RTX2080を搭載したグラフィックボードの違いとそれぞれの特徴
RTX2080が発売されてから時間が経つことで段々と様々なカードベンダーから製品が発売されるようになりました。
ですが、グラフィックボードを選ぶ際に迷うのは、どれを買ったら良いのかいまいち分からないところです。
同じRTX2080を搭載しているのですから何を手に入れても間違い無さそうに思えるかもしれません。
そこで今回は主な相違点と色々なRTX2080を搭載したグラフィックボードについてみていきましょう。
目次
違いは性能以外のところにあり
RTX2080を搭載したグラフィックボードは性能自体にそこまで差はありません。
それこそ冒頭で述べたように同じRTX2080というチップを搭載しているわけですから、むしろ性能に違いがあっては困るわけです。
ではどれを買っても変わらないのかというとそうではありません。
まず映像の出力端子の数が異なります。
現在主に使われている出力端子のタイプとしては「HDMI・DisplayPort・USB Type-C」の3つがある形です。
この数がカードによって異なっていたりします。
基本的には「HDMIx1・DisplayPortx3・USB Type-Cx1」という組み合わせのものが多い状況です。
ただ値段の張るものになると「HDMIx3・DisplayPortx3・USB Type-Cx1」というものも存在しています。
マルチディスプレイ環境の方は特に出力端子の種類と数には気をつけると良いでしょう。
それから補助電源の数もチェックしておかなければなりません。
補助電源はマザーボードから供給される電気のほかにグラフィックボードへ別途電源ユニットから取り付ける電源となります。
このコネクタの形状と数を満たすことができなければグラフィックボードが接続できないので真っ先に確認しておきたい要素といえるかもしれません。
RTX2080の場合、補助電源のコネクタとしては「6ピンx1・8ピンx1」か「8ピンx2」のいずれかになります。
きちんと購入する前に電源ユニットにこれらのコネクタが存在するか確認しておくことをおすすめします。
もし電源ユニットのコネクタが不足しているなら電源ユニットも買い換えると良いでしょう。
ピン数を変換するパーツも存在していますが、一つ間違えれば火災にもなりかねないので買い替えが無難です。
グラフィックボードのサイズにも注意が必要です。
そもそも物理的に取り付けができなければパーツとして運用することができません。
また微妙に大きい場合には、無理やりパソコンの中に入れようとしてマザーボードを破損させる可能性もあります。
サイズが問題となるのは主にパソコンケースの大きさです。
ミドルタワー以上であれば特に問題になることはないでしょう。
ミニタワー以下のケースを使っている場合は気をつける必要があります。
なお小さいケース用のグラフィックボードとして「ロープロファイル」というものが販売されています。
これは単にサイズの小さなグラフィックボードを意味する製品タイプです。
もちろんRTX2080にもロープロファイルに対応したものは存在します。
最後に冷却性能についても確認しておきましょう。
グラフィックボードにはチップのほかに、それを冷ますためのGPUクーラーが取り付けられています。
特に発熱しやすいパーツなのでできるだけ冷却しておきたいところです。
ただ冷却性能は目で見て分かるものでもないので判断が難しいといえます。
分かりやすい例としては「ファンが2個ついているもの」と「ファンが3個ついているもの」で区別できる形です。
冷却性能を重視する際はファン3個つきのものを手に入れると良いでしょう。
性能自体はそこまで変わらない
色んな違いについてみてきましたが、どのグラフィックボードもRTX2080を搭載している以上、性能自体はあまり変わりません。
メモリの種類や量も一緒ですしチップも同じなのですから当たり前のことといえば当たり前です。
それよりも上で述べたように「出力端子の数・電源コネクタのタイプ・サイズ・冷却性能」に注目して選んでいきましょう。
基本となる「NVIDIA GeForce RTX 2080 Founders Edition」
これはRTX2080を手がけるNVIDIA自身が手がけるグラフィックボードとなります。
いわゆる純正品といえるでしょう。
RTX2080の基本となる製品です。
第三者であるカードベンダーの手によらない、正当な製品が欲しい方におすすめします。
性能は標準的で特殊な機構も特にないためクセのない運用をすることができるでしょう。
ただ価格は必ずしも安いとは限りません。
なお重量は454gです。
定番の「MSI GeForce RTX 2080 GAMING X TRIO VD6723」
MSIはグラフィックボードとマザーボードを手がける企業として良く知られています。
ちなみに他にもこの2つの分野を兼任している企業はいくつも存在していたりします。
3つのファンを備えた大型のグラフィックボードで、冷却機能が期待できる製品です。
メーカーもMSIという信頼できるところなので初期不良でもない限り素直に動いてくれるでしょう。
名前の通りゲームに適したグラフィックボードともいえます。
ただ1.55Kgと重めです。
こちらも定番の「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 AMP Edition」
ZOTACもMSIと同じくグラフィックボードとマザーボードを開発している企業です。
信頼性でいえば同じぐらいと考えて良いかもしれません。
パソコンの自作やBTOを利用している方にとっては良く見るメーカーの1つです。
こちらもMSIのものと同様、3連ファンを備えていますが重量はより重くなっています。
MSIが1.55Kgに対しZOTACは2.25Kgという形です。
GPUファンや放熱するために取り付けられているヒートシンク(放熱板)の違いがこうした差を生んでいるのでしょう。
OCモデルの「ASUS ROG-STRIX-RTX2080-O8G-GAMING」
これはPCおよびPC周辺機器を手広く扱っているASUSの製品です。
強い負荷をかけて性能を向上させるオーバークロックに対応している点が特徴的といえます。
そしてその重量はわずか653gとかなり軽く仕上がっている形です。
マザーボードにかかる重量による負荷が怖いならこの製品を選ぶ価値はあります。
ただ軽いため冷却性能が低い(冷却に使われるパーツが少ない)と考えるなら一考の余地があるかもしれません。
気分はプロ「玄人志向 GALAKURO 8GBモデル GK-RTX2080-E8GB/WHITE」
サポートが簡素な分、価格を抑えることで知られる玄人志向のモデルです。
まず見た目からして他のグラフィックボードとは少し異なります。
カラーリングがホワイトでファンにはライティング機能のあるものを取り付けている形です。
パソコンのケースにクリアな側壁などを使っている場合は使ってみると面白いかもしれません。
内部で光り輝くグラフィックボードを思う存分観察することができます。
なお重量は1.78Kgと重めです。
重いグラボを支える「ブレースサポート」
グラフィックボードの重量はマザーボードの耐久性を考える上で懸念される要素です。
長い期間にわたって数Kgの重量が加えられ続けるわけですから場合によってはマザーが変形してしまう恐れもあります。
そんな恐れを解消してくれるのがいわゆる「つっぱり棒」や「ささえ」というパーツです。
このブレースサポートはグラフィックボードをしっかりと支えてくれるため、マザーボードの負担を軽減してくれます。
重いタイプのRTX2080を装着するときには一緒に手に入れておくと良いでしょう。
まとめ
カードベンダーによるグラフィックボードの違いや各社がリリースしているRTX2080搭載ボードについてみてきました。
いずれも同じような性能をしていますが、電源コネクタの形状と数、出力端子の種類と数、サイズや重さなど色々な点で異なります。
自分の環境に合わせて選ぶと良いでしょう。
また近年のグラフィックボードは特に重いものが多くなりました。
必要に合わせて「つっぱり棒」や「ささえ」なども導入することをおすすめします。