GTX1080搭載のPCで高負荷で知られているAssassin’s Creed Unityはどこまで動く?
Assassin’s Creedシリーズは現在もシリーズが継続しているタイトルですが、中でも2014年11月11日にリリースされたUnityは当時の自作PCの性能としては飛び抜けて負荷の高いタイトルで、当時では4K画質でのプレイはかなり難しいタイトルでした。
今回は、そんなシリーズ随一の負荷の高さを持つタイトルであるAssassin’s Creed Unityを次世代GPUの中でもハイエンドモデルであるGTX1080を搭載したPCでどこまで動かせるかについてまとめました。
目次
Assassin’s Creed Unityはかなりの高負荷タイトル
Assassin’s Creed Unity(以下Unity)は18世紀末のフランスを舞台とした作品でフランスの都市を駆け回りながら進行していくゲームです。
新ゲームエンジンへの移行後初のタイトルという事に加えて、同シリーズを手掛けているUbisoftのお膝元であるという事もあり、これまでの作品以上に気合の入ったMAPデザインがされているのが特徴のタイトルでしたが、同時に非常に負荷が高いタイトルでもありました。
その負荷の高さは、当時のゲーミングPCの中での更に一部のハイエンド機でさえも最高クラスの描画品質設定での安定したフレームレートの確保は難しいほどで、当時のハイエンドクラスの1つであったGTX980を2基併用したSLI構成でやっと60fpsが安定するとまで言われていました。
これはちょうどGTX1080シングル構成に近いスペックに相当するため、発売時期を考えるといかにその負荷が高かったかがわかるかと思います。
フルHDならGTX1080で最高設定で安定動作
フルHD環境ではGTX1080のスペックがあれば最高設定でも十分に安定した動作でゲームを快適に楽しむことが出来ます。
フレームレートは常に安定して60fpsを超えるものの、NPCなどが大量に存在するエリアや影の影響が多いエリアなどではフレームレートが少なくなりやすく、逆にNPCなどが少ないエリアではフレームレートが高くなる傾向があります。
また、「最高」設定から一段階落ちた「非常に高い」設定にした場合にはフレームレートは高負荷エリアで60~80、負荷の小さいエリアでは140オーバーと高めのフレームレートを維持し続ける事が出来る事に加えて、体感では品質にそれほど大きな差が生まれないため、より静かな環境でゲームを楽しみたい人はフルHDかつ「非常に高い」設定で動作させみるのもおすすめです。
4Kでもプレイに無理はないが……
Unityでは早い段階から4K環境でのゲームプレイが可能になっています。
GTX1080を搭載したPCであれば十分動作するものの、比較的負荷の小さかったフルHD環境と比べるとかなり負荷が増えているため、常に60fps超え安定とはいかない事が多いです。
最もNPCが多いエリアでは平均すると30~40fps程度になる事が多く、逆にあまりNPCがおらずPCへの負荷が小さいエリアでは60fpsを安定して出すことが出来ます。
ゲームの性質上フレームレートが60を割り込むことによってプレイに大きな弊害が生まれる訳ではないため、それほど心配要らないものの、素早く移動する際には違和を感じる事があります。
また、グラボに対してオーバークロックの設定をすると、かなりフレームレートが改善される傾向があり、動作クロックが2GHzに近くなるとかなりフレームレートは安定しますが相応に負荷が増えるため、過度なオーバークロックによる故障に注意が必要です。
UnityとGTX1080の相性は良好
Unityでは同シリーズでずっと採用されていたゲームエンジン「Anvil Engine」に大幅な変更が加えられたと同時にNvidiaのGPU向けに最適化が進められていたため、GTXシリーズとの相性はかなり良くなっています。
また、GTXシリーズのグラボを搭載しているPCでのみ利用可能な機能として、人体や大理石への微妙な光の反射具合を再現する「HBAO+」や、ジャギーを軽減することで滑らかに表現してくれる「TXAA」、影の輪郭を修正することでソフトな印象にしてくれる「PCSS」などが用意されており、更に描写を綺麗な物に設定する事が可能になっています。
特に処理能力に余裕のあるフルHD環境では、これらの追加機能を無理なく利用できるため、フルHDだとGTX1080のスペックを持て余してしまう、と感じる場合にはこれらの機能をオンにしてみるのもおすすめです。
また、逆に処理が若干重く感じる場合にはこれらのオプションをオフにしてみる事で効果がある場合もあります(特にPCSSはグラボへの負荷が大きくフレームレートが下がりやすいです)。
