徹底検証!Pascal世代のローエンド向けグラフィックボードGeForceGT 1030は、どこまで使えるのか?

グラフィックボード(グラボ)

玄人志向 ビデオカード GEFORCE GT 1030搭載 GF-GT1030-E2GB/LP

Pascalアーキテクチャのローエンド向けグラフィックボード「NVIDIA GeForce GT1030」が、2017年5月17日に正式発表されました。

NVIDIAのローエンド向けグラボは、2世代前の「Kepler」が未だに現役でした。

例えば市場に流通している「GT710」や「GT730」が、Kepler世代のグラボです。

つまりGT1030の登場で、ローエンド向けグラボのラインナップが一新されることになったわけです。

今回は、Pascal世代のローエンド向けグラボ「GeForce GT1030」の実力を、あなたに紹介しましょう。



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GeForceGT 1030の基本スペック

まず、GeForceGT 1030の基本的なスペックを紹介しておきましょう。

GPUコアは、GP108-300です。

GPUベースクロックは1227 MHz、ブーストクロックは1468 MHzとなっています。

ベンダーによっては、コア周波数を若干引き上げているモデルもあります。

TDPは、30Wという低消費電力です。

当然、補助電源は不要です。

前世代のKepler世代グラフィックボード「GT730」と比較すると、およそ3倍の性能UPを実現しています。



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GT 1030の映像出力能力はどれくらいなのか?

GT 1030グラボは、DisplayPort 1.4もしくはHDMI 2.0bを装備しており、4K出力をサポートしています。

ただし4K×2画面出力に対応するのは、DisplayPort 1.4、HDMI 2.0bの両端子を備えているモデルに限ります。

ローエンドモデルとはいえ、高解像度の動画視聴に全く問題はありません。

GT 1030のゲーミング能力はどれくらいなのか?

