マザーボードをなるべく安く交換する方法
パソコンも購入後何年かすると、あれこれと変えたいところが出てきます。
あのインターフェースが欲しいとか、グラフィック機能が貧弱...など、思うことがありませんか?
こうなってくると、そろそろ買い替え時?
と思うのですが、お財布の中身が寂しくて、新調するのは難しい...なんてこともあります。
でも、部分的にパーツを入れ替えることで、安価にもう少し長く使えるようにすることが可能です。
今回はマザーボードの交換に必要な費用に焦点を当てて、安価にできる方法をいくつか紹介します。
目次
パーツ交換は自作パソコンの強み
マザーボードの交換とその費用がテーマということで、今回は自作のデスクトップパソコンに限定した内容となります。
逆に言うと、これが自作パソコンの強みですね。
自作パソコンではマザーボードすらも交換したいと思ったら、自分でやれてしまいます。
メーカーのパソコンやノートパソコンではこうはいきません。
安価に交換したいけど...!
資金も限られていますので、なるべく安価に交換したいところです。
しかし残念ながら、今普通にマザーボードの交換をすると、余分にお金がかかってしまいます。
というのも、現在インテルの最も新しいCPU「skylake」は、それまでのCPUとソケット形状が異なります。
このため、マザーボードの交換にはCPUの交換も必要になります。
例えば、ミドルレンジのマザーボードは約1万円、CPUはインテルコアi5が約2万円だとして、合計約3万円です。
CPUを交換しないなら、約1万円で済むので、この違いは結構大きいです。
しかし、CPUも一緒に交換しますので、とりあえず動作は速くなります。
全て新調しようとすると、3万円の倍以上の費用がかかりますので、安いと見ることもできます。
マザーボードの交換は確認事項が多い
前項でマザーボードとCPUだけを交換するなら、新調するよりも安価にグレードアップできることがわかりました。
しかし一方で、マザーボードの交換は確認事項が非常に多く、正直面倒でもあります。
なぜなら、マザーボードには全てのパーツがつながっています。
それらを別のマザーボードにつなげても問題ないか、一つずつチェックしていく必要がある訳です。
CPUのソケット形状やチップセット、フォームファクタ、電源容量、電源ケーブルの数、メモリの種類とスロット数、ビデオカード、拡張カード、ストレージ、光学ドライブ...本当にたくさんあります。
それぞれの規格について知識がないと、チェック作業はなかなか骨が折れます。
しかし、これをしっかりやらないと、最悪動作しません。
それでも、苦労して作業するのも、個人的には自作パソコンの楽しみの一つだと思います。
メモリも交換する必要がある
交換するマザーボードによっては、メモリも交換する必要があります。
今までの主流はDDR3という規格でしたが、現在はDDR4になろうとしています。
価格は16GBで7,000円程度です。
ですので、メモリの費用も入れると、構成にもよりますが、予算総額が4~3.5万円弱といった感じになります。
ここまで予算があるのなら、上手く探せばアウトレットや型落ちで新品が買える可能性もあります。
用途にもよりますが、使いつぶすつもりで使うなら、こういった選択もおすすめです。
安くグレードアップするには
予算4万円は厳しい、ということもあるでしょう。
そんな場合、さらに安くする方法がない訳ではありません。
以下の三つの方法があります。
1.CPUとマザーボードのグレードを下げて新品で買う。
2.ソケット形状が変わる直前のマザーボードを中古で買う。
3.アウトレットでマザーボードを買う。
いずれも今使っているパーツで使いまわせるところは使いまわして、CPUとマザーボードだけ(場合によっては、マザーボードだけ)を交換します。
1は新品なので、保証がしっかりしており安心です。
しかし、スペックは下がるので、使用目的によっては難しい選択です。
2は今使っているパソコンとソケット形状が同じなので、CPUがそのまま使いまわせます。
予算的には最も安いです。
しかし、中古なので保証期間が短く、サポートもほとんど期待できません。
さらに、一度すでに使用されているものなので、消耗具合にバラつきがあります。
この点は、買うまでわかりませんので、ある意味バクチじみたところがあります。
3は稀にパソコン専門店やメーカーがアウトレットとしてマザーボードを安く放出することがあるので、それを買う方法です。
これなら箱がつぶれてたりする程度で、中身は新品です。
上手く見つかれば、半額で買えることもあります。
ただし、保証期間が通常よりも短くなっていることがあるので、注意しましょう。
また、CPUはマザーボードの対応ソケット形状に合わせてそのまま既存のものを使うか、交換するか、判断が分かれます。
構成例1:グレードを下げて新品を買う
例えば、CPUはインテルのコアi5を使っていたのを、i3に変更します。
さらに、マザーボードは一般向けのH87からビジネス向けのB150にし、フォームファクタもATXからM-ATXにすることで、コストダウンを図ります。
おおよその価格は、以下の通りです。
CPU
インテルコアi5 約20,000円 → i3 約13,000円
マザーボード
H87 ATX 約12,000円(購入当時) → B150 M-ATX 約8,000円
これでCPUが約7,000円、マザーボードが4,000円安くなります。
合計11,000円のコストダウンです。
とはいえ、グレードアップなのに、グレードダウンしてしまうので、そこに納得がいかない人もいるかもしれません。
しかし、最近のCPUには世代が変わっても、大幅な性能差はないと言われています。
違うのは、消費電力や発熱量といった省エネ的な部分ぐらいです。
構成例2:ソケット形状が変わる直前のマザーボードを中古で買う
例えば、3年ぐらい前に買ったパソコンで、H87チップセット搭載のマザーボードを使っているとしましょう。
その場合、その後に出たZ97のマザーボードを中古で購入します。
Z97は、skylake登場直前のソケット形状が変わる前のチップセットです。
中古のZ97搭載マザーボードの相場は大体20,000円ぐらいします。
探せば、もっと安いのもあるかもしれません。
Z97は、本当につい最近まで主流だったチップセットですので、規格的に古臭い部分がそんなにありません。
Z97の後続であるZ170との違いは、PCI Expressが2.0か3.0かということぐらいです。
今回はグラフィック周りを既存のまま使い回しますので、特に規格にこだわる必要がありません。
CPUは既存のものを使いまわせますので、予算的には最も安価です。
マザーボードのメーカーについて
マザーボードは、メーカーごとに販売価格に差があります。
比較的高めなのがASUSで、安いのはAsrockやMSIです。
この価格差は特に中古で顕著です。
ASUSは自作向けマザーボードではトップメーカーです。
日本語マニュアルや取り付けやすい独自のコネクタなどがあり、初心者でも扱いやすく、おすすめです。
一方、AsrockやMSIは、メーカーパソコンのOEMを作っていたり、実績はあるのですが、個人的に何台か自作した経験から言うと、ASUSに比べてトラブルの頻度が高いです。
とはいえ、確率の問題なので、根拠は何もありませんが...後は安価なものほど、マニュアルが日本語化されてなくて、英語だけのものが多いです。
まとめ
マザーボードやCPUの交換のタイミングは、使う目的によって異なります。
例えば、ゲームや映像、3DCGなど、ハイスペックな動作要件が必要な作業をする場合は、交換サイクルは短めです。
一方、ネットサーフィンとメール、SNS、文書作成程度の用途なら、5年前のコアi5搭載パソコンでも意外に使えます。
システムディスクをSSDにして、メモリを載せられるだけ載せてあると、余裕です。
こうして使える期間を延長しつつ、その間に資金を貯めて、次のパソコンを新品で買うのも、アリだと思います。