Socket AM4対応の新APUが登場した今考えるおすすめのAM4マザーボードはどれ?
9月の頭にこれまで組み込み系をメインに流通していた、第7世代APU「Bristol Ridge」が自作向けとして発売されました。
今回はCPUやAPUのバリエーションが徐々に増えて来た事で選択肢が広がりつつあり、なおかつ対応したマザーボード自体の数、種類もかなり充実してきている、Socket AM4に対応しているマザーボードのおすすめについてなどをまとめました。
目次
Bristol Ridgeってどうなの?
旧シリーズとの違いとしては、まず対応ソケットがRyzenと同規格であるSocket AM4に改められ、使用可能なメモリもDDR4になっている点があります。
そのため、これまでAPUで使用していたマザーボードやメモリは使えなくなっています。
9月頭に日本国内向けに発売されたBristol Ridgeは「A12-9800E」と「A10-9700E」の2モデルとなっています。
いずれも消費電力は35Wと控えめですが、性能面では旧シリーズの上位モデル並みの性能を発揮するなど、かなり進歩しています。
また、メモリがDDR4に対応したことでメモリの性能の高さがグラフィック性能に直結する統合グラフィックの性能も向上しています。
価格や性能などを含めて考えると、あくまでも10,000~15,000円台のAPUの移行先といった感じで、これらよりも性能が高いAPUに関しては新世代であるRaven Ridge待ちになりそうです。
小型化やサブ機に最適?
先にも書いた通りBristol Ridgeは省電力になっています。
そのため、ITXマザーなどを利用して小型化を重視した作業用PCや、メインの作業と並行して何かをするためのサブ用PC、何かあった時のための補助PCなどの用途にもおすすめです。
また、APU共通の特徴としてIntelの内蔵グラフィックよりも高性能なグラフィックを使えるという点があります。
グラフィックを搭載しているため、前述したようなサブPCなどに使う際にグラフィックボードを別に用意しなくて良いという点もメリットです。
グラフィック自体はR7グラフィックスを搭載しているため、本格的なグラフィックボードを載せたPCほどとまではいきませんが、軽めの3Dゲーム程度ならプレイ可能な性能になっています。
ただし、ゲームなどグラフィック処理の負荷が大きい事をする場合にはかなり熱を持つため、冷却には注意が必要です。
小型化を優先するなら「BIOSTAR X370GTN」
小型化を優先しつつコストを抑える目的なら、BIOSTARから出ているITX規格のマザーボードの「X370GTN」がおすすめです。
コンパクトなボードサイズが特徴のITX規格の基板に必要最低限の機能だけを盛り込んでいるため、価格も抑えられているのが特徴です。
出力端子も備えているので、Bristol RidgeのAPUを載せることで低コストかつコンパクトなPCを組むことも可能です。
ちなみに、このマザーボードはチップセットに最上位モデルであるX370を搭載していますが、中間モデルのB350を搭載したものもあります。
X370とB350でチップセットこそ違いますが、価格についてはほぼ同価格帯で性能も小型化を優先する場合には大きな差にはならないので、購入時に安い方を選んでしまうのもおすすめです。
家族で共用するネット検索用に使うPCやサブ機などにもおすすめのマザーボードです。
CPUとAPUどちらにもおすすめ「ASRock AB350 Pro4」
とりあえず可もなく不可もないやつがそこそこの価格で欲しい、という人にはASRockのAM4対応マザーで定番中の定番である「AB350 Pro4」がおすすめです。
定番中の定番と言うだけあって、必要な物をしっかり揃えつつ無駄になり易い機能はしっかり省かれていて、価格もATXマザーとしては平均的な価格に抑えられています。
Ryzenとグラフィックボードを載せてゲーミングPCのように使うのもよし、Bristol Ridgeを載せて作業用のPCとして使うのもよしの選択肢の広いマザーボードです。
ただ、ATX規格にはサイズ的な余裕があるため、快適に使いたいのであれば、作業用PCだからといって無理にBristol Ridgeを載せるよりも、Ryzen5や3とローエンドのグラフィックボードを載せて使う方がおすすめです。
ネックとしては、ATXマザーであるためコンパクトなサイズに収めることは出来ない点がありますが、逆にその分だけ後から何かを追加する余裕が有るため、使いやすさや今後の使い具合が分からない人にもおすすめのマザーボードです。
