GeforceのGTX1080とGTX1070Tiはどちらがおすすめ?

グラフィックボード(グラボ)

MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G 『Twin Frozr VI/OCモデル』 グラフィックスボード VD6060

少し前にGTX1070の性能強化版であるGTX1070Tiが発売されましたが、中々高性能と言う事で、GTX1080とどちらにするか迷っている、という人も多いのではないでしょうか。

今回はこの2つのグラボにはどのような差があるのか、またその差によってどのくらいの性能差があるのか、実際に使う場合にはどちらがおすすめになるのかなどについてまとめました。

参考にしていただければ幸いです。



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GTX1080と比較したときのGTX1070Tiの特徴は?

既存のハイエンドであるGTX1080と、GTX1070Tiを比較した場合の特徴としては次のようなものがあります。

  • GTX1080比95%程度のコア規模を持つ
  • ベースクロックはGTX1080と同一
  • VRAMはGTX1070と同一
  • メーカーレベルでのOCに制限あり

などの特徴があります。

GTX1070Tiの大きな特徴でもあり、ベースとなっているGTX1070から大きく変化している点の1つがコアの規模です。

GTX1080のコアと比較しておよそ95%に相当する大規模なコアを有しているため、無印GTX1070と比べてもかなりスペックが強化されています。

また、コアクロックに関してもブーストクロックこそ据え置きの1683MHzなものの、ベースクロックに関してはGTX1080と同等の1608MHzまで引き上げられるなど、随所が強化されています。

一方でグラボ間の性能差を逆転させないために、Nvidiaからの指示でメーカーレベルでのOCが禁止されているため、OCについては手動かつ自己責任で行う必要があります。

GTX1070TiはOCが禁止されている?

GTX1070TiはNvidia側の指示でメーカーレベルでのOCを禁止されるという異例の対応がされています。

これはグラボ間の性能差を維持するためであり、GTX1080比で95%近いコア規模を誇るGTX1070TiでOCを許してしまうと、GTX1080を超えるスペックを発揮してしまい性能が逆転してしまう事を防ぐ狙いがあります。

ですが、このOC制限というのはあくまでも「グラボを普通に接続するだけでOCした状態で使える」といった製品を禁止するというものであり、ユーザーが自主的かつ自己責任の下で行うOCや、グラボにOC用設定を内包したユーティリティツールを付属させ、グラボを買ったユーザーがそれをインストールすることでOC状態にする事については禁止してはおらず、実際にOCした時の動作を安定させるために電源系の強化を行ったオリジナルモデルなども販売されています。



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GTX1070Tiと比較したときのGTX1080の特徴は?

ASUS Nvidia GTX1070TI搭載ビデオカード ROG-STRIX-GTX1070TI-A8G-GAMING

新しく登場したGTX1070Tiと、既存モデルであるGTX1080を比較した場合のGTX1080が持つ特徴は次のようなものがあります。

  • ブーストクロックがGTX1070Tiよりも高い
  • VRAMが広帯域かつ高クロック仕様
  • OCに制限が無い

などの特徴があります。

ブーストクロックについては、GTX1070Tiが無印1070から据え置きの1683MHzであるのに対して、GTX1080では更に高い1733MHzに設定されているOC時の伸びしろが高めの設定になっています。

また、大きな違いとして、搭載しているメモリの種類が異なる点があります。

GTX1080と1070TiではVRAMの容量こそどちらも8GBですが、GTX1080は広い帯域と高めのメモリクロックを持つGDDR5Xを使用しており、VRAMへの負荷に強い構成になっています。

そして、最も大きいのがOCが制限されていないという点です。

メーカーレベルでのOCも行われているため、余計な設定などをせずとも手軽かつ確実に高クロックのグラボを手に取る事が出来るのが利点になっています。

2つのグラボの性能差はどのくらい?

