グラボが熱暴走する原因になる5つのポイントに気を付けよう

グラフィックボード(グラボ)

VGAファン,SODIAL(R)VGAビデオカードクーラー ヒートシンク 冷却ファン プロセッサのため

5月も半ばを過ぎて、気温がどんどん高くなっています。

そうなるとPCユーザーとして気になるのは「PCへの影響」という方々も多いのではないでしょうか?

特にグラボは熱を持ちやすく、熱暴走も起きやすいパーツです。

今回はグラボの熱暴走の原因とその排除方法についてまとめました。

夏本番に熱暴走を起こす前にグラボのチェックをしてみましょう。



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グラボの熱暴走の原因になるアレコレ

グラボの熱暴走といっても原因はたくさんの種類があります。

一般的な原因といえば「埃」は特に原因になりやすいですが、それ以外にも次のようなものが原因になり易いです。

●不完全なエアフロー・室温が高すぎる・オーバークロックのし過ぎ・ゲームなどの描画設定が過剰すぎるなどが考えられます。

どのトラブルも解消するのに時間こそ必要になるものの解消する事自体はどれも簡単に行う事が出来ます。

グラボに搭載されているGPU自体は熱に対してかなり高い耐性を持っているため、問題を解消さえしてしまえば再び元の動作を取り戻せる事が多いです。

ただし、GPUではなくVRAMが壊れてしまっている場合などには復旧出来ない事も有ります。

対策をしたからと言って「必ず復旧する」という訳ではない事にはご留意ください。



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一番原因になり易いのは「埃」です

グラボの熱暴走の原因になりやすいのは、やはりPCの天敵の1つである「埃」が原因になりやすいです。

普通の部屋ではどんなに綺麗にしていても大なり小なりの埃が発生しますし、PCはファンが回っているのでこれを吸い込んでしまいます。

グラボが熱暴走してしまう場合は主にヒートシンクが埃で目詰まりしてしまい、熱の交換が上手く出来なくなっている事が多いです。

特にワンルームなどでベッドや布団、衣類などと同じ部屋にPCを設置している場合などには埃が発生し易いため一層の注意が必要です。

対処方法としては定期的なPC内部の掃除がべストですが、PCを埃の起きにくい部屋に移動するのも効果的です。

また、ケースファンの前に防塵フィルターなどを張り付けて埃の侵入そのものをブロックするのもおすすめですが、この方法の場合にはフィルターの定期的な掃除・効果が必須になるため、一長一短でもあります。

喫煙する人は一層の注意が必要?

PCをしながら煙草を吸う人も居るかと思います。

最近は特に外で禁煙のところが多いので、自分の部屋くらいでしか気楽に吸えない…という人も多いのではないでしょうか。

そういった人の場合には、グラボのヒートシンクに埃の目詰まりに加えてヤニが溜まって固まってしまうため、取り除く事が更に大変な事になります。

もし、埃とヤニが固まってしまったヒートシンクを掃除する場合には、ヒートシンクだけを取り外して、ヤニ取り用のクリーナー溶液1日くらい漬けておくのがおすすめです。

多少時間はかかりますが、確実かつ綺麗に取ることが出来ます。

注意点として、クリーナーで綺麗にした後は必ず一度水洗いして、更にしっかりと乾燥させてから取り付けるようにしましょう。

また、一度ヒートシンクを取り外してしまった場合には、ヒートシンクを取り外している間にGPUに塗られているグリスに埃やチリが入るため冷却性能が落ちてしまう可能性があるため、サーマルグリスを塗り直してから取り付けるようにしましょう。

不完全なエアフローが原因の場合も

PCは基本的に筐体内部をファンの回転によって取り込まれた空気が通り抜けるように作られています。

そのため、この空気の通り道が不完全だったり、不具合があったりすると冷却能力が不足した状態になってしまうため、グラボなどが熱暴走しやすくなります。

これは、スリムタイプのケースやコンパクトなケースを使っている場合には起きやすいほか、適当に組んだ自作PCなどでも起きやすいトラブルです。

根本的な解決方法としては、ケースファンの増設や大型化などがありますが、一時的な解決方法としてはPCケースのサイドパネルを外して内部を露出させるのもおすすめです。

ただし、この場合には埃が入りやすくなるため前述した埃のトラブルに気を付けましょう。

また、壁際や机下などにPC本体を設置している場合には壁などから少し離して設置するようにしましょう。

サーキュレーターや扇風機も多少の効果あり

エアフローが不完全で冷却のためにサイドパネルを外す場合に、一緒に扇風機やサーキュレーターなどの風を送る機械を併用してPC周辺の空気を継続してかき混ぜるのもおすすめです。

