サイコンの電池寿命はどれくらい?稼働時間を延ばす3つのテクニック

サイコン(サイクルコンピュータ)

サイコン(サイクルコンピュータ)は走行距離や回転数などをリアルタイムで表示させ、サイクリングの楽しさを倍増させてくれる便利なツールです。

一方ではサイコンもスマートフォンなどと同様にバッテリーの持ちが問題となりますが、使い方次第でも電池寿命や稼働時間が違ってくるものです。

サイコンの電池やバッテリーはどれくらい持つのか、稼働時間を延ばすためのテクニックと合わせて解説します。



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リチウム電池の寿命は半年から3年程度

サイコンには大きく分けてGPSサイコンとGPS機能のない通常タイプの2種類があって、それぞれ採用している電池の種類が違ってきます。

このうちGPS機能のない一般的なサイコンには、大半の機種でコイン型のリチウム電池が採用されています。

機種によって電池寿命に差は見られますが、長持ちする製品では1日1時間ずつ使用すると仮定した場合の電池寿命がおよそ3年です。

夜間の走行に欠かせないバックライト機能を持つ製品はどうしても電池寿命が短くなり、同様の条件でも寿命は1年程度に縮まります。

ケイデンスや心拍数計測機能を備えたような高機能のサイコンほど電池消耗が大きく、中には電池寿命が6カ月前後という製品も少なくありません。

GPSサイコンはUSB充電式バッテリーが一般的

サイコンにGPS機能が備わっていれば衛星との通信に電力が多く消費されるため、電池寿命の大幅な低下が避けられません。

そのため大半のGPSサイコンは交換式のリチウム電池ではなく、USB充電式のバッテリーが採用されています。

充電式のバッテリーなら何回でも充電できるので経済的なようにも思われがちですが、1回の充電で稼働できる時間に限りがある点には注意が必要です。

GPSサイコンは価格帯も全般に高めで多機能の製品が多く、GPS機能の他にスマホとの連動にも相当量の電力を消費します。

たいていのGPSサイコンは充電1回当たりの連続稼働時間が10時間程度で、長時間のサイクリングでは途中で充電が切れてしまいます。

GPSサイコンの中でも上位モデルには稼働時間が20時間に及ぶ製品がありますので、ロングライドでの使用を想定するならそういった機種がおすすめです。



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サイコン本体の設定次第でバッテリーは節約可

リチウム電池を採用したサイコンでもUSB充電式のGPSサイコンでも、消費電力を節約すれば稼働時間を延ばせる点では共通しています。

同様のテクニックはスマホのバッテリーを持たせる節約術にも通じる面があるものです。

GPSサイコンの場合はGPS衛星との通信でバッテリーを多く消耗しますので、ナビゲーションの際など必要時のみONにする設定が推奨されます。

バックライトは夜間でもサイコンを見やすくする便利な機能ですが、バッテリー消耗度が最も激しい機能でもあるという点には注意が必要です。

バックライトの明るさを100%でなく20%程度に下げ、常時点灯は避けて自動消灯に設定を変更すればバッテリー消耗を最低限に抑えることができます。

使わない通信機能をOFFにする

バッテリー消耗が激しいと言われるGPSサイコンの場合でも、GPSとバックライトの設定を最適化するだけでバッテリーをかなり節約できるのは確かです。

一方で多機能型のサイコンは、WiFiやBluetoothといった通信機能で想像以上にバッテリーを消耗している点も無視できません。

WiFiはフィットネスアプリなどと連携して走行ログをアップロードする際などに使われますが、常時ONにしているとバッテリーが無駄に消耗してしまいます。

通常はWiFiをOFFに設定し、面倒でもアップロード時にのみ一時的に有効とするような工夫が必要です。

スマホとの連動に欠かせないBluetoothもバッテリー消費量は決して小さくありませんので、使わないときはWiFiと同じくOFFに設定しておいたほうがバッテリーが少しでも長持ちします。

