最高のパフォーマンスを発揮するためのマラソンシューズの選び方と重要性

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通常のスニーカーとマラソンシューズの違いはご存じでしょうか?

その違いは、クッション性やホールド性、重さなど多岐にわたります。

実は通常のスニーカーはより効率よく歩くことを主な目的として設計されているので、走るといった機能はあまり重要視されていないのです。

マラソンを走るうえで、きちんとマラソンシューズを着用することはパフォーマンスの向上のみならず、大切な足や膝をケガから守ることにもつながります。

今回は、マラソンシューズの重要性やその選び方のポイントについてご紹介させていただきます。





マラソンにおけるシューズの重要性

走るという行為は、歩くときと比べて、足をはじめ下半身を中心に負荷が大きくかかります。

さらに、マラソン中足には多量の汗をかきます。

そして、長時間地面を蹴り上げ続けても疲れないように、軽量でなければなりません。

マラソンをケガなく楽しみ、納得のいくパフォーマンスを発揮するためには、通常のスニーカーではなく、軽くてホールド力があり、通気性の良い、走るための機能を重視して設計されたマラソンシューズを着用することが大切です。





マラソンシューズの主な特徴

マラソンシューズには大きく分けて4つの特徴があります。

クッション性

靴底の厚みによって足への衝撃を和らげ、負荷を軽くする効果があります。

各メーカー独自の特徴を持ったクッション素材が開発されています。

クッション性が高いと、足への負荷は和らげられるのですが、シューズ全体が重たくなってしまうため、スピードを重視する上級者には不向きといえます。

通気性

走ることでシューズの中が蒸れて熱く不快になるのを防いでくれます。

通気性が悪く、シューズの中が汗で滑ってしまうと思わぬケガにもつながってしまいます。

軽量化

より速いタイムを目指す人は是非重視してほしい項目です。

靴底が薄いため、地面へのパワーの伝道も良くなります。

一方、クッション材がほとんど使われていないため、初心者でマラソンに必要な筋肉が十分についていない人にとっては、足への負担が大きくなってしまうため注意が必要です。

体重移動のサポート

初心者でも自然と正しい走り方が身に付きます。

ダイエットや気分転換に適度に走りたい人や、マラソンを始めたばかりの人におすすめの機能です。

自分に合ったシューズを選ぶにあたって、上記4つの機能の特徴と注意点を理解して、どの機能にどの程度重点を置くかを考えることが重要です。

マラソンシューズの正しい着用方法

マラソンシューズは、正しい履き方と靴ひもの結び方によってその性能を余すところなく発揮することができます。

まずは、靴ひもを全体的に緩めてから足を入れます。

そして、地面に踵を軽くトントンと打ち付けて、シューズに踵をぴったりと合わせます。

このひと手間により、足がシューズの中でズレにくくなります。

次に、靴ひもを結びます。

つま先側はきつく締めすぎないように、足の甲のあたりから徐々に締め込んでいきます。

最後の穴に靴ひもを通したら、一度靴ひもを真上に引っ張ります。

この動作により、足首をしっかりと固定することができます。

そして、靴ひもを一度クロスさせて、足裏を地面にぴったりつけます。

今度はそのまま踵を蹴り上げます。

踵を蹴り上げた状態が、足が一番広がった状態なので、このまま蝶結をして着用完了です。

マラソンシューズを正しく着用して足をシューズの中で固定することにより、靴擦れやマメの予防につながります。

私も、正しい着用方法を知るまでは、走行中の靴擦れやマメに悩まされました。

フルマラソンを完走した後に、足の指を見たらつま先が靴に当たっていたのか、爪がひどく内出血していたこともあります。

もちろん、内出血の痛みが治まるまで、しばらくの間マラソンの練習ができませんでした。

そのくらい、シューズを正しく着用することは大切なのです。

マラソンシューズの正しい選び方

基本

自分の目的やレベルに合ったシューズを選ぶことは、ベストなパフォーマンスを発揮するためにはとても重要なことです。

そして、自分の足をケガから守ることにもつながります。

私は、マラソンシューズを購入する際には、デザインよりも、機能性や自分のレベルに合っているかどうかを重視して選んでほしいと思います。

