コルセットで筋肉が弱ってしまったら
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目次
コルセット依存症
ぎっくり腰など急性腰痛のときは、とにかく痛みを軽減する必要があり、藁にもすがる思いでコルセットを着け始めます。
最初にコルセットを付けるときは、腹部を圧迫する苦しい気持ちが先行して、我慢しながらコルセットを使います。
我慢してつけているので、外せるタイミングがあれば外して、腰痛の様子を見ながら着けたり外したりします。
やがて、圧迫感に慣れてくると、コルセットを付けても苦しくなくなり、コルセットを着けることで体を支えることが楽に感じられるようになります。
そのうち、コルセットの楽さに慣れてしまい、常時コルセットを着けるようになります。
すると今度は、コルセットを外すとぎっくり腰などあの忌まわしい腰痛が再発するのでは、と怖くなります。
やがて筋肉が減少し、さらにコルセットを外せなくなるスパイラルに陥ります。
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コルセットを着けることによる筋肉の減少
「コルセットを外すのが怖い」と感じる状況では、すでにコルセットに依存している状態です。
実際筋肉も減少していると思います。
朝起きてからお風呂を除いて夜寝るまで付けている場合、2か月ほど継続すると、腰回りの筋肉が減少し、見た目にわかるほどウエストが不自然にくびれます。
これは、コルセットによって痩せたのではありません。
脂肪がなくなったのではなく、筋肉がなくなったのです。
筋肉は使えば増え、使わなければ減ります。
「コルセットを外すのが怖い」というのは、コルセットなしでは上半身を支えきれないほど腰の筋肉が弱っていることを感じ取っているのです。
要コルセットから脱コルセットへ
最初にコルセットを付け始めたのは、ぎっくり腰などの急性腰痛であっても、慢性腰痛であっても、とにかく腰の痛みを取り除きたかったからだと思います。
いずれは腰痛も治って、今まで通りコルセットをしなくても平気な体になるものと思って、あるいは平気な体になりたいと思っていたと思います。
でも実際には、「コルセットを着ける」⇒「筋肉が弱る」⇒「腰に負担がかかる」のスパイラルに陥っています。
まず今の状態が本来目指している状態とは違う方向にどんどん進んでいっていることを認識する必要があります。
昨日より今日、今日より明日と、1日過ぎるごとに、目標から少しずつ確実に遠ざかっているということです。
腰痛が治り、元通りコルセットをしなくても平気な体を目指すには、少しずつ目標に近づくように変えなければなりません。
今やっていることを何か変えないといけません。
そして、今度は目標に向かって少しずつ確実に近づく状態にし、それを積み上げていくのです。
少しずつ確実に、そしてスタートを早く
一気には無理です。
今の状態も一気になったのではありません。
5年10年腰への負担や姿勢の悪さが積みあがって、腰痛になっています。
最近腰痛が出てきたとしても、着実な下積み時代があるからなのです。
コルセット依存症も同様で、1ヶ月2ヶ月と着実に筋肉を少しずつ弱らせることを積み上げたことによって今の状態になっています。
ならば、それを元に戻すのも同様の時間をかけて少しづつ確実に積み上げていくしか方法はありません。
一気には無理です。
しかし、そのスタートはまさに今からできます。
やり始めが早ければ、少ない悪化で切り戻せます。
やり始めが遅ければ、大きく悪化したものを切り戻す必要があります。
少しでも早く、脱コルセットに向けてスタートしましょう。
はじめは、コルセットを少しの時間だけ外す
「コルセットを外すと腰痛が再発しそう」という不安がある方は、おそらく予想的中です。
腰の筋肉がコルセットの楽さに慣れてしまって、筋肉が減少している状態です。
コルセットの状態で単純に一気にコルセットをはずして今まで通りの作業をすると、腰への負担が腰椎にかかり、腰痛が再発しやすくなります。