とにかくローコストに抑えるなら「ASRock A320M-HDV」
とにかく導入コストを抑えたいという場合には、ASRockのマザーボードでMicroATX規格の「A320M-HDV」がおすすめです。
実売価格は現在7,000円前後とAM4に対応しているマザーボードの中でも特に安く、かといって安かろう悪かろうという物でもないため、動きの良いPCは欲しいけどコストは抑えて組みたいという人におすすめのマザーボードです。
MicroATX規格なため、ATXのマザーボードと比べると拡張性に劣り、かといってITXのマザーボードと比べると大きいため、どっちつかずになってしまっている点がある意味ではネックと言えます。
また、注意点として「A320M」という非常に似た名前のマザーボードがあります(外見もほぼ同じデザインです)。
A320Mには出力端子が搭載されていないため、Bristol Ridgeを使う場合にはここで紹介している「A320M-HDV」の方を使うのがおすすめです。
手軽にハイエンドを体験したいなら「ASUS ROG STRIX B350-F GAMING」
ハイエンドモデルに搭載されている機能を使ってみたい、でも高額なマザーボードにはちょっと手が出し辛いという人は、まずこのマザーボード「ASUS ROG STRIX B350-F GAMING」で体験してみるもおすすめです。
価格は15,000円前後とミドルクラスのマザーボードですが、ハイエンドモデルのマザーボードに搭載されている機能に近いレベルのものを多数利用できる点が特徴となっています。
利用可能な機能については設定項目など一部が制限されているため、ハイエンドモデルそのままとまではいきませんが、それでもハイエンドとローエンドのマザーボードの違いが手に取って分かりやすくなっているマザーボードと言えます。
また、ゲーミング系マザーボードなので、どちらかというとRyzenとグラフィックボードを搭載する形で使うのが向いていますが、ディスプレイ出力用の端子としてDPとHDMIが搭載されているので、Bristol Ridgeで使う事も利点は少ないですが可能です。
耐久性を重視したいなら「MSI X370 GAMING PRO CARBON」
多少構成や設定で冒険しても大丈夫な頑丈なマザーボードが欲しいという場合には、やはり最適なのはMSIのマザーボードだと思います。
MSIは全体的に価格が高めな傾向があるため、手に取りづらいマザーボードも少なくありませんが、「X370 GAMING PRO CARBON」は実売価格20,000円程度と比較的安くおすすめです。
OCへの耐性も高いため、空冷の範囲内で出来るOC程度なら安定してこなせるなど、どちらかというとコストよりもスペック重視のマザーボードになっています。
関連ソフトにもゲーム関連の物が多く、いかにもゲーミングマザーといったタイプのマザーボードになっているため、高負荷のゲームを高頻度かつ長時間遊ぶ人におすすめのマザーボードです。
Bristol Ridgeを使う際の注意点
Bristol Ridgeとそれに合うマザーボードを選んで使う場合には、マザーボードの出力端子の有無について把握しておいた方が良いです。
Bristol Ridgeでは、Ryzenと同じSocket AM4を共用していて、チップセットもそれに準じています。
そのため、通常はRyzenに対応したマザーボードであればBristol Ridgeにも対応できるのですが、一部のマザーボードではRyzenで使う事を前提とした設計になっているため、ディスプレイ出力用の端子が備え付けられておらず、Bristol Ridgeでは使えないものがあります。
公式HPなどで確認するのがベストですが、公式HPでもBristol Ridge対応としながらも別枠で「別途グラフィックボード必須」といった旨の注意書きがされている事があるため、確認する時は隅々まで良く読む事と、背面I/Oパネルの画像などをよく見て確認する事が重要です。
まとめ
全体的に見ると、現状はハイエンドのマザーボードはRyzenと、ローエンドは用途に合わせてRyzenやBristol Ridgeから選んで使用という感じが良さそうです。
Bristol Ridgeそのものに関しても、自作向けの販売がもう1年~半年早ければ更に良かったかな?
と感じる部分がありますが、それでも省電力化を進めつつ性能はしっかり挙げてくなど、かなり進化が感じられるため、面白いAPUだと思います。