初心者ゲーマーがGeForceシリーズのグラボを選ぶ際に知っておきたい基礎知識8選

グラフィックボード(グラボ)

ZOTAC GeForce GTX TITAN X グラフィックスボード VD5715 ZT-90401-10P

NVIDIAがPCゲーマー向けに開発しているグラボ製品群はGeForceシリーズと呼ばれています。

このGeForceシリーズにはPCでゲームを楽しむユーザーに愛用されてきた長い歴史があります。

ここでは初めてGeForceを購入する初心者の方に役立つ基礎知識をまとめていますので、購入時の参考になさって下さい。



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グラボにはランクが存在する

まず基本中の基本の知識として、グラボには性能差があるという事を知る必要があります。

グラボの性能差は描画能力と直結し、プレイするゲームのフレームレートや出力するモニターの解像度などに影響します。

そしてその能力を見分ける指針としてPC業界でよく使われる言葉が「スペック」で、基本的にランク付けして用います。

標準的な描画能力を持ったグラボは「ミドルスペック」あるいは「ミドルクラス」と呼ばれ、その時期にリリースされたPCゲームのほとんどを快適な動作環境でプレイする事が出来る性能を有しています。

それよりも低価格で初心者でも気軽に入手し易いグラボは「ロースペック」と呼ばれる事が多く、一定時期までのゲームは設定次第でプレイする事が出来るものの、最新ゲームが登場すると要求するスペックに届かなくなってしまう傾向がある為、選ぶ際には注意が必要になります。

一方で最高の描画性能を誇るグラボは「ハイスペック」「ハイエンド」と称され、最新ゲームでも高いフレームレートを叩き出す事が出来るほか、4Kモニターでのゲーミングも難なくこなしてくれます。

