未舗装道路での競技シクロクロス用の自転車は普段使いの自転車としても有効?
まだまだ一般には名前が今一歩知られていない、シクロクロス競技ですが、すでにアスリートや自転車競技者の間では名の知られた競技になっています。
未舗装のオフロードを走るという過酷な競技ですが、一旦その魅力に取りつかれると病みつきになってしまう競技でもあります。
こんな過酷な競技で使用するシクロクロスバイクですが、これが一般道路でもかなり有効に走れることをご存知でしょうか。
シクロクロス競技の特徴は?
未舗装のオフロードを走るのですから、それこそ競技の場所によっては、自転車を走らすと言う自転車競技本来の行動が出来ない場所もあるのです。
例えば、砂浜もその一つです。
乗ったまま走ろうとすれば、タイヤは砂に取られてしまい、ハンドル操作と重心移動で大変な労力を使うことになります。
シクロクロスの場合、走れない場所では自転車を押したり、もしくは担いで走ることが出来ますので、どうしても無理な場合は自転車から降りてと言う事になります。
とは言えやはり、押すにしても自転車のタイヤが砂に深く入り込みますし、移動させるにもかなり力が必要になります。
自転車を担ぐと言うのは砂浜などでは一番移動に問題なさそうに見えますが、ある程度の重量のある自転車を担いで、砂に足を取られつつ走るのですから、こちらも大変です。
それ以外の部分でも、未舗装と言う一点で地面のでこぼこや小石が移動の邪魔をしてきます。
舗装道路しか走らない普段の生活が、いかに楽かしみじみと感じられると言う人もいます。
まあ最も、昭和の半ばまでは未舗装の道路の方が多かったので、当時の人たちに言わせると今さら、と言った感じでしょうね。
こう言う競技で使われる自転車なので
こういった競技で使われる自転車ですから、勿論普通のママチャリなどのシティサイクルの使用は論外です。
またいわゆる一般のロードバイクも、タイヤの問題などで使用は危険だとも言えます。
悪路が前提なのでタイヤも工夫が
でこぼこや小石などが多い未舗装の道では、舗装路に比べてタイヤのパンクの割合が大きく増えるのは事実です。
勿論バランスも、非常に取りづらくなります。
その為にシクロクロスバイクのタイヤは、ブロックタイヤが使われています。
太い上に凹凸もあるタイヤなので、でこぼこ道でもバランスを崩すことが少ないようになっているわけです。
このタイヤだとパンク率も、普通のタイヤに比べてぐっと減ると言うわけです。
天候によるブレーキの効き具合にも強い
アウトドア競技一般に言えることですが、それこそ天候と言うものはこちらの都合には合わせてくれません。
あまりにひどい天気の場合は中止、と言う事もあるでしょう。
海や山を舞台にした競技の場合は、天候によって競技者の命に係わることもあるわけです。
そこまではいきませんがシクロクロス競技も、例えば前日がひどい雨で競技路が水たまりだらけの上、土もぐちゃぐちゃなどと言う事もあります。
何しろ未舗装ですので、舗装路の様に簡単に土が乾くことが無いのです。
そこを自転車で走るのですから、ブレーキの効き具合が大変に問題になってくるわけです。
シクロクロス用の自転車のブレーキは、こう言ったケースにも対応できるようにディスクブレーキが採用されています。
自動二輪で使われているのと同じブレーキです。
これなら雨の日でも制動力が落ちることなく、安心して走れるわけです。
競技用なので自重もかなり軽い
競技で使われるシクロクロス用自転車の場合、6.8キロ以上でなければ行けないと言う規定があります。
6.8キロと言われると、重いと思われる方が多いでしょうが、実は普通のママチャリの平均自重は実は20キロはあるのです。
何と半分以下の自重と言う事になりますね。
まあ実際には、10キロ前後が平均的な自重のシクロクロス用自転車ですが、一般的なシティサイクルに比べてずっと軽いと言う事はお解りいただけるでしょう。
競技用なら当たり前のドロップハンドル
競技用自転車の場合、ハンドルの形状はドロップハンドルが当たり前と言う感じです。
また普通に長距離サイクリングをする場合にも使われるロードバイクなども、やはりドロップハンドルが採用されています。
普通のハンドルに慣れている人は慣れるのに時間がかかるかもしれない、このドロップハンドルです。
しかし慣れてくると体重のかかり方や自然に作られる体勢の良さで、走りやすくまたブレーキやハンドル操作もしやすくなりますので、さすがに競技用だけのことはあると納得されるでしょう。
これらの特徴を合わせると実は
これらの特徴をさっと読んでみると、競技用だから特殊だな、と感じられるかもしれません。
がしかし、これらが実は普段の生活の実用品として、最大の効果を発揮してくれるのです。
悪路は舗装路にもいくらでも存在します
道交法の改正で、自転車は基本的に車道の端を走ることが義務付けられました。
これが実は、大変な悪路であると言う事、実感されているでしょうか。
車道の一番端と言うのは、道路の排水口があったり側溝が続いていたりしています。
これが完全に整備されていても、段差や勾配はあるのですが、大体が整備は完全にされていません。
これもまた舗装されていながらの悪路です。
普通の自転車よりも、シクロクロス用の太く凹凸の大きなタイヤが、不安定さやパンクの危機を回避させてくれるでしょう。
いきなりのゲリラ豪雨と言う昨今の天気事情
近頃流行りの、ゲリラ豪雨は本当に何時襲ってくるか解りません。
また、地域的にいきなりの天候の変化に襲われることも、しばしばあります。
普通の自転車だと、この天候の激変についていくのが安全的にも難しい所です。
特に急の雨によるブレーキの問題は切実です。
ディスクブレーキを搭載したシクロクロス用自転車なら、その心配からも遠ざかれるのです。
自転車を持ち上げると言う機会は結構あります
普段の生活で自転車を担いで運ぶ、と言うのはさすがにあまりない事でしょう。
しかしちょっと持ち上げる、と言うのは思っているより多くやっていることなのです。
駐輪するのに角度が悪くて、ちょっと持ち上げて角度を直すと言う事、ごく普通にやっていらっしゃると思います。
これが、20キロのシティサイクルと10キロのシクロクロス用の自転車では、どちらの負担が大きいかは明らかです。
日々の暮らしの場合、競技と違って本当に毎日積み重なるので、結果かなり大きく身体への負担も変わってきます。
これらから導き出される結果として
ロードバイクの格好良さに加えて、日常の酷使にも耐えられる自転車が、シクロクロス競技用自転車と言うわけです。
シティサイクルよりロードバイクの方が格好いいから、次の購入はロードバイクで、と考えている方にもシクロクロス用の自転車は候補としておすすめ出来ます。
いや効率的だけどあの太いタイヤはどうも、と考えている方も心配はいりません。
あのロードバイクの細いタイヤにも、履き替えは可能です。
正直街中を走る場合は、前記しましたように、太くてごつごつしてちょっと格好悪い、シクロクロス用のタイヤの方があらゆる面でおすすめなのも事実です。
安全のためにも、身体への負担の軽減のためにも、次の自転車購入の一つの候補としてみてはいかがでしょうか。
まとめ
未舗装の悪路を前提として設計され、その為のブレーキなどを搭載しているシクロクロス用の自転車です。
競技の間の何時間、ではなく連続して毎日使用する自転車としての機能も、充分に備えてくれていることになります。
でもかごが積めないとご心配の方には、フレームバッグやサドルバッグで補うことも可能ですね。
通勤通学、毎日の買い物の足としての利用も、ご一考されては如何でしょうか。