GTX1080とGTX1070Tiを比較した場合、ベースクロックが同一な事もあってか定格動作で比較すると性能の差は概ねコア規模5%の差に準じる形になり、ベンチマークなどのスコアはGTX1080のほうが数%ではあるものの高いスコアを出す傾向があります。

ただし、これはあくまでもベンチマークなどの数値化されたスコアの話であり、実用レベルではそもそも差を体感出来ない事の方が多いという点について留意してください。

特に処理の負荷が比較的小さいフルHD環境などでは、どちらのグラボを使っても性能が飽和してしまう可能性が非常に高いため、GTX1080やGTX1070Tiのスペックの高さを体感するには高負荷のゲームなどを動作させるか、解像度を4Kなどまで引き延ばして動作させる必要があります。

OCでGTX1070TiでGTX1080の性能に追いつける?

これについては可能です。

先にも書いた通り、メーカーレベルでのOCが禁止されているため、AfterBurnerなどを利用して個人でクロックを引き上げる設定をする必要がありますが、GTX1070Tiのクロックを100~130MHz 程度上乗せして1700~1730MHz近くに設定すると、定格のGTX1080との性能差を埋めてほぼ同等の性能を発揮することが出来る他、一部のベンチマークでは定格のGTX1080のスコアを上回る事も可能です。

ただし、あくまでもGTX1070TiをOCすると定格のGTX1080に追いつけるというだけで、OC済みのオリジナルモデル版GTX1080などとは依然として性能に小さくない差がある点と、OCする分だけグラボに負担がかかりやすい事、消費電力が増加してメリットであるワットパフォーマンスの良さが失われる事には注意が必要です。

消費電力の差について

GTX1080とGTX1070Tiは電源周りに要求されるスペックが非常に近いものになっています。

リファレンスモデルではどちらも共通してTDP180W、推奨される電源容量500W、補助電源8ピン1基が必要になっている他、オリジナルモデルでは更に追加の要件がある事があります。

実動作における消費電力に関してもほぼ同一ですが、CUDAコアの数が少ない分少しだけGTX1070Tiのほうが消費電力が少ない傾向があります。

一方で、GTX1070TiはOCするとGTX1080とほぼ同じ性能になる代わりに、消費電力はGTX1080以上に食うため、OCを常用する気でいるならGTX1080を定格で使った方が最終的には安く済む事も少なくありません。

GTX1070Ti最大のネックは価格?

現在のGTX1070Tiが持つ最大のネックはその価格の高さです。

新しく登場したものという事もあってか価格は高止まり気味で、あくまでもこれから安くなってきそう、現状は割高感がかなり強いという状態になっています。

その一方でGTX1080は既に発売からある程度の年月が経過しているため、価格はかなり抑えられ、ハイエンドモデルとしてはかなり手に取りやすい価格に落ち着いてきています。

物によってはGTX1070Tiよりも安く買える上、OC済みの製品を確実かつ手軽に買うことが出来るといった、メリットが多くある状態なのもGTX1070Tiにとっては逆風になっています。

どっちがおすすめ?

個人的におすすめしたいのはGTX1080です。

大きな理由としては現状GTX1080の中でも比較的安いものを買った方が、性能を高くしつつ、それでいながら安く済ませられるというメリットがあるからです。

とはいえ、GTX1070Tiが悪いといった意味はなく、むしろ大きな溝があったGTX1070とGTX1080の間をしっかり狙った性能を持ったグラボになっているため、どちらかでは選び辛かった層には嬉しい選択肢になっていると思います。

ですが、少し価格が高すぎるのがネックになっているのも事実です。

GTX1070Tiは価格が少なくとも6万円以下、5万円前半程度まで価格が抑えられれば、ハイエンドグラボの選択肢の1つとして考えられるようになると思います。

まとめ

現時点でGTX1080とGTX1070Tiの2つから選ぶのであれば、自分はGTX1080を選ぶことをおすすめします。

GTX1080は価格の安定感、性能、消費電力などどれを取ってもいいバランスになっていて、選んでも後悔しにくいグラボです。

対するGTX1070Tiも決して悪いものではなく、価格の落ちつき方次第ではかなりおすすめのグラボになるため、今現在というよりも今後に期待が持てるグラボの1つだと思います。