このランク付けはNVIDIAと双璧を成すグラボメーカーであるAMDの製品にも当てはまるので、覚えておく事をおすすめします。



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ナンバリングの法則

NVIDIAのGeForceシリーズには数字でナンバリングされているという大きな特徴があり、毎年発表される新製品の番号は旧型よりも大きな数字になっていきます。

慣れてしまえば数字を見ただけでどのくらいの性能を有するグラボかおおよその見当がつきますが、初心者には分かり辛い部分があるかもしれません。

ではこのナンバリングについて説明します。

現時点でナンバリングされたデスクトップ向けGeForceシリーズの最高峰はGTX1080で、その一世代前はGTX980でした。

数字の十の位が「80」になっている物は、一般的にはハイスペックに分類されるグラボです。

そして数字が少なくなるほど、スペックが低くなっていきます。

シリーズ毎のスペックの見分け方

同時期に発売されたGeForceシリーズでスペックを見分けるためには、この数字の十の位に注目します。

GTX1080を例にとると、同時期にGTX1070が発売され、その後GTX1060とGTX1050が登場しました。

ここで十の位に注目すると、1000番台のGTXには4種類のグラボが存在している事が分かります。

先ほど「80」がハイスペックに相当すると言いましたが、この法則で考えると「70」から順に性能が低くなっていくと言う計算になります。

そして十の位が「50」番台であるGTX1050が、このシリーズ中で最も低いスペックのグラボという事になるのです。

法則は過去のシリーズでも共通

この法則はGTX1000番台シリーズの一世代前のシリーズであるGTX900番台にも共通しています。

このシリーズではGTX980がハイスペックのグラボとして位置づけられ、以下にGTX970、GTX960、GTX950と続きます。

ではその前はGTX880だと思いがちですが、何故か800番台のデスクトップPC向けGeForceシリーズは存在しません。

GTX980の一世代前に当たるデスクトップ向けグラボはGTX780になります。

ここでデスクトップPC向け、と書いたのには訳があります。

実はノートPC向けのGeForce製品にはGTX800番台のシリーズが存在するのです。

少しごちゃごちゃして話がややこしくなってきますね。

カタログを見ているとどれがどれだか分からなくなってしまいそうです。

でも、実は簡単にこの2製品を見分ける方法があるのです。

デスクトップPC向けとノートPC向けの見分け方

NVIDIAはデスクトップPC向けグラボとノートPC向けのグラボを区別する為に、アルファベットを用います。

ノートPC向けのGeForce製品の場合、大抵は番号の末尾に「M」というアルファベットが付きます。

「M」は「Mobile(モバイル)」の略です。

ただし最新製品のGTX1000番台においては「10シリーズ」と呼ばれ、末尾にMが付かなくなりました。

一見するとややこしく感じられますが、十の位でスペックを決めている法則はデスクトップ向けとノートPC向け両方に共通します。

この部分にさえ気を付けておけば、製品選びで迷う事は無くなります。

何故2種類に分かれているのか

ここでふと疑問が浮かぶ方もいるでしょう。

何故NVIDIAはデスクトップ向けとノートPC向けという2種類の製品を区別して開発しているのでしょうか。

その答えはパーツとPCケースの関係にあります。

ノートPCはデスクトップPCに比べてパーツを収納する面積が少ないという大きなハンデを抱えています。

一方でグラボを収納する為に設計されたPCケースは例外なくノートPCよりも広いパーツ収納面積を持っています。

デスクトップ向けのグラボを実際にご覧いただければお分かりになると思いますが、とても大きく、重いパーツです。

これを持ち運びに便利なノートPCに収納するにはちょっと無理があります。

さらに性能が良いグラボはその分稼働中に熱を発生させます。

ただでさえパーツがギュウギュウに押し込められたノートPCの空間にこのような発熱するパーツを入れてしまうと、ノートPC本体が危険にさらされてしまいます。

以上の点からもお分かりの通り、ノートPCに収まるサイズで、なおかつ熱をあまり発生させないタイプのグラボを開発する必要があったのです。

ただし「10」シリーズでは省電力設計の技術が進歩してデスクトップ向けとノートPC向けの壁がほぼ無くなっているので、近い将来には全てのノートPCとデスクトップで共通のグラボが利用出来るようになるのかもしれません。

アルファベットが示すもう一つの特徴

デスクトップPC向けとノートPC向けを区別するアルファベットについてはお分かりいただけたと思います。

ここではその他に用いられる事があるアルファベットについて解説していきます。

デスクトップ向けのGeForceシリーズには、実は発売後一定期間が経過してから登場する最上位機種が存在します。

GTX1080を例にとってみると、最近発売された最上位機種はGTX1080Tiとなります。

この「Ti」が付けられた製品は無印の製品に比べて何割かの性能向上が認められるのが特徴ですが、その分販売価格も上昇します。

「Ti」が発売されるのは無印の製品が市場に出回ってから半年以上後になる傾向が多いのですが、常にハイスペックなグラボを求めるユーザーの中には無印の製品には手を出さず、「Ti」が付く製品が発売されるまで待つ人もいます。

反対に「Ti」が登場すると無印の製品群が一斉に値下げを始めるので、あえてこの時期を待つという経済的なユーザーもいます。

いずれにせよ、「Ti」が付く製品が登場した段階でそのシリーズは終焉を迎える事になります。

異端児TITANという存在

ZOTAC GeForce GTX TITAN X グラフィックスボード VD5715 ZT-90401-10P

NVIDIAのGeForceシリーズには数字でナンバリングされていないちょっと異色なグラボが存在します。

それが「GTX TITAN」シリーズです。

一体何故このようなシリーズが誕生したのでしょうか。

実は初代GTX TITANの中身は、NVIDIAがアメリカのスーパーコンピューターの為に開発・提供したGPUだったのです。

しかしその演算力がゲーム用途においても高いポテンシャルを発揮する事が判明した為、GeForceシリーズに名を列ねる事になりました。

そしてその際、アメリカのスーパーコンピューターと同じ名前「TITAN」を冠する事になったのです。

TITANシリーズは現在までに何度かモデルチェンジを行ってきていますが、最近では「GeForce」というシリーズ名を外した「NVIDIA TITAN X」というモデルが発売されています。

ここにきて「GeForce」というシリーズ名を外したのは、このTITAN誕生の発端である「本来はゲーミング用途として開発されていなかった」という原点に立ち返ったからなのですが、それでもゲーミング目的で使用した際にはモンスター級のグラボである事実に変わりはなく、GTX1080Tiとほぼ同性能である事が立証されています。

ちなみにNVIDIAは「NVIDIA TITAN X」のリファレンスカードを黒いボディで統一しています。

リファレンスカードはシルバーを基調とする事が通例なので、ここにも製品の差別化を図りたいNVIDIAの意思表示が見て取れます。

まとめ

GeForceシリーズはゲームメーカーとの協力関係の元で開発される事が多いので、常に最新のゲームに対応したドライバーが提供されます。

これはPCゲーマーにとって非常に大事な要素です。

ドライバー・アップデート対応は過去に販売されたGeForceシリーズにも適応できる事が多いので、一世代前のGeForceシリーズを持っていてる人も安心して使用し続ける事が出来ます。

あなたもお気に入りのGeForceシリーズのグラボを見つけて下さい。