ゲーマーや自作PCヤーへ…マイニングと「古いグラボ」の需要

グラフィックボード(グラボ)

先日、中国で仮想通貨市場が閉められるというニュースで持ちきりになりました。

そのあおりを受けて、ビットコインなどのレートが軒並み下がり、投資家たちは大打撃を受けたのだとか。

しかし、マイニングによって一儲けしようとする人は後を絶たず、その影響でグラボを含む高パフォーマンスなパソコンパーツの売れ行きが好調です。



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マイニングとパソコンパーツ

ビットコインが流通し始めた頃こそは、家庭用・ネットサーフィンができる程度のPCでもマイニングは容易でしたが…。

結論から言うと、ゲーマー向けのマシンを本格的に何台も稼働させないと、儲からないという仕組みになっています。

マイニング事情は大きく変わりつつある

上述の通り、仮想通貨の構想が生まれた時と今とでは、大きく事情が異なります。

ズバリ言ってしまうと、マイニングは「早い者勝ち」。

そのあたりの事情はちょっとわからない…という人向けに解説すると、マイニング(発掘)とは、一般の家庭にあるマシンのパワーを使って仮想通貨を発行・その送金の際の手数料を自分のポケットに入れる仕組みです。

通貨の流通数が少なかったころは、この手数料も高く、参入するのが早ければ早いほど儲かる仕組みでした。

しかし今では、ビットコインなどがすっかり有名になり、マイナー(発掘者)としてデビューする人が大勢います。

手数料も下がりますし、より利益を出すには、本格的なマシン稼働施設が必要です。

それにとどまらず、大量のマシンを稼働させるということは、それだけコストもかかります。

●コンピュータの本体購入費・維持費・電気料金特に一番最後に挙げた点が問題で、電気料金の安い海外にマイニング施設を作る人が多いようです。

具体的に言うと中国が代表的で、通貨の流通も、中国・日本を中心とするアジア圏がもっとも多かったんですね。

ところが、この状況を危険視した中国が、仮想通貨市場の締め出しをはじめました。

マイナーにとっては一見関係のないことのように思えましたが、仮想通貨発行だけで生活している人は少なくないのです…。

今後、マイニング施設の締め出しも考えられるようになり、海外へと出ていく人も多くいます。

マイナーに中古グラボが人気の理由

前置きはこの程度にしておいて、マイナーが必要とするパソコンパーツとは何でしょうか?

キモとなるのは、消費電力です。

電力消費次第で利益が変わってくるので、省エネ問題は大きな課題なんですね。

そこでポイントとなるパソコンパーツが、

  • 電源
  • グラボ
  • CPU

これらになります。

近年モデルのCPUは電力消費がかなり抑えられており、課題は解決に向かっていますが、グラボだけはそうはいきません。

マイニングを実際に動かしてみると、存外にグラボパワーが必要になってくるのですが、単にハイスペックなモデルを選ぶと「大損」することも。

そこでマイナーたちは、GPU性能と電力消費のバランスに注視して、グラボを選んでいます。



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ゲーマーとグラボのコスト

ゲーマーの皆さんなら、なんとなくわかると思いますが…。

コアなかたほど自作PCで、かつグラボの買い替えが多いのではないでしょうか。

余ったグラボを処分せずにサブマシンに流用したり、今使っているグラボに何か異常が起きた場合の対処用としてとっておいたりする人も多いようです。

そうこうしているうちに古くなってしまい、「中古で処分してもそんなに値段はつかないだろう」と諦めて捨ててしまったりしませんか?

実はこれ、かなりもったいないことなんです。

買い替え周期はどのくらい?

筆者がガチガチのネットゲーマーだったとき、2~3年手周期でグラボを買い替えるのが習慣でした。

周囲のプレイヤーもわりとそういった傾向でしたし、新製品の発売サイクルとも合うのではないでしょうか。

というよりも、そのくらいの周期で売却・新製品の購入をしたほうが「なんだかんだでコストは安く上がる」と思い込んでいました。

ところが、どうやらその限りではないようです。

そのグラボ、無駄になってませんか?

ゲーマーに人気のGTXシリーズでお話してみましょう。

このシリーズ、マイナーにも大人気です。

バランスのいいGPU性能と省電力性で高い支持を得ているのですね。

後者に挙げた「省電力性」でお話を進めると、比較的電力消費が激しいモデルと、そうではないモデルとがあります。

例えばGTX500番台ですが、このあたりは消費電力の問題がまだまだ未解決で、電源もそれなりのものが必要となるシリーズです。

しかしミドルモデルものは性能と省エネ性のバランスが良く、大量のマシンを稼働させるマイナーには人気です。

本格的に電力消費の問題が解決されたのは、600番台のハイモデル。

ここがマイナー需要の一番高いところです。

現行の1000番台への買い替えで中古市場に流れやすいわりには、なかなか値段が下がりません。

900番台の処分を迷っていらっしゃるかたも、オークションなどで売れ行きを確認してみていただいてはいかがでしょうか。

グラボの価値がどんどん落ちているというのは錯覚で、実は古いものにこそ価値を見出されることだってあるのです。

おすすめのグラボの売り方

マイナーはどこでグラボを探しているのでしょうか?

筆者の知人でマイニングをしている人は、最近の主流はメルカリだと言っていました。

高く売るならヤフーオークションですが、取引するまでの登録手続きが煩雑なので、不人気だそうです。

筆者のご提案としては、メルカリなどで「マイナー向け」と明記してみてもいいのではないでしょうか。

古いグラボを処分する際、逆におすすめしないのは、ソフマップやハードオフなどでの処分です。

大手家電店では、あくまでも「一般的なユーザー」を購買層として想定しているので、マイナーの需要にはまだまだ鈍感です。

あくまでも「どのくらい古いか」「使用感」などの要素で価値を決めてしまうので、古いパーツを持て余している人の想定通りの結果で終わってしまうことが多いのです。

英語が多少できるようであれば、e-bayなどでの取引も大変おすすめしたいところです。

中国人マイナーが多く、型の古いグラボでもすぐに食いついてくれます。

日本からの取引だと安心してくれる側面もあるので、「売りやすい」市場でもあります。

自分でマイニングをやってみる?

最後に考えられるのが、「自分でマイニングをしてみる」ということ。

筆者が様々なメディアを見てきた上での感想ですが、日本ではちょっと不向きかもしれません。

第一に、電気料金が高いこと…。

現に、日本国内でマイニング施設を整える人は減少の一途をたどっているのだとか。

もう一つの理由が、マイニングでしっかりと利益を出すには、それなりの台数のマシンとそれを稼働させる施設・熱対策などが必要であることです。

特に最後の熱対策という点についてですが、日本の気候では少し不向きかもしれません。

国内でやっておられるかたによると、冬ですら空調をいれているという話すらあります。

そんなわけで、自分でマイニングをしよう!

と考えるのは、少しハードルの高いことかもしれませんね。

まとめ

マイニングの簡単な解説と、古いグラボでも意外なところに需要があるというお話をさせていただきました。

これからはレスキャッシュ(現金を減らして仮想・電子通貨をメインストリームとする)構想の時代とも呼ばれており、その影響で、個人がパソコンパーツを安く・長く使いたいという需要も高まってきています。

パーツの買い替え周期に振り回されたくない方・ご自宅に文鎮としてグラボが残っている方、なんとか高く売ってみませんか?