4KVRをやるならこのグラフィックボード!GeForce GTX 1080 Ti特集
2017年3月11日、NVIDIAの新型GPUである「GeForce GTX 1080 Ti」の販売が開始されました。
Pascal(パスカル)世代のフラッグシップモデルであるTitan Xは、正直高価すぎました。
要はコスパが悪かったのです。
また、Titan X とGTX 1080の性能差を埋めるグラボも必要とされていました。
そのようなニーズもふまえてNVIDIAにより市場に投入されたグラフィックボードが、GeForce GTX 1080 Tiです。
今回はPascal世代最高のグラボであるGeForce GTX 1080 Tiを、あなたに紹介します。
目次
GeForce GTX 1080 Tiとは
Tiとは「Titanium」(チタン)の頭文字からとったモデル名です。
そのクラスにおいて最上位の製品であることを示します。
本来の命名規則によれば、性能的にはTitan X
GTX 1080 Ti
GTX 1080となるはずですが、現時点では、1080 Ti がTitan X を抜きPascal世代最高のグラフィックボード(以下グラボ)となっています。
初の4KVR対応GPUとしてNVDIAから発表されたことが、そのことを証明しています。
GeForce GTX 1080 Tiのスペック
ここでGTX 1080 Tiのスペックを説明しておきましょう。
グラボのメモリは、高速のGDDR5Xメモリを 11GB搭載しています。
演算性能は驚異の11.34TFlopsです。
コア周波数は、ベースクロックが1480 MHz、ブーストクロックが1582 MHz、メモリ周波数は1375 MHzとなっています。
消費電力は、Titan X と同じ250Wです。
Titan Xとの違い
Titan Xのスペックは、搭載メモリがGDDR5X 12GB、演算性能が11TFlops、コア周波数は、ベースクロックが1417 MHz、ブーストクロックが1531 MHz、メモリ周波数は1250MHzとなっています。
消費電力は250Wです。
コア周波数や演算性能では、 1080 Tiが優れています。
搭載メモリは、Titan X が1GB多いですが、メモリ周波数では1080 Tiのほうが上回っています。
各種ベンチマークでも、わずかに1080 Tiが優れています。
後はコストパフォーマンスですね。
Titan Xが14万円以上、1080 Tiが10万円~11万円の価格帯なので、費用対効果でいえば、1080 TiがTitan Xを圧倒的に上回ります。
GTX 1080との比較
GTX 1080のメモリはGDDR5X 8GB、演算性能は9TFlops、コア周波数はベースクロックが1607 MHz、ブーストクロックが1733MHz、メモリ周波数は1250 MHzとなっています。
消費電力は180Wです。
コア周波数では、GTX 1080が優れていますが、メモリ搭載量や演算性能では、大幅に1080 Tiが上回っています。
よってGTX 1080との比較では、GTX 1080Tiのほうが、平均で35%の性能向上となっています。
GeForce GTX 1080 Tiの用途
重いゲームは動かせて当たり前、4Kディスプレイを複数枚接続しても滑らかに動きます。
何といっても、超高解像度の4KVRを体験できるのは大きいですね。
ワンランク上のグラフィック環境を構築したい人には、おすすめのグラボです。
GeForceGTX 1080 Tiおすすめグラボ
GTX 1080 Tiは、Pascal世代最高のグラボということで、各メーカーから特徴のある製品が発売されています。
今回は、選りすぐりの4枚のカードを紹介してみましょう。
MSI GAMING X 11G VD6302
MSIは、台湾に本社を置く、世界的なマザーボード、ビデオカードの製造会社です。
MSIオリジナルファン「Twin Frozr VI」を採用し、60℃以下の低負荷時ではファンが停止し騒音を減らす設計になっています。
ブーストクロックは、 OC(オーバークロック)モード時で1,683MHzに達します。
付属の簡易OCユーティリティ「GAMING APP」を使用すればBIOSをいじる事なく、簡単にオーバークロックできます。
VRに特化した環境も、ワンクリックで設定できます。
出力端子は、DisplayPort1.4×2、HDMI2.0b×2、DVI-Dを装備し4画面出力をサポートします。
高品質のコンデンサを使用し、長寿命で安定した出力を実現しています。
MSIは、やはり他メーカーと比較しても、デザインが秀逸ですね。
まず自作マシンに組み付けるなら1番手といったところでしょうか。
補助電源は8ピン×2となっています。
MSI 1080TiFoundersEdition