基本的に、ランニングシューズは「どの程度の速さを目指すのか」によって選択肢が変わってきます。

最近のマラソンブームの影響もあり、ランナーのレベル別に見やすく陳列されているお店も増えてきています。

足に負担の少ないシューズと、速く走るためのシューズは相反する関係にあります。

どちらをどの程度重視するのか、熟考したうえで選ぶことをおすすめします。

そして、購入前には必ず店員さんに正しい足のサイズを測ってもらい、試履きをすることをおすすめします。

そして、両足履いて靴ひもをきちんと結んで店内をある程度歩いて、フィット感を確認して下さい。

初心者

目安として、時間はかかってもフルマラソンの完走を目指すというレベルです。

初心者のうちは、靴底の厚いクッション材が多く使われたシューズがおすすめです。

クッション性の高いシューズは、安定性があり、足を衝撃から守る機能に優れています。

中級者

目安として、フルマラソンを4時間台での完走を目指すレベルです。

初心者向けのものより、クッション性は若干下がるが、ある程度軽さを重視したものを選ぶのがおすすめです。

こちらは初心者向けのものに比べて、靴底が薄く軽量化されており、パワーの伝達性が高くなるため、走りのパフォーマンスを高めることができます。

上級者

目安として、フルマラソンが2時間から3時間台で完走を目指すレベルです。

上級者の場合は、レース用のシューズを選ぶのがおすすめです。

一般的にレース用のシューズは、地面へのパワー伝達を重視するため、徹底した軽量化が図られているため、クッション材はほとんど入っていません。

フルマラソンを3時間台以内で完走できるレベルであれば、身体や足は十分に鍛えられているので、クッション材に頼らなくても足への衝撃からくる負荷に耐えることが出来るかと思います。

シューズを選ぶうえで知っておくべきマラソン専門用語

マラソンシューズ専門店に行って、販売員さんに相談していると、結構頻繁に専門用語が出てきます。

より詳しいアドバイスをもらうためにも、最低限知っていた方が良いマラソンシューズやマラソンに関する用語をいくつか紹介させていただきます。

アウトソール

靴底で地面との接地面のこと。

靴底は下から「アウトソール」、「ミッドソール」、「インソール」と3層になっていて、このアウトソールが擦り減ってしまい、ミッドソールが出てきたときが買い替えのタイミングの目安といえます。

ミッドソール

クッション材などが使用されている部分。

インソール

足に接する部分で中敷きのこと。

マラソンシューズにおいては、大抵は取り外し可能なものになっています。

足や膝、腰への負担を軽減してくれる機能をもつものも多く出ています。

メーカーによっては、自分の足の形に合わせてオーダーやセミオーダーでインソールを作成してくれるところもあります。

ウィズ

足囲のこと。

代表的なメーカーでは、後述するニューバランスが、このウィズによるサイズ調整が可能となっています。

アーチ

土踏まずの部分。

アッパー

足の甲を覆う部分のこと。

マラソンシューズでは通気性を重視するため、ほとんどの場合メッシュ素材が使われています。

ラスト

シューズを制作するうえで使われている足型のこと。

各メーカーによって、微妙に形が異なる足型が使われています。

シューホール

靴ひもを通すための穴のこと。

シューレース

靴ひものこと。

サブスリー

フルマラソンを3時間以内で完走すること。

同じように、「サブフォー(4時間以内)」「サブファイブ(5時間以内)」といった使い方もされます。

LSD

ゆったりとしたペースで90分以上走り続けること。

軽い負荷を長時間かけることにより、持久力を高めます。

また、体脂肪を燃焼してくれるのでダイエットにもよいといわれています。

ビルドアップ走

最初はゆっくりペースでスタートし、徐々にペースアップしていくトレーニング方法のこと。

ペース走

一定のペースで走りきるトレーニングのこと。

マラソン本番で、自分のペースをゴールまで守りきるためにはとても重要なトレーニングです。

インターバル走

速いペースと遅いペースのランニングを繰り返すトレーニング方法のこと。

繰り返すことで心肺機能の向上につながり、結果的により速いペースで走ることができるようになります。

他にも、マラソン用語はたくさんありますが、上で紹介した用語を知っているだけでも、販売員さんとの会話も弾み、より自分に合ったマラソンシューズが探しやすくなるかと思います。