ですので弱った筋肉を、少しずつ強くしていく必要があります。
まず始めは、コルセットを10分はずして散歩をし、またコルセットを着ける。
ちょっとした動作であっても、腰は常に重心のバランスをとるため筋肉を使っています。
コルセットを外した状態で10分過ごせば、散歩程度の動作であっても筋肉が使われ、鍛えられます。
しかし、コルセットを外している時間は、腰椎にも負担がかかっていますので、いきなり長時間は危険です。
もし、ぎっくり腰などが発生した場合、前回発生時よりひどくなる可能性もあります。
とにかく少しずつ、過度な負担をかけずに少しずつ筋肉を鍛えていくことが必要です。
一見効果がないように見える地道な作業ですが、筋肉は使った分だけ鍛えられることを信じて継続しましょう。
コルセットをはずすだけでOKです。
筋トレはしない方が良い
腹筋・背筋などの筋トレは不要です。
むしろ腰への負担が増え、腰痛を再発させる恐れがありますので、筋トレをしないほうが良いです。
初期は、インナーコルセット(深部の筋肉によるナチュラルコルセット)を鍛えるのも控えたほうがよいです。
とにかくコルセット外して歩くだけで、筋肉は鍛えられます。
最初はとにかく意図的に少しずつにすることが重要です。
ストレッチはした方が良い
ストレッチは常にした方が良いです。
ただしストレッチの仕方には注意が必要です。
以下の点に気を付けましょう。
- 一気にはしない
- 股関節を重点的に行う
- 足を前に伸ばして前屈はしない
ストレッチも一気には無理です。
体の硬さも長年の下積みがあって今の状態にあります。
元に戻すには同様の時間が必要です。
ストレッチの初期においは股関節が柔らかくなることに集中します。
ハムストリング(太もも裏の大きな筋肉)などをいきなり伸ばそうとすると、椎間板ヘルニアなどでは、激痛が起きたり腰痛が悪化する場合があります。
足を前に伸ばしての前屈の体勢は厳禁です。
股関節やハムストリングが硬い状態で前屈の姿勢をとると、腰椎で曲げようとしてしまいます。
さらに筋肉が弱っている段階では、前屈による負担が完全に腰椎に集中してしまいます。
場合によっては「ぐきっ!」という音とともに動けなくなることもあります。
ストレッチが進んでいない状態では前屈を頑張ってはいけません。
もし足を延ばして体を曲げたいのであれば、足を必ず広げて下さい。
そうすれば、股関節で曲げることになり腰椎への負担はかなり軽減されます。
少しずつコルセットを外す時間を長くする
コルセットの10分外しは繰り返していくと、だんだん痛くなくなってくるのがわかります。
そうしたら筋肉が鍛えられてきた証拠です。
筋肉が鍛えられて来たら、それに応じてコルセットをはずす時間を長くします。
一気には進めないので、少しずつ、例えば5分ずつくらいのつもりで長くしていきます。
途中で痛くなった時はコルセットを使って全くかまいません。
むしろ痛みを軽減することを最重要目標としてコルセットをしっかり使いましょう。
しかし、痛みが取れたらまたコルセットを少しずつ外します。
脱コルセットへの道
1日2時間程度コルセットをはずしても痛みがひどくならない状態になりましたら、あとはこれを繰り返していけばOKです。
着実に進んでいれば、2ヶ月ほどたつとこの状態になっていると思われます。
初期においては、腰痛再発を避けるために少しずつ進めてきました。
しかしこの段階では、筋肉もある程度鍛えられているため、それほど腰痛再発を失敗する必要はありません。
インナーコルセットを鍛えるのもいいでしょう。
ストレッチは継続しましょう。
腹筋・背筋などの筋トレは、基本的には普段の生活には不要と考えますが、それでもやりたい場合は、お尻・背中に柔らかめのマットなどを敷いて、腰や背中に無理な力がかからない準備をしてスタートしましょう。
脱コルセットへの道は、最初は本当に少しずつですが、だんだんペースを早くして行けます。
スタートを早くすることと、「少しずつ確実に」が大切ですので、焦らずゆっくり、脱コルセットへの道を歩いていきましょう。