腰痛患者さんの様々な疑問
治療中の患者さんは、不安や疑問を抱きやすいものです。
特に経過が思わしくない時には、「このまま治らなかったらどうしよう、今の治療を続けて良いのかな、先生の診断はどうなのかな、他に良い治療法があるのでは・・・」等々悩む方も少なくないでしょう。
腰痛患者さんが持たれる疑問等に、私が見聞きしたり経験した範囲で、私的な感想を述べたいと思います。
決して各分野の専門家、研究者ではありませんので、ご参考程度になればと思います。
整形外科の先生は、とても忙しそうなので、診察時に質問しづらいかも知れません。
聞きたい事がある時は、事前に書面に箇条書きにしておいて、受付時に提出してお願いしておくと、回答を得られ易いでしょう。
又、先生の説明をなるべくメモする事もお忘れなく。
後で見返したり、調べたりできますので重宝します。
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健康食品は、効きますか
コンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸等々、巷には健康食品があふれ、テレビや新聞で広告を見ない日はありません。
とても効果がありそうで、大変気になりますね。
ある調査では、約50%の整形外科医は、その効果を否定し、他の先生は試す価値があるのではとの回答があったそうです。
過度の期待は禁物ですが、「これを飲めば楽になる」と思える安心感は、痛みの悪循環を断ち切る一助になると思います。
疑心暗鬼で摂取すれば、せっかくの効果も減退してしまうでしょう。
試される場合は、なるべく効くと信じて飲む方が、良い結果が得られると思います。
市場には、多数のメーカーから、多種の製品が発売されており、選択に迷うところですね。
玉石混合ですので、出来れば信用できる製薬会社が製造した、効能効果を謳った商品が安心かと思います。
勿論、メーカーにこだわらず、色々試してみて、貴方のお身体に合った製品が見つかれば何よりですね。
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冷湿布と温湿布では、どちらが良いですか
これも良く聞かれる質問です。
腰痛の患者さんの多くは、湿布を使用されています。
慢性期には、どちらの湿布を使用するか迷われている方も多いかと思います。
冷湿布といっても、それほど冷やす効果は無く(基材に含まれる水分の気化熱程度)、冷たく感じる冷感湿布です。
熱感・腫れのある急性期以外は、貼ってみて楽に感じる方で良いですよとお答えしています。
又、ぎっくり腰のような急性の患者さんは、アイシングやクライオセラピーの理論に基づき、以前は冷やしていました。
しかし冷え性の女性やご高齢の患者さんには、とても不評でした。
今は体格の良い男性のみアイシングしていますが、なるべく早い段階で温熱療法に切り替えています。
風呂につきましても、急性期は控えるかシャワー程度にしてもらい、くれぐれも熱い風呂に長時間入らないよう指示しています。
その時は気持ちよくても、翌朝疼痛が増悪してしまうケースがよくあります。
痛みのピークを過ぎたら、今度はぬるめの風呂でゆっくり温めてもらいます。
血行が良くなり、新陳代謝が高まって、治癒が促進されます。
、
牽引治療は効きますか
整形外科医院に勤務時リハビリ室で、急性期以外の腰痛患者さんは殆ど腰の牽引をしていました。
率直な私的感想として、残念ながら牽引で腰痛が改善したという印象は薄いです。
勿論、椎間板の除圧やストレッチ効果等が望める有用な治療法ですし、楽になったと喜ばれる患者さんもいらっしゃいました。
整形外科医の指示に基づく安全な治療法ですので、お身体に合うようでしたら、ぜひ継続して下さい。
経験不足な私的感想ですので、どうか悪しからずご容赦下さい。
電気治療は効きますか
温熱治療は、勿論効果があります。
ホットパックやマイクロ波等が使用されますが、自宅でも簡易に施術できる、とても有効な治療法だと思います。
低周波治療は、周波数により鎮痛効果・代謝促進・緊張緩和・麻痺治療にたいへん効果があります。
中周波を利用した干渉波治療は、皮膚への刺激が少なく深部まで効果の届く、心地よい治療です。
ビリビリ感が苦手でなければ、なるべくリラックスして治療を受けて下さい。
鍼治療はどうでしょう
勿論優れた効果のある治療法です。
嘘のように症状が改善する症例を、何度か目の当たりにしました。
ただ施術者によって治療技術に差がありますし、流派による患者さんのとの相性もあるでしょう。
ご自分に合った信頼できる鍼灸師を選ぶことが肝要かと思います。
カイロプラクティックや整体治療も同様です。
米国のDC免許取得者や、日本でも高度な教育を受けた、治療技術の優れたカイロプラクターや整体師が多勢いらっしゃいます。
しかし、一部技術の未熟な治療者が存在する事も、否定できません。
免許制度の充実が待たれます。
テーピングは良いですか
腰痛治療には、キネシオテープという伸縮性のテープを使用します。
開発当初は、筋肉に貼付する事で、筋肉の働きを助けて保護する効果が注目されました。
よくお相撲さんやスポーツ選手が使用していますね。
現在は、除痛効果も認められ、皮膚がかぶれ難い患者さんの多部位に使用しています。
特に腰痛患者さんは、貼付により安心感が得られる事も効果の一因だと思います。
ぜひお試しください。
まとめ
腰痛の治療を受けていて感じる疑問お解消に、僅かでもお役にたちましたでしょうか。
最後に私が個人的におすすめする手技療法として、関節運動学的アプローチ「AKA-博田法」をご紹介します。
1979年から、博田節夫先生により開発された、関節面の動きを改善し、痛みやしびれに効果のある手技療法です。
中腰で重いものを持ったりすると、骨盤にある仙腸関節に異常な負担が加わり、機能障害を起こします。
その影響が体の様々な部位の痛みやしびれ等の症状の原因となる事が多いそうです。
日本AKA医学会で正規に教育を受けた医師と理学療法士、作業療法士のみが治療を行うことが出来ます。
日本関節運動学的アプローチ(AKA)医学会のホームページで、治療が受けられる病院を紹介していますので、参考にして下さい。
様々な治療法を受けても、なかなか症状が改善しない患者さん、ぜひ試してみる価値のある手技療法だと思います。