私の経験上、マラソンシューズの販売員さんは自身でもマラソンを本格的にやっている方が多いので、マラソンのレベルアップにつながる有益な情報も色々聞けたりするので、シューズの質問以外にも、積極的に話しかけてみることをおすすめします。

代表的な各メーカーの特徴

アシックス

アシックスはもともとスポーツシューズの製造販売から始まった日本の企業で、日本人ランナーには1番人気のあるメーカーです。

日本人の足にフィットするようにマラソンシューズの研究をし続け、設計開発しているため、日本人の足に合ったモデルの展開が多いです。

特筆すべき特徴は、そのクッション性の高さにあります。

「GEL」と呼ばれるアシックス独自の劣化しにくい衝撃緩衝材や「スピーバ」と呼ばれる高い反発力を持った素材を中敷きに使用するなど、革新的な技術が取り入れられています。

アシックスショップに行くと、無料で専門知識を持ったスタッフに自分の足を測定してもらうことが出来ます。

足の長さだけでなく、足の周りや、土踏まずの高さ、踵の傾きなど細部にわたって、3次元足型計測器で正確に測定したうえで、自分の足に最適なマラソンシューズをおすすめしてくれます。

さらにフィット感を高めたい場合には、有料でセミオーダーの中敷きを作ってもらうことも出来ます。

他にも、走行測定といってランニング時の足の運び方のクセも分析してもらえます。

ちなみに、私もここ数年はアシックスのマラソンシューズを愛用しています。

ナイキ

ナイキのマラソンシューズはデザイン性に優れているものが多いため、若い世代に特に人気があります。

通気性と軽量化に秀でているものが多いです。

また、欧米人向けの製品開発を行っていることが多いため、足幅が狭いデザインが多いのも特徴です。

日本人は足の甲幅が広めの人が多いので注意が必要な点ですが、逆に甲幅が狭い人にとってはよりフィット感が良いのでおすすめです。

また、スマホとシューズを連携させて、走ったデータを「NIKE+」というアプリで記録・管理しておけるという便利な機能もあります。

このアプリを使ってトレーニングメニューの組み立てもできるので、目標に向けてのモチベーション維持にも役立ちます。

ニューバランス

ニューバランスはアメリカのメーカーですが、日本人の足型に合わせたマラソンシューズの開発も行っています。

機能性とファッション性の両方を追求した製品が多いのも特徴です。

また、世界で初めて「ウィズ(足囲)」のサイズ選択を可能にしたモデルも展開しており、幅広の足を持つ人が多い日本人にとっては嬉しいポイントとなっています。

クッション性重視のものから、レース用の軽量モデルまで幅広くラインナップされています。

アディダス

デザイン性や機能性ともに申し分なく、在庫も豊富な人気メーカー。

他のブランドにはないセンスの良いカラーリングが魅力的なので、おしゃれなランニングシューズを探している人におすすめのメーカーです。

ソールが薄く、非常に軽量化され通気性の良いモデルが多いのが特徴です。

注意点としては、足の甲幅が狭いモデルが多いので、購入時には試履きすることをおすすめします。

しかし、最近ではワイドサイズのモデルも発売されてきているので、今後の展開に期待したいです。

ミズノ

横幅の広いモデルが多く、日本人の足にフィットするモデルが豊富です。

ミズノ独自のウェーブ形状のクッションシステムは着地時の衝撃を和らげてくれます。

高価格帯のモデルにはこのウェーブ形状のシートが2枚以上使用されており、更に安定感においても抜群のパフォーマンスを発揮してくれます。

基本的にはレベル別にモデル展開されており、更にその中から走り方のクセやタイプ別に自分に合ったシューズを選ぶことが出来ます。

直営店では、最新の機器を用いて、足型だけではなく、脚の形状・関節の柔軟性・走行方法などのあらゆる角度から走りを検証して、自分に合ったマラソンシューズを提案してもらうことが出来ます。

まとめ

マラソンシューズは、より良いパフォーマンスを発揮すると同時に、大切な足を守ってくれる役割もあります。

マラソンシューズは軽ければ良いというものではありません。

レベルによっては、クッション材が必要となるため、ある程度の重さも必要なのです。

上記で紹介した事項をふまえて、自分のレベルや走り方の特徴、足の形に合ったマラソンシューズを選ぶことが大切です。