「Founders Edition」とは、NVIDIAがファンのような冷却装置まで設計しているボードのことを意味します。
OEMメーカーが自社でデザインしたボードよりも、高性能なケースもあります。
最近はユーザーも、Founders Editionを購入することがあたり前になりつつあります。
出力端子は、DisplayPort1.4×3、HDMI2.0b×1となっています。
このあたりは、同じMSIでも、VD6302とは異なる仕様になっています。
冷却ファンは1基のみと、夏の高負荷時の冷却には、一工夫必要です。
補助電源は8pin ×1+6pin ×1となっています。
GV-N108TAORUS X-11GD
GV-N108TAORUS X-11GDは、GIGABYTE社製のGTX 1080Tiグラボです。
GIGABYTEは、MSIと双璧をなすグラフィックボードメーカーです。
3スロット占有の大型クーラーを搭載しています。
基盤内には、受熱能力の高い銅プレートを装備し冷却にはかなり気を配っている印象を受けます。
低負荷時や低温度時には、ファンがオフになる「3D アクティブファン」システムを採用しています。
出力インターフェースはDisplayPort1.4×3、HDMI2.0b×1、DVI-D×1となっています。
補助電源は、8pin x2です。
ASUS O11G-GAMING
ASUSは、台湾に本社を置く総合エレクトロニクスメーカーです。
最近は、液晶モニタでも一定の評価を受けています。
ASUS O11G-GAMINGは、付属ソフトにより1708MHzまでオーバークロック可能な1080Tiグラボです。
出力端子は、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0b×2、DVI-D×1を装備しています。
大口径ファンを3基装備し、低負荷時はファンを自動停止させる「ゼロノイズ」機能を搭載しています。
「GPU Tweak II」という設定ソフトで手軽にオーバークロックも楽しめます。
9万時間を超える長寿命コンデンサを使用している点は、心強い限りです。
補助電源は、8pin x2となっています。
MSI VD6302で自作マシンを組んでみた
構成は以下の通りです。
- ◆CPU:AMD CPU Ryzen7 1700 価格 41900円
- ◆SSD:Transcend SSD 240GB TS240GSSD220S 価格9780円
- ◆グラボ:MSI GAMING X 11G VD6302価格112104円
- ◆メモリ: CMK16GX4M2A2666C16(8GB×2枚)価格13480円
- ◆MB:MSI B350 TOMAHAWK MB3902価格14515円
- ◆電源:ENERMAX 80PLUS BRONZE 1000W ETL1000EWT-M価格15688円
- ◆OS:Windows10 Pro 21980円
- ◆ケース: OWL-612-SLT/Nを流用
- 合計:229447円
ちなみにマザーボードのB350チップセットは、SLIに対応していません。
SocketAM4でSLIに対応しているのは、X370チップセットのみです。
PCケースは、以前の自作PCで使っていたOWL-612-SLT/Nを流用しました。
ケースは、大きめのスチール製を買っておくと10年、20年と使用できます。
ATX 、Micro ATX両方に対応できるので便利です。
ちなみにOWL-612-SLT/Nは、販売終了となっています。
結果的に自作PC費用は23万円弱かかってしまいました。
流用できる部品があれば、もっと自作する費用は下がるでしょう。
ただ、ロードバイクであれ、釣り竿であれ、それなりのものを購入しようとすれば20万円以上します。
それは、自作マシンでも同じです。
少なくとも7~8年間はこのマシンで、頑張りたいと思います。
以前はOSの替え時がPCの購入時期でもあったのですが、マイクロソフト社よりWin10以上のバージョンは、今後リリースされないことがアナウンスされています。
今後、部品を交換しながら使っていけば、PCの寿命はもっと延びるでしょう。
それが、自作PCの醍醐味でもあるのです。
まとめ
10万円もするグラフィックボードなんて、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし人生は短いです。
また、お金は、物の対価として初めて価値をもちます。
4KVRを体験したい、これがあったら便利だろうな、幸せになれるだろうなというものがあれば、多少値が張っても、迷うことなく購入するのもありなのです。
自作PCに、GeForce GTX 1080 Tiグラボを突き刺せば、あなたのマシンも量産型ザクからシャア専用ザクにスペックアップする事間違いなしです。