4K環境の対応に問題がない以上、後はどの程度ゲームで使えるのかが問題となります。

今回は、比較的軽くて国内で人気があるネットゲームをどれくらい動かせるか、検証してみました。

ドラゴンクエストⅩ

フルスクリーンのフルHD最高画質でなら、「すごく快適」に遊ぶことができます。

フルスクリーンの4K解像度なら「普通」の評価です。

設定や解像度を下げることで、快適に動作します。

ファンタシースターオンライン2

ドラゴンクエストと並ぶ人気を誇るオンラインゲームが、「PSO2」(ファンタシースターオンライン2)です。

ゲームレベルの難易度は低めで、気軽に遊べる国内オンラインゲームです。

自由度の高いキャラクター設定やレアアイテムの収集が、魅力的なゲームとなっています。

GT1030では、フルHDで最高設定の「6」にしても、「快適」に遊べるという判定が出ました。

ウィッチャー3

「ウィッチャー3」といえば、現時点で最高のオープンワールドRPGです。

PS4を買ったけど、どんなゲームをすればいいか悩んだら「ウィッチャー3」を選べばいい、と言われる程のゲームです。

Kepler世代の「GT 730」では、プレイすることすら難しいゲームタイトルでした。

GT1030では「低」設定にすれば、平均30FPSで遊ぶことが出来ました。

画質設定を「低」にしても十分鑑賞に耐えられるレベルです。

ライトニングリターンズFINALFANTASY13

言わずと知れたFINAL FANTASYシリーズにおける「ライトニングサーガ」の最終章です。

4つの大陸を舞台に物語が進んで行きます。

PS 3世代のゲームですが、GT1030では高画質の60フレームでプレイできます。

GT1030のゲーミング能力評価

ローエンド向けとはいえ、さすがにPascal世代のグラボです。

PS3世代のゲームであれば高画質の60フレームを基準にしてプレイする事が出来そうです。

PS4世代のゲームは、画質を変更する事で30フレームでのプレイも可能です。

結論としては、PS3世代のゲームであれば高画質かつフレームレートを落とさずプレイすることができます。

PS4世代のゲームでも画質を調整することによって、30フレームでのプレイも不可能ではない、といったところです。

とはいえ、本来のゲーム目的であればGTX1050以上を選択すべきでしょう。

対抗となるAMDRadeon RX550との比較

ここで気になるのが、AMDのローエンド向けグラボである「Radeon RX550」との比較でしょう。

消費電力ではGT1030が30W、RX550が50Wと、GT1030の圧勝です。

電気代のようなランニングコストにこだわる人にとって、この差は重要なポイントですよね。

それでいて各種ベンチマークでは、RX550と遜色のない数値を叩き出しています。

価格の面では、GT1030が1万円前後、Radeon RX550が1万円から1万5千円前後と幅がありますが、全体的な金額でもGT1030が、お得になっています。

こうしてみると、NVIDIAとAMDのローエンド向けグラボ競争は、NVIDIAGeForce GT 1030の圧勝のように思えます。

しかし、Radeon RX550は、映像出力端子を3基備えるグラボが多く、メモリも4GB搭載したモデルがあります。

またRX550は、AMDにしかない機能「Fluid Motion」にも対応しているため、ローエンド向けグラボは、単純にGT 1030一択というわけではありません。

特に、古くからの自作ユーザーには、AMD特有の発色を好む人も多いです。

結局のところ、ローエンド向けグラボの選択は、ユーザーが何を重視するかで大きく変わってきそうです。

おすすめGeForce GT1030グラボはコレだ

デュアルディスプレイを構築する場合は、映像出力端子がディスプレイ入力に対応しているかどうか注意してください。

また、ここで紹介するグラボは、映像出力端子を2基しか装備していません。

トリプルディスプレイを構築する場合は、さらなるグラボの増設などが必要となるので気をつけましょう。

MSIGT10302GLPOCVD6348

MSIのLow Profile対応GT1030グラボです。

映像出力端子はDisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0b×1の2基を搭載しています。

長寿命のアルミ固体コンデンサを使用している点は、好感が持てます。

ドライバの自動更新やワンクリックでゲーム設定をPCに最適化できる機能も搭載しており、使い勝手のいいグラボに仕上がっています。

実売価格は10000円前後です。

GIGABYTEGV-N1030D5-2GL

GIGABYTE社製のLow Profile対応かつシングルスロット仕様のグラボです。

ボードの全長は、150mmとなっています。

定格動作となる「Gaming」モード時は1468MHzで、高クロック動作の「OC」時は、1506MHzで動作します。

映像出力端子は、HDMI2.0b x1、DVI-D x1となっています。

高品質のコンデンサやチョークコイルを使用しており、高い耐久性を実現しています。

実売価格は、11000円前後です。

GF-GT1030-E2GB/LP

玄人志向 ビデオカード GEFORCE GT 1030搭載 GF-GT1030-E2GB/LP

玄人志向のLow Profile対応、シングルスロット仕様のGT1030グラボです。

若干、動作クロックを引き上げてあります。

GPUベースクロックは1252MHz、ブーストクロックは1506MHzとなっています。

映像出力端子は、HDMI 2.0b×1、DVI-D×1です。

実売価格は、11000円前後となっています。

GT 1030は、どんな人向けのグラボなのか?

まず、ターゲットになるのは、GPUを内蔵してないライトゲーマー層のRyzenユーザーだと思います。

また、今後インテルから市場に投入されるといわれている、10Wの低消費電力版CPU ”Gemini Lake” ユーザーもターゲットになるでしょう。

どちらにしろ、今後GT 1030が、ローエンド市場向けグラボのメインストリームになることは間違いないでしょう。

まとめ

GT 1030は、ローエンド向けグラフィックボードとはいえ、4K動画視聴、軽いネットゲームも遊べるコスパに優れたグラボです。

一方、ネット通販では、未だにKepler世代のGT730が、5000円~8000円前後で売られています。

GT 1030の存在を知らなければ、2世代前のGT730を購入してしまう人も多いでしょう。

しかし、GT730とGT 1030の間には、およそ3倍程度の性能差があります。

総合的に考えれば、GT 1030を選択したほうが、確実に幸せになれますよね。

この記事を参考にして、あなたにとってベストなグラボを選択してください。