GPUの温度は高めに推移しやすい
GTX1080を使ってUnityをプレイする場合、GPUの温度はフルHD環境では60度~70度前後になる事が多く、基本的には他のゲームと同様に描画に関連する追加機能を併用すればするほど温度が高くなる傾向があります。
元々GTX1080は発熱が低めなのが特徴の1つになっているため、フルHD環境では設定に関係なく発熱は殆ど問題ならないですが、一方で高解像度環境では高めの温度で推移し易い傾向があるため、ある程度気にしておくのがおすすめです。
また、GPUやメモリに対してオーバークロックを行っている場合には高フレームレートを安定して維持しやすくなるものの、通常時以上に発熱が大きくなるため注意が必要です。
特に負荷の大きくなるNPCが大量に居るエリアなどでは、GPUの温度は80度近くまで上がる事があります。
温度そのものはまだ多少の余裕があるため、それほど神経質になる必要はないものの、発熱によってグラボを構成している他のパーツへの二次的な負荷などを考えると、細かいオプション機能のカットや、ケース内のエアフローの調整をする事による空気の循環の効率化、ダウンクロックによる発熱そのものを減らすといった対策を行う事をおすすめします。
グラボだけでなく全体のスペックが重要に
UnityはグラボをGTX1080に変更するだけでもかなり快適に遊ぶことが可能になりますが、同時にかなりCPUのパワーとメモリ領域を多く消費する傾向のあるため、GTX1080のスペックをしっかりと発揮するためには、他のタイトル以上にグラボとそれ以外のスペックのバランスが重要になっています。
そのため、グラボだけをGTX1080にして他のパーツは古いまま、という際には高負荷設定ではGTX1080が持っているスペックをしっかり発揮してくれない事があり、動作の快適さが失われてしまう事があります。
ボトルネックによるスペックの無駄な消費を防ぐ意味でもある程度の効果があるため、グラボをGTX1080に変更するだけでなく、CPUをCore i5クラス以上の物に変更したり、データを格納するストレージをSSDにするといったハードウェアの平均的なアップデートを検討するのがおすすめです。
Unityを遊ぶ際におすすめしたいGTX1080搭載グラボ「ZOTAC GeForce GTX1080 AMP Extreme+」
UnityをPCで遊ぶ際におすすめしたいGTX1080搭載のグラボの1つが、ZOTACから発売されている「GeForce GTX1080 AMP Etreme+」です。
ZOTACから発売されている同シリーズの中でも一際高いクロック設定になっているのが特徴のグラボで余計な設定等を挟まなくてもブーストクロックは1911MHzに設定されている他、メモリクロックも高めに設定されているため、箱出し状態でも高い性能を誇っています。
多少サイズが大きい点がネックになるものの、スペックの高さのわりに販売価格はあまり高くならない傾向があるため、クロックによってフレームレートが変わりやすいUnityを快適に遊ぶ際にはぜひおすすめのグラボの1つと言えます。
Unityを遊ぶ際におすすめしたいGTX1080搭載グラボ「GIGABYTE GTX1080 Gaming ITX」
大きいサイズのグラボを搭載する余裕はないけど、GTX1080を載せて快適にUnityを動作させたいという人におすすめなのがGIGABYTEから発売されているハイエンドクラスかつITXサイズに収まるショート基盤という異色の特徴を持ったグラボ「GTX1080 Gaming ITX」です。
先に触れたAMP Extreme+と比べると動作クロックが低いため、4Kなどの高い解像度でプレイを予定している場合には若干フレームレートが落ちる傾向があるものの、フルHDなどの負荷の小さい環境では最高設定で60fpsを安定して維持できるだけのスペックを持っているため、解像度は低いままでも良いという人にはこちらでも十分満足できます(フルHDは4Kの下位互換ではなくフルHDだからこその利点もあります)。
本体サイズも小さく、PCケース内の容積への負担なども少ないため、グラボだけを交換してUnityを高画質で遊びたいという人におすすめのグラボです。
まとめ
Assassin’s Creed Unityは快適なプレイをするために必要なスペックも高いため、かつては敬遠される事もあったタイトルですが、高いスペックを手軽に体験できるGTX1080の登場によって最高設定が一気に身近になったタイトルでもあります。
GTX1080を導入した場合の最高設定の画質に関しては3年前のタイトルとは思えないほど作り込まれたタイトルなため、興味のある人はGTX1080と合わせて検討してみるのもおすすめです。