VEGAを待つべきか?それともRX500系を購入すべきか?迷えるあなたに送るRadeonRX500系グラボ特集。

グラフィックボード(グラボ)

MSI VGAグラフィックカードRX 580 Armor 4 G OC

Ryzen登場以降、PCユーザーの自作熱は高まっています。

Ryzen5クラスでも、SSDを追加すればサクサク動くPCが作れることは、わかっているからです。

しかし、ここでひとつ問題があります。

それは、Ryzenが純然たるCPUであること、つまりグラボがないと稼動しないのです。

近年、特にAMDユーザーは、APUに慣れきっていました。

きっと、グラボ?

何それ状態の人もいるはずです。

また2017年6月には、VEGAのリリースを控えています。

このことも、今すぐRyzenで自作したい人にとっては悩ましいところです。

そんな方のために今回は、RadeonRX500系を特集してみました。

VEGAのスペックや価格が未発表な現状では、まずRadeonRX500シリーズを理解しておくことが重要です。

この記事を読んでグラボ選択の判断材料にしていただければ幸いです。



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RadeonRX500シリーズとは?

RadeonRX500シリーズは、RadeonRX400シリーズの後継です。

正直RadeonRX400系では、対抗であるNVIDIA GeForce1000系に対して力不足でした。

その問題を解決するため、AMDにより市場に投入されたのが、RadeonRX500シリーズです。

ここからは、RadeonRX500シリーズを各クラスにしたがって、説明していきましょう。



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RadeonRX550

MSI ショート基盤採用 グラフィックスカード RADEON RX 550 AERO ITX 2G OC

RX550は、RadeonRX500系のエントリーモデルです。

やはり消費電力の低さが最大の特徴でしょう。

TDPは、50Wとなっています。

アイドル時の消費電力は7Wという低さです。

当然、補助電源は必要ありません。

GPUコアは、Polaris12、製造プロセスは14nm、GDDR5メモリを2GB搭載しています。

また、AMDにしかない動画再生支援機能「Fluid Motion」にも対応しています。

動画再生には、全く問題ないGPUですが、ゲームに関しては、軽いネットゲームや旧式のゲームのみに対応といった感じです。

最大のネックは価格でしょうか。

価格が、10000~15000円前後というのはエントリークラスとしては、やや高い気がします。

競合するであろうNVIDIA GeForce 1030が、どの程度の価格で登場するかにもよりますが、もう少し安くなって欲しいところです。

そうはいっても、AMDRadeon特有の発色、アイドル時7Wという低消費電力、動画再生支援機能「Fluid Motion」にこだわる人にとっては、十分選択肢になり得るグラボです。

