ります。
また、マザーボードの場合、価格の差は主に「メモリ搭載可能量」と「背面パネルの各種デバイス用の端子の数、配置」「各部の静電気対策」などに出てきます。
特に背面パネルのデザインは使用していて使い辛い事などもあるため、ある程度気にしておきたい点です。
また、静電気への対策は組み上げ時やメンテナンス時に(事前にしっかりとした静電気対策をするのは当然として)安全策として便利なため「なくても困らないがあると便利」な保護機能として働きます。
目立つ機能ではないですが、もしもの時に壊れる可能性が減るため頻繁にPC内部に触る人は選んでみるのもおすすめです。
ゲーミングPC向けマザーボードの選び方は?
現在、主流となっているのは主に「Intel H170」というチップセットを搭載したモデルです。
これから新たにゲーミングPCを組む場合に特別なこだわりが無いなら、このH170チップセットを搭載したマザーボードを選んでおけばほぼ間違いありません。
H170系はIntelの第6世代CPUである「Skylake(スカイレイク)」に対応しているため、最新のCPUを搭載することができる他、大半のマザーボードが転送速度に優れるDDR4のメモリに対応しています。
そのため、高いスペックが必要とされるゲーミングPCとの相性も悪くない、という事になります。
以前はDDR4のメモリが高額な事も有ってか、必ずしもおすすめされる製品ではありませんでしたが、対応製品が増えた事により需要が増加、価格もかなり下がってきています。
注意点として、H170チップセットを搭載しているマザーボードにはAMDのCPUを載せることは出来ません(相性云々といった話ではなく物理的に搭載出来ません)。
何らかの事情でAMDのCPUを搭載したい場合には別のマザーボードを選ぶ必要があります。
敢えて旧式を選ぶという選択について
PCパーツに関しては主流、あるいは新しい世代のパーツが必ずしも高性能であるとは限りません。
実際、旧世代のハイエンド製品であれば新世代の製品に匹敵、あるいは超える性能を持っているものもあります。
しかし、基本的には旧世代の製品を選ぶのはおすすめできません。
旧世代のパーツをおすすめしない理由としては「トラブル時の交換が難しい」という点があります。
旧世代のパーツは再生産されることが少なく余剰製品が少ないため、何らかのトラブルが起きても交換対応などが出来ない事があります。
特にマザーボードの場合には、世代間でメモリやCPUに互換性が無い場合が多く、マザーボードにトラブルが起きるとマザーボードと共にCPUやメモリも交換しなければならない、という事が起きるため、1から新規にPCを組む場合には主流である新世代のパーツを使用するのがおすすめです。
ゲーミングPCにおすすめのマザーボード「ASUS H170-PRO」
第六世代CPU「Skylake」に対応したチップセット、H170を搭載したコストパフォーマンス重視のマザーボードです。
あくまで一般用のマザーボードでゲーミングマザーではありませんが、性能的には申し分のない製品です。
価格は10,000円から11,000円前後と安めながら、DDR4スロットが4つ搭載されており、最大で64GBまでメモリを積むことが可能です。
SATA接続よりもさらに高速なM.2ソケットも搭載されているため、M.2対応のSSDを使用する事も出来ます。
M.2ソケットは速度がかなり早いため、ゲームのクライアントを保存する場所としても有効です。
気になる点は殆ど無いものの、利点であるM.2ソケットの位置が少し厄介で、PCI-Express x16の上、CPUソケットの下に位置する場所に配置されている点です。
M.2ソケットのSSDはそれほど大きくないため場所という意味では困りませんが、SSDは熱に弱いためCPUやグラフィックボードの熱が気になる人は使い辛いかもしれません。
逆に、M.2ソケットを当分使用する気が無い人には、低価格で機能も充実している事も有りおすすめのマザーボードです。
ゲーミングPCにおすすめのマザーボード「MSI H170 GAMING M3」
H170チップセットを搭載した、MSI製のゲーミングPC向けのマザーボードが「MSI H170 GAMING M3」です。
価格は13,000~15,000円程度と割高なのがネックですが、その分ゲーミングPCらしいハードな使い方にも耐えられるよう、様々な工夫がされているのが特徴です。
M.2ソケットも搭載されていて、最大転送速度が32Gb/sを超える「Turbo M.2」が搭載されています。
また、重量のあるグラフィックボードを使用してもヘタれ難い「Steel Armorスロット」等も搭載されています。
また、サウンド関係はマザーボード本体からのノイズを防ぐために完全独立した回路設計になっています。
また、独立した回路設計部分とそれ以外の部分とを隔てる絶縁部分は、電源を入れることでLEDが点灯し、赤いラインが走るようになっています。
頑丈なPCIスロットや、起動すると光るライン等、値段相応に面白い機能が付いています。
特に光るラインは見ていて中々カッコいいため、中身が見えるPCケースなどと一緒に使うと面白いためおすすめです。
ゲーミングPCにおすすめのマザーボード「ASUS H170-PRO GAMING」
前述した「H170-PRO」をゲーミングPC向けに機能の追加・変更した製品が「H170-PRO GAMING」です。
対応しているCPUやメモリなど基本的な部分に変更は有りませんが、LAN関係やサウンド関係などが良い物に変更されています。
また、H170-PROで気になるポイントだった「熱に弱いM.2ソケットが熱を持つパーツの近くに配置されている」という点が解消され、ソケットは右下隅に移動されています。
この変更によって、H170-PROでは使い辛いM.2ソケットが一気に使いやすくなるため、M.2ソケット対応のSSDを使いたい人はこちらを選ぶのがおすすめです。
ゲーミングPCにおすすめのマザーボード「GIGABYTE GA-970-Gaming」
ゲーミングPC向けのマザーボードのうち、AMDユーザーにおすすめなのが「GIGABYTE GA-970-Gaming」です。
CPUソケットはAMD系CPUの最新版に対応したSocket AM3+、メモリはDDR3が4スロット配置され、最大32GBまで対応しています。
新しい規格をどんどん投入しているIntelと比べるとどうしても「1世代前」なイメージを持たれがちなSocket AM3+ですが、実際に使ってみると決してIntel製CPUに劣るとは感じません。
特徴としては、グラフィックボードの大型化によって重量が増えている事に対して、PCI-Express x16の端子を金属で補強した「Ultra Durable PCIeメタルシールド」などの機能を持っています。
また、Socket AM3+対応のマザーボードとしては珍しくM.2スロットを標準で搭載しているなど、Gamingの名称に恥じないゲーム向けの機能が充実しています。
AMD製品はIntel製品と比べると自作初心者には難易度が高いとされることが多いですが性能のわりに安く購入できる事も多いため、敢えてこちらを選択してみるのも方法の一つです。
まとめ
ゲーミングPC向けのマザーボードですが、今から新規に1台組み上げるなら「ASUS H170-PRO」か「ASUS H170-PRO GAMING」のいずれかが候補になるかと思います。
特にコストを抑えたいなら前者がおすすめです。
少しコストが嵩んでもいいものを使いたい、またはM.2ソケットを安心して使いたいならGAMINGのほうを選ぶのがいいかと思います。
AMD系に関しては、もう少し待った方が良い。
というのが正直な意見です。
というのも、そろそろ本格的に新規格である「Socket AM4」が登場し始めそうだからです。
AM4は、DDR4メモリへの対応や、M.2ソケットの本格運用なども視野に入ります。
そういった点も含めて「今、新規で組むならIntelのH170系がおすすめ」ということになります。