コルセットは腰痛を治すものではない
コルセットをすると腰痛が治る、と思われている方を見かけますが、コルセットは腰痛を治すものではありません。
コルセットをすると腰痛が収まることは事実です。
しかし、これは腰痛を治したのではありません。
コルセットをすることで腰にかかる負担を少なくしたことにより痛みが減っただけです。
腰に負担がかかると痛みが出るもともとの原因があるはずですが、コルセットはそれを治したのではありません。
この点を勘違いしていると大変なことになります。
コルセットは、お腹を締め付けお腹の中の圧力を高めることで、上半身を持ち上げ、上半身の重みが腰にのしかかる負担を少なくします。
これにより、痛みを軽減することにつながります。
本来はこの働きを筋肉で行う必要がありますが、コルセットをすることにより、筋肉の働きを代わりに行い、お腹を圧迫してくれているのです。
コルセットはあくまで筋肉の代わりをしているのに過ぎません。
コルセットに過度に期待してはいけません。
それを、コルセットをした⇒腰痛が収まった と安易に考えると、コルセットが生涯はずせない体になってしまいます。
コルセットをすると腰痛が収まるからと言って、安易な回避策に甘えていてはいけません。
コルセットは、腰痛を軽減してくれる代わりに、筋肉を使わなくしてしまっています。
筋肉という組織は、使えば使うほど鍛えられるもので、逆に使わなければ使わないほど衰えていくものです。
コルセットは筋肉を使わなくしていくものです。
そして、その筋肉は本来あなたの上半身を支えるものなのです。
筋肉が衰えては、ますます上半身を支えることができなくなり、腰への負担が増え、腰痛は悪化します。
あなたがコルセットを着ける選択をするたびに、一時的な腰痛軽減を手に入れる代わりに、長期的な腰痛悪化に突き進んでいるのです。
あなたが本来突き進むべきは、根本的な腰痛軽減・腰痛解消のはずです。
腰痛の本当の原因は何なのか、それを解決する方法は何なのか。
筋肉のコリなのか、腰椎の変形なのか、椎間板ヘルニアなのか。
関節の歪みで姿勢が歪み、その為筋肉がコリ、それを無意識にいたわって更に姿勢が歪み、椎間板に無理な力がかかっていたら?
取るべき対応は、コルセットを着けることではなく、最初の関節の歪みを解決する事です。
そしてコルセットは、根本的な解決に取り組む事をサポートしてくれるものです。
根本治療中でも、当然腰痛の波は来ます。
仕事で重いものを運んだり、無理な姿勢を取らなければいけない時もあるでしょう。
その時コルセットが一時的に痛みを抑えてくれます。
そして痛みがやわらいだら、また治療に邁進していきます。
コルセットは、根本治療に向けた長い道のりを確実に進んでいくための、途中の休憩所です。
最初は歩き慣れてないうちは、頻繁に休憩して、少しずつ進みます。
この段階では諦めない事、継続する事が最も大切です。
痛みを我慢したり、無理をすると、継続するのは一気に難しくなります。
痛くなったらコルセットをして休憩します。
そしてまたコルセットは外して根本治療を進めます。
段々慣れてきたら、少しずつ歩く距離を長くし、休憩の頻度を
へらしていきます。
コルセットを着ける頻度を少しずつ減らしましょう。
少しずつです。
中々効果が出なくてじれったくなる事もありますが、とにかく少しずつです。
そしてそれを継続する事です。
いつでもコルセットを使って休憩して良いです。
いつでも休憩できるという安心感は腰痛を改善するのにとても良いです。
しかし、いつも使ってはいけません。
休憩する事の本来の目的を忘れ、いつまでも休憩していたら、歩き出すのが億劫になったり、苦痛になったりして、やがて歩くのをやめてしまいます。
コルセットに頼り続けて、これでいいや、と思ってはいけません。
コルセットは、目的地にたどり着くための一時的な休憩所なのであり、やがては不要となるものなのです。