腰痛になったら改善したい行動⑥ 多すぎる階段・長すぎる上り坂は登らない
階段を使った方が健康にいい、なんて言葉を聞くことがあります。しかし、度合いによりますが、腰痛に対して長すぎる階段は、あきらかに過負荷になります。
下手に頑張って階段や上り坂を自分で上るより、エスカレータ・エレベータその他楽な方法がとれるのであれば、その方が腰痛には良いです。
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目次
階段・坂道は何も考えないと前かがみの姿勢になる
階段を上るとき、みなさんはどんな姿勢で上っていますか?ちょっと前かがみになっていませんか?
階段や坂道を上るとき、平坦な道を歩くときに比べ、後ろに倒れたときにけがなどのリスクが大きくなるため、自然と前かがみになります。
意識的に姿勢を垂直に、あるいはやや後方に倒していれば、前かがみにはなりませんが、深く考えずに上っていると、知らず知らずのうちに前かがみの姿勢になります。
しかも、階段・坂道を登り切るまで、前かがみの姿勢を継続した状態になります。
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前かがみ時の腰への負荷は立っている時の1.5倍!
みなさんは、前かがみの姿勢がどれくらい腰に負担をかけるか知っていますか?
通常まっすぐ立っている状態での腰への負担を100とした場合、前かがみの姿勢では150になります。通常時の1.5倍にも負荷がかかってしまいます。(参考:Nachemson 1976)
通勤時など荷物を持っている状態では、腰への負担はさらに大きくなります。
腰痛には階段・坂道は負担が大きすぎる
このような腰へ負担がかかるのを避けるために、極力階段や坂道を使わないことが望ましいです。
ただし、階段・坂道を自分の足で上ることで、足腰へ負荷がかかり、それによって筋肉・骨が鍛えられるのは事実です。
このため、すべての階段・坂道を避けるべきとは言いません。多すぎる階段・長すぎる坂道を避けてほしいのです。
ものには程度というものがありますが、腰痛の場合、階段や坂道を上り続けるのは、腰への負担が大きすぎます。
腰痛の場合、健康な人よりも、「適度な負荷」のラインが明らかに下がるのです。これを忘れてはいけません。
腰痛の状態で、階段・坂道を上りすぎると、多くの場合、登り切った時に相当疲れているはずです。その疲れは、次の行動を起こしにくくし、やがては家族など周りの人へしわ寄せがいくことになってしまいます。
多すぎる階段や長すぎる坂道は避けよう
多すぎる階段や長すぎる坂道を避けることによって腰への負担を大きく軽減できます。
特に階段は、短い距離で急激に高度を高める分、体も前かがみになりやすい上、1段上がるときにぐいっと腰に負担がかかるのを何度も繰り返すため、より腰痛には響きます。
そのため、階段よりも距離は長くなりますが、坂道を上る方が負担は軽減できます。ただし、坂道も前かがみになりやすいため、後述の姿勢を後ろにそらせながら上ることで、腰への負担を軽減できます。
また、自転車を使えば腕で体を支えられますので、足で上るよりも腰への負担軽減に効果的です。
階段・坂道を上るときは、姿勢を後ろにそらせると腰への負担が軽減される
どうしても階段・坂道をたくさん上らなければならない場合は、意図的に、姿勢を後ろにそらすようにしましょう。
人間はどうしても階段・坂道を上るときは前かがみになってしまいますが、意識して姿勢を後ろにそらすことはできます。
後ろに倒れすぎないようにバランスを取りながら、少しずつ前に進めばOKです。
坂道の場合は、あたかも水平な道を歩くかのように、道路面に垂直な位置に姿勢を持ってくる意識で歩くよいです。
階段の場合も、体を垂直に立てたまま上るイメージで姿勢を保つと腰への負担を軽減できます。
最初はスピードが出ないと思いますがそれで全く問題ありません。だんだん慣れてきて、前かがみのときと同程度のスピードになってきます。
登り切った時の疲れ具合が明らかに楽になることを感じられると思います。
姿勢を後ろにそらすことによって、頭の位置も背骨の真上に持ってこれますので、頸椎・胸椎を含め、頭が前に垂れているときよりも負担軽減につながります。
まとめ
ポイントをまとめておきます。
- 階段・坂道は何も考えないと前かがみの姿勢になる
- 前かがみ時の腰への負荷は立っている時の1.5倍!
- 腰痛には階段・坂道は負担が大きすぎる
- 多すぎる階段や長すぎる坂道は避けよう
- 階段・坂道を上るときは、姿勢を後ろにそらせると腰への負担が軽減される
くれぐれも、下手に頑張りすぎないようにしましょう。腰痛は我慢や頑張りが報われるとは限らないのですから。