まくらの素材による注意点
現代ではたくさんの素材がまくらに利用されています。
枕に困っている、あるいはこだわっている人の大半が一度は数万円もする高いまくらを買ったことがあると思います。
現代病と言っても良い不眠によって眠り産業は賑わっています。
まくら専門店に行けば、まくら専門家が何やら複雑な計器で割り出した数値を基に様々な素材や形かのまくらをすすめてくれます。
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さまざまなまくら
まくらの一部が出っ張ったもの、へこんだもの、中央にステッチを入れ、凸凹にしてあるもの、前方後円墳のような不思議な形のもの、さらに渦を巻いたドーナツのようなものなどがあります。
選んだ形に好みの中身を入れることができるお店もあるようで、そうなると形と素材の組み合わせば膨大で、無限大の組み合わせがあると言えます。
しかし、本当に体に合うまくら、本当に健康に対して有効なまくらを考えたときに、行き着く形は凄くシンプルなものになります。
本人にとって高すぎず、低すぎず、横向きに寝ると頭から首、胸の中央まで真っ直ぐに敷き布団の面に並行になるまくらです。
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枕の形
本当に体に合うまくらを実現するのに複雑な形は必要ありません。
むしろ複雑な形のまくらほど体に重い負担をかけてしまう危険すらあります。
実際に首にジャストフィットするとうたわれたまくらが体の寝返りなどの自由な動きを奪い、スムーズな寝返りを阻害するような形になっているものもあります。
ただ、まだ全体的には少ないですが、病院やまくら専門店でも個人個人に合わせて個々の枕の高さを微妙に調節してくれるところもあります。
そして、1番大切なのはまくらが自分の体に合わないからと言ってむやみやたらと次々に買い替えるのではなくて、どうして合わないのか、どうしたら合うのかを考え、本当に自分の体に合うようにまくらを調節していくことです。
本当の健康につながる快眠、熟睡には自分のまくらに対する見た目の好みをいったん捨てる必要があります。
まくらの改善
実は使い慣れているまくら、使い心地の良いまくらが体に負担になっていたというケースは決して珍しくありません。
こうした自分好みのまくらが健康を阻害している場合もあるのです。
明らかな使い心地の悪さがあれば、様々な不調はまくらが原因かもしれないと思いあたります。
思いあたれば、まくらを調節する、病院に相談してみるなどの改善の道が開かれます。
ですが、様々な不調とまくらの因果関係に気づかないままでは、改善ができません。
気づき思い当たることで改善が始められます。
ふわふわのまくらで頭が沈みこみ、首が沿った状態では熟睡できません。
高めのまくらだと首が屈折した状態になり気道が圧迫されて息苦しくなってしまいます。
枕の素材
これまでに買ったことがあるまくらの素材として最も多いのが、テレビなどでもよく宣伝されている低反発ウレタンフォームでしょう、プラスチックチップ、羽毛、綿、そば殻などもあるかもしれません。
低反発ウレタンフォームとはポリウレタンを発泡させたもので、もともとアメリカ宇宙局NASAが、ロケット発射時のショックアブソーバーの用途として使っていたものを寝具に転用したものです。
10年程前に出始めて以来、この低反発ウレタンフォームのまくらは急激に広まり、今では枕の1番の人気素材になりました。
最近は寝具売り場のある大型スーパーやホームセンターなどでもだいぶ安価でうられており、手には入りやすくなっています。
低反発まくらの注意
低反発まくらはその名前の表す通り、上に乗ったものを押し返すことなくゆっくりと沈む様にヘコんでいきます。
密度の濃いスポンジのような感触で、頭と首の形にフィットします。
それがしっとりとした質感と相まって心地よさを演出します。
これまでになかった感触がヒットの要因なのだと