通常の扇風機以外に最近ではUSB接続の卓上ミニ扇風機などもあるので、そういった小道具でもある程度効果があります。

風を送る際の注意点として、風を送る向きに注意が必要です。

空気の出口に風を当てるなど、放熱を妨げるような置き方はしてしまうと逆効果になってしまいます。

あくまでもPC内部に風を送るような配置に設置して、グラボが温度の低い空気を取り込めるように工夫しましょう。

また、風を送るという性質上いつも以上に埃が溜まりやすくなります。

事前にケース内の掃除をしておき、2週間~1か月1度程度は中をチェックして埃が溜まっているようであればしっかり掃除するようにするのがおすすめです。

意外と効果が大きい「室温」の調整を忘れずに

夏場は冷房を使うという人も多いと思いますが、設定温度の高さはPCにとっても重要なものです。

実際、夏は特にPCの熱暴走が起きやすいとされていて、筆者自身もPCの熱暴走を経験したのはいずれも夏でした。

CPUやGPUは50℃以上になる事が珍しくないのに、室温のたかだか30~35度が問題になるのか?

と感じる人も居るかもしれませんが、一般的な冷却方法である空冷の場合には空気の温度が高いほど吸収できる熱の量も減るため、室温の高さは冷却性能に大きく関係してきます。

そのため、出来る限り冷房の設定温度はあまり高くしないようにして、最低でも30℃よりは下、出来れば26~28度程度に設定するようにしましょう。

グラボとは直接関係がある訳ではありませんが、エアコンそのものの掃除をしっかりと行う事で冷房効果を高められるため非常に効果的です。

グラボのオーバークロックをしている人は要注意!

グラボのオリジナルモデルの中には、GPUのクロック数を上昇させることができたり、最初からある程度クロック数を引き上げて性能を上げているモデルがあります。

オーバークロックを行うとグラボの性能は更に上昇しますが、その分GPUの温度も跳ね上がります。

そのため、夏場の気温が高い時期に無理なオーバークロックをすると冷却が追い付かずに熱暴走して落ちる、という事があります。

最近のオリジナルモデルのグラボは、ユーティリティソフトからクロック数をいじったり、リファレンスモデル相当のクロック数まで低下させて発熱や消費電力を抑えるモードに切り替えられる製品も珍しくないため、夏の暑い時期の間はそういったモードに切り替えて使うのもおすすめです。

ゲームをする人は、描画設定なども調整するのがおすすめ

PCでゲームをする人は、自分が遊ぶゲームの描画設定について気にしてみるのもおすすめです。

特に最近の3Dゲームはグラボの性能を物凄く食うため負荷も非常に大きく、高画質設定などの無理な設定をしている場合には熱暴走になりやすくなります。

また、この問題は先述した「室温の高さから来る冷却性能の低下」や「オーバークロックによる熱暴走」などと同時に原因になっている事が多いため、それらと併せて一度練り直すのがおすすめです。

3Dゲームの場合にはタイトルによって調整できる部分は異なりますが、遠距離部分の描画簡易化や省略、影の表現の品質低下や削除、表示するオブジェクトの総数を減らすなどの設定を行うのがおすすめです。

まとめ

夏場のグラボの熱暴走を防ぐ上で重要なのは、室温とPC内部の掃除です。

この2点をしっかりと行うだけでも熱暴走の危険性はグンと下がります。

ただし、一度にすべての対策をやってしまうと問題の切り分けが難しくなってしまうため、必ずしも良策とは言えません。

他の方法を試すのは特に重要な2点(掃除と室温調整)を試して、それでも安定しない場合に順番に試してみるのがおすすめです。