チェックポイントなどを通知するのに使われるバイブレーションや、便利なウィジェットも設定の見直しをすることがバッテリーの節約につながります。

ロングライドにはモバイルバッテリーが必須

以上のような工夫でサイコンの稼働時間を延ばすことは可能ですが、100km以上を走るようなロングライドに使用するには少々心もとないものです。

GPSサイコンは単体だと1回の充電で10時間から長くても20時間程度しか持たないため、それ以上の長時間稼働を目指すにはさらなる工夫が求められてきます。

GPSサイコンを装着してロングライドに出かける際には、走りながらサイコンを充電できるモバイルバッテリーがあると便利です。

スマホ用のモバイルバッテリーでも小型タイプならツールケースに入る大きさなので、走行時にも邪魔になることがありません。

モバイルバッテリーの容量はサイズに比例する面もありますので、容量とサイズのバランスを考慮して選ぶことが大切です。

バッテリー容量が5000mAh前後の製品ならロングライドでも十分に対応できる上に、サイズもそれほど大きくないのでおすすめです。

Garmin Edge1030は拡張バッテリーパック使用で連続40時間稼働が可能に

サイクリストの間で憧れの的となっているサイコンのトップブランドGarminには、上位モデルに大容量バッテリーが採用されています。

Garmin Edge1030は機能の豊富さもさることながら、バッテリー稼働時間が大幅アップしている点でロングライドに有利です。

Garmin Edge1030のバッテリー稼働時間は前述のような設定次第で変わってくる面もありますが、省エネ設定にすれば本体だけでも連続20時間に延ばすことができます。

さらに別売の拡張バッテリーパックを装着することで、Garmin Edge1030の稼働時間がおよそ40時間にも達する点は注目すべきポイントです。

この拡張バッテリーバックは対応したマウントを使うことで、Edge1030以外のGarmin機種にも接続できます。

リチウムイオンバッテリーが劣化する条件

GPSサイコンに使われているリチウムイオンバッテリーにも当然のことながら寿命があって、充電と放電を繰り返すごとに容量が減少していくのは避けられません。

日常的にGPSサイコンを使っている人はしょっちゅう充電することになるため、バッテリーの劣化もそれだけ早くなりがちです。

平均するとバッテリー容量は数年間で80%程度にまで減少しますが、使い方次第ではそれ以上に早く劣化する可能性もあります。

リチウムイオンバッテリーはとにかく熱に弱い性質を持っていることを考えると、高温下に放置しておくのは良くありません。

夏場のサイクリングやロングライドの際には、サイコンを自転車に装着したまま直射日光の当たる場所に放置するのを避けるべきです。

バッテリーの充電テクニック

リチウムイオンバッテリーは100%の充電や完全放電でもダメージを受けますので、充電の仕方にも一工夫が必要です。

マニュアルで完全充電するように指示されている機種を除いて、GPSサイコンを充電する際には100%になる前に80%程度で充電を打ち切るようにするといいでしょう。

サイコンを使用する際にもバッテリー残量が0%になるまで使い続けるのを避け、早め早めに充電をすることで寿命を少しでも延ばせるものです。

冬場などでサイコンを長期間使用せずにおく場合にも、完全充電や完全放電された状態での保管は避けなければなりません。

Garminの公式サポートサイトには長期保管の際の注意点として、30%から50%程度の充電で高温多湿を避けながらサイコンを保管するように書かれてあります。

まとめ

機能の豊富なサイコンも走行途中でバッテリーが切れてしまっては、走行距離や速度などのデータが測定できなくなってしまいます。

特にGPSサイコンを装着してロングライドに出かける際には連続稼働時間が問題となるため、バッテリー節約の工夫が欠かせません。

ロングライドを想定してGPSサイコンを購入する際にはできるだけ稼働時間の長い製品を選ぶのがセオリーですが、モバイルバッテリーなどと組み合わせれば弱点を補うことができます。