もしかして故障?グラフィックボード故障時の症状と予防・対応策
本文中に記載するように、グラフィックボードは、決して安い部品ではありません。
しかし、デリケートなのもひとつの特徴です。
新しく買い替えた方・自作パソコン初心者のかたは、故障のときを心配して過ごされているのではないでしょうか。
この記事では、故障の原因を冒頭に、初期症状や故障の特定方法。
予防策などを書いていきます。
グラフィックボードの寿命を延ばすには
はじめに、グラフィックボードにも寿命があることを述べておきたいと思います。
一般的な家電製品の耐用年数は7~8年と言われていますが、大切に使っても10年程度という声もあります。
パソコンの部品の中では安くないものになりますので、より長く・大切に使う方法のご提案をここでしてみます。
熱をもたせないようにする
周知のとおりではありますが、パソコンのパーツは熱に弱く、高熱が続くと「暴走」を起こすことがあります。
みなさんは、普段からPCの温度をチェックしていますか?
もし「気にしたことがない」というかたは、「PC温度チェッカー」などで検索をしてみて、数ある温度チェックアプリのなかからひとつ選んでインストールしてみてください。
ハイエンドグラボほど熱を持ちやすく、ファンもたくさん搭載している傾向にはあります。
しかしそれでも、
- PC内部のエアフローの問題
- 高負荷のかかる3Dゲーム動画編集などを長時間連続して行う
こういったことが理由で、高熱はどうしても発生してしまいます。
日常的にここをケアするには、第一にパソコン内部のホコリとり・掃除を頻繁に行うこと。
ファンを回転しやすくして、うまく吸排気するようにしてあげるのが大事です。
第二に、上述しましたが、パソコンを組み上げる・あるいはBTOなどで届いたときに、中を確認して、どのように空気が流れているか確かめておくことです。
また、無駄な配線などは空気の流れを阻害するので、できれば「裏配線」など、こだわりのコンパクトな配線の仕方を心掛けるべきでしょう。
是非実践してみてください。
OCしている方は注意
また、オーバークロックをしているかたはより注意が必要です。
もともとオーバークロックモデルと明記されているものは、ヒートシンク・ファンなどが高熱に十分対応できている傾向にあるのですが、BIOSから設定を変更して独自で性能を引き出しているかたに関しては、なかなか難しいところがあります。
前述した熱問題は、オーバークロックとも深い関係にあります。
高性能を引き出す分、高熱に付きまとわれるのは常です。
故に、OCをしているグラボは寿命が短くなる…というのが通説。
そのため、「どうしてもオーバークロックしないといけない」などといった場合を除いては、やらない方がいいともいえます。
むしろその状況であるなら、思い切って買い替えて、必要十分な性能をもつグラボにしたほうが、長期的に見ると安くつくかもしれませんね。
いずれにしても、無理に性能を引き出すのはかなり負担のかかることなので、よく考えてお試しになることをおすすめします。
グラボ故障の症状まとめ
ここから先は、グラボの故障初期~中期におこる症状をまとめます。
一般的に故障とされる場合、「寿命」か「接続不良」がその根本的な原因ではありますが、長期間同じ製品を愛用しているかたであれば、以下のような症状は「寿命」なのかもと考えてもよいのではないでしょうか。
ブロックノイズ
故障のごく初期に起こりやすく、これが出ると間違いなくグラボだ…などと指摘する声もあります。
具体的には、
- 画面が歪む
- ノイズが走る
こういったことですが、段々と上記の症状がひどくなり、歪みやノイズの範囲が広がってくるのが顕著な症状ではないでしょうか。
一時的な原因であれば「熱暴走」「接続不良」が考えられますが、後述するような症状確認や改善方法を試してみて治らない場合は、修理に持ち込む・買い替えるということを考えた方がよさそうです。
いずれにしても、グラボに端を発する症状としては、全く好ましくない状況でしょう。
フリーズ・画面が映らない
パソコンのフリーズは一概にグラボが原因とは言えませんが、画面が映らないなどという症状と併発している場合には、ひとつ可能性として考えておいた方がよさそうです。
とくに、ゲームや動画編集中に頻繁にフリーズするなら、グラフィックボードを疑ったほうがいいかもしれません。
多くのかたの声によると、これらの症状のあとからノイズ・画面の歪みなどの問題が出てくるケースが多くなるそうです。
フリーズが連発するようになったら、一度BIOSから設定を見直すか・修理業者に持ち込んで原因を特定するほうがいいかと筆者は考えます。
恐らくそのたびに強制終了することになりますが、これはパソコンへの負担のことを考えると、あまり関心できるものではありません。
現在進行形でお悩みのかたは、早急に対処されることをおすすめします。
故障の確認方法
ここからは、グラフィックボードの故障・あるいは異常だと断定する方法や、その場合の改善方法についても言及していきたいと思います。
まず第一に、疑いがある場合は、いちどグラボを取り外してオンボード(マザーボード)側にモニタを接続しなおしてみて、症状の改善があるかどうか確かめてみましょう。
高負荷の作業ができなくなるので何とも…といったところですが、この状態で一定時間作業してみて症状が起こらない…ということであれば、まず間違いなくグラボの故障とみてよいでしょう。
もう一枚グラボがある!
というかたは、付け替えをしてもいいかもしれませんね。
ほかには、パソコン上の設定から確認する方法があります。
これは物理的な故障ではなく、ドライバの異常などを確認する方法になります。
まずコントロールパネルを開き、「システムとセキュリティー」からデバイスマネージャーを起動。
一覧の中にある「ディスプレイアダプタ」のなかにグラフィックボードの名前が格納されているので、そのプロパティを見て正常に動作しているかどうか確認します。
もし異常がおきていたら、一旦グラフィックボード自体を取り外してオンボードに切り替え、ドライバーをアンインストールしてから再度インストールしてみましょう。
正常に動作している場合も、単にドライバーのアップデートが出来ておらず・不具合がでているだけということも考えられます。
この場合は、メーカー公式サイトなどからアップデートファイルをDL・インストールしてみてもよいでしょう。
予防策
グラフィックボードに端を発するトラブルの予防策として、第一に挙げられるのは、随時ドライバを更新しておくことです。
特に最新・ハイエンドの一枚を使っておられる方は、留意したほうがいいと考えます。
次に、最初に述べたように、パソコンの温度を常に監視しておくこと。
温度チェッカ―アプリはマザーボードの機能をもとに作動しているので、ほとんどPCに負担をかけません。
ゲームや動画編集を頻繁に行われる方なら、常に起動しておいてよいかと思われます。
まとめ
グラフィックボードやその他パソコンの部品に害を与えてしまう最大のものは、「熱」です。
常に温度を管理し、ご自身のする作業でどの程度の熱をもつのか・パソコンのエアフローはどうなっているのかを確認しておく必要があります。
また、問題が起こったときに安易に物理的な故障ときめつけずに、ドライバの再インストールなどを試してみるのもよいでしょう。
ご参考に。