AMD Ryzen5 1400あたりと組み合わせれば、動画再生には全く不自由しない、かつライトなゲームを楽しめるコスパの高いPCを組むことができるでしょう。

RadeonRX 560

SAPPHIRE PULSE RADEON RX 560 2G GDDR5 OC グラフィックスボード VD6354 SA-RX560-2GD5OC001

RadeonRX 560は、RadeonRX500系のエントリーモデルです。

相対的位置づけは、NVIDIA GeForce 1050の対抗といったところでしょうか。

エントリーモデルとはいっても、RX550より上位モデルです。

RadeonR7 360と比較して、およそ2.5倍の性能UPを実現しています。

TDPは、75Wとなっており、補助電源の必要なモデルと不要なモデルがあります。

しかし、エントリーモデルで補助電源の必要な製品を選択する必要はないと思います。

GPUコアは、Polaris11、製造プロセスは14nmとなっており、GDDR5メモリを4GBもしくは2GB搭載したモデルが併存しています。

競合するNVIDIA GeForce 1050との比較では、ベンチマークテストでいささか劣ります。

ただ、ベンチマークテストで劣っても、それが体感できる遅さかといえば、それは別問題です。

当然、AMDにしかない動画再生支援機能「Fluid Motion」にも対応しています。

e-Sports系の軽いゲームやFF14のようなMMO RPG(多人数同時参加型オンラインRPG)にも対応可能です。

RX 560は、重いゲームはやらないが、動画視聴やe-Sports系、MMO RPGなどのゲームを楽しみたい人向けのグラボです。

価格は、16000~20000円前後となっています。

RadeonRX 570

SAPPHIRE NITRO+ RADEON RX 570 4G GDDR5 グラフィックスボード VD6322 SA-RX570-4GD5N+001

RadeonRX 570はいわゆるミドルレンジクラス向けのグラボです。

GPUコアは、Polaris 20、製造プロセスは14nm、GDDR5 メモリを4GB搭載しています。

消費電力は150wであり、補助電源は製品によって、6ピン×1+8ピン×1もしくは6ピン×1が必要です。

RX 570は、本格的にゲームを楽しみたい方、もしくは軽くVRを体験してみたい方におすすめのモデルです。

逆に、動画視聴だけなら完全にオーバースペックの製品でしょう。

価格は、25000円~30000円前後となっています。

RadeonRX 580

MSI VGAグラフィックカードRX 580 Armor 4 G OC

RX 580は、RX 480の後継となるモデルです。

GPUコアは、Polaris 20、製造プロセスは14nm、GDDR5 メモリ8GB搭載版と 4GB搭載版の2モデルがあります。

消費電力は185wとなっており、補助電源は製品により6ピン×1+8ピン×1もしくは8ピン×1が必要です。

RX 480の後継モデルでもあり、ゲーミングでも本格的なVRでも高いパフォーマンスを発揮してくれます。

それでありながら、実売価格は、35000円~40000円なので、かなりコスパの高いグラボといっていいでしょう。

RadeonRX500シリーズおすすめカード

最後にRadeonRX500系のグラボを紹介しておきましょう。

新規にRyzenで自作PCを組みたい方、もしくはグラボのアップグレードを考えている方は参考にしてください。

MSI RX 550VD6340

VD6340は、MSIのRX 550グラボです。

MSIらしいスタイリッシュなデザインのグラボですよね。

全長約155mmの省スペースモデルでコンパクトにまとまっています。

映像出力端子は、DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0b×1、DL-DVI-D×1の3端子を装備しています。

AMD Eyefinityテクノロジー(多画面出力機能)をサポートしているので、容易にマルチディスプレイを構成できます。

コンデンサには、フルロードで10年の寿命をもつ固体コンデンサを使用しています。

2GBのGDDR5メモリを搭載し、消費電力は50W、補助電源は不要で、外形寸法は、155×112×38mmのショートサイズとなっています。

価格も12000円前後とリーズナブルなので、RX 550シリーズでは、このグラボがベストチョイスかもしれません。

RadeonRX 560 4G GDDR5

RADEON RX 560 4G GDDR5は、SAPPHIREから発売されているRX560グラボです。

RX 560は、5月18日に解禁されたばかりのグラボなので、現状、SAPPHIREからしか発売されていません。

4GBのGDDR5メモリを搭載しており、補助電源不要の省電力設計です。

映像出力端子は、DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0b×1、DL-DVI-D×1を3基装備しています。

AMD Eyefinityテクノロジーをサポートしているので、マルチディスプレイ環境の構築も簡単にできます。

価格は1万6000円前後となっています。

RX 550では、少し物足りない人向けのグラボです。

MSI RX580 GAMING X 8G

MSI オリジナルのクーリングシステム「TWIN FROZR VI」を搭載したグラフィックスカードが、MSI RX 580 GAMING X 8Gです。

GDDR5メモリを8GB 搭載しています。

本格的なゲーミングやVR環境に対応しながら、価格は37000円前後とコストパフォーマンスの高い製品に仕上がっています。

映像出力端子は、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0b×2、DL-DVI-D×1の5基を搭載しています。

このグラボも、AMD Eyefinityテクノロジーをサポートしているので、容易にマルチディスプレイ環境を構築できます。

ちなみに、60℃以下の低負荷時には、ファンを停止させ騒音を低減する「Zero Frozr」機能を装備しています。

高性能でありながら、静音性や冷却性能にも配慮した、ハイレベルかつコスパの高いグラボと評価していいでしょう。

まとめ

以上、RX 500系をレビューしてきましたが、前述したように、RX 500シリーズは、RX 400シリーズのリフレッシュ版です。

すでにRX400系をもっている人が、無理してRX 500系を購入する必要はないでしょう。

ただし、Ryzenで新規に自作PCを組みたい人にとっては、魅力的なグラボです。

  1. 動画視聴とたまに軽いゲームを楽しみたい人は、RX550またはRX560
  2. 本格的にゲームを楽しみたいが予算に制限がある人は、RX 570
  3. 本格的なゲーミングやVRを楽しみたい人は、RX 580

を選択すればいいと思います。

ただし、2017年第二四半期まで(つまり今年6月まで)には、新アーキテクチャであるVEGAが登場すると言われています。

あくまで、推測の域を出ないのですが、VEGAが自作市場に投入されれば、グラボの勢力図は一新されるでしょう。

VEGAは、それくらいインパクトをもったアーキテクチャなのです。

とはいえ、いくら性能が良くても価格が高ければ購入するのは難しいですよね。

現状においては、とりあえずRX 500シリーズを購入しておき、タイミングをみてVEGAに乗り換えるのが賢明な判断なのかもしれません。