グラフィックボードのUSB接続の可能性について
デスクトップパソコンで、高画質なネット動画の視聴や3Dグラフィックゲームのプレイ、そしてデジタルハイビジョン動画の編集をされるユーザーにとって、グラフィックボードの増設は重要です。
しかし、ノートパソコンで高画質なネット動画の視聴までは可能なものの、ゲームや動画編集は性能的に厳しいです。
本当にノートパソコンにグラフィックボードを接続できないのでしょうか?USB端子による接続可否について考えたいと思います。
USB3.0なら可能か?
基本的にグラフィックボードの増設には、マザーボードに搭載されるスロットを使用します。
ノートパソコンのマザーボードは拡張性を考慮していないため、グラフィックボードをマザーボードに後付けするのは不可能です。
しかし、本当にノートパソコンにはグラフィックボードの後付けは不可能なのでしょうか?実際に、USB端子での後付けは不可能ではないと思います。
現在主流のUSB規格は、USB3.0です。
データ転送速度は、5120Mbpsとなります。
現在、グラフィックボードに使用されるインターフェースはPCI-Express3.0だと考えます。
このPCI-Expressのデータ通信速度は、2.0Gbyte/secです。
USB3.0のデータ転送速度をPCI-Expressのデータ通信速度に換算した場合、640Mbyte/secとなり、2世代前のPCI-Express1.0程度のデータ通信が可能と推測出来ます。
また、PCI-Express以前のAGP規格であっても、AGP×2(533Mbyte/sec)とUSB3.0でもある程度のデータ転送が可能なため、グラフィックボードを使用することが可能です。
USB端子とグラフィックボードを接続するキット
実際に、インターネット通販にはUSB端子とグラフィックボードを接続するキットが販売されています。
使用した方のレビューやグラフィックボードの仕様を確認する限り、USBによるデータ転送容量のオーバーや補助電源の確保不足が見受けられます。
また、大手メーカーのIntelが昨年8月に外付けグラフィックボードを発表しています。
発表したものの市場投入は未だされていませんが、USB端子による接続は可能ということになります。
そこでノートパソコンにグラフィックボードを外付けする条件を調査するとやはり、データ転送速度と補助電源が問題です。
高画質な動画視聴やある程度の3Dグラフィックゲームであれば、USB3.0のデータ転送能力で十分です。
また、USB端子自体の電力供給能力は低いので、中古品の電源ユニットを流用します。
データ転送速度の上限を越えず、補助電源さえ確保すれば、ノートパソコンでも画像処理能力を確保することが可能だと思います。
USB3.1ならPCI-Express2.0とほぼ同等
しかし、ノートパソコンの場合は外部にグラフィックボードを設けたとしても、基本的なデータ処理はマザーボードのCPUとメモリに依存します。
グラフィックボードを外付けしたとしても、この2点は能力アップすることをおすすめします。
USB3.0程度のデータ転送能力があれば、3Dグラフィックがバリバリのネットゲームでなければ動作は可能だと思います。
実際に、AGP×2が登場した時代でも軽い3Dゲームがあり問題なく動作はしていました。
現在のネットゲームは、推奨環境が非常に高すぎるものと考えます。
現在はUSB3.0が主流ですがUSB3.1が存在します。
データ転送速度は事実上2倍になり、PCI-Express2.0とほぼ同等の性能になります。
このUSB規格が一般化すれば、外付けグラフィックボードの実現性は拡大すると思います。
まとめ
筆者自身、ノートパソコンを使用しており、グラフィックボードをUSBで外付け出来ないか検討したことがあります。
しかし、現在のところはUSB3.1が一般仕様化される、またはそれ以上のUSB規格が登場することを望んでいます。
実際に、USB3.0でPCI-Express1.0のデータ通信速度が可能なのは驚きです。
拡張スロットとUSB端子では大きさが違い過ぎます。
今後、USB端子による外付けグラフィックボードは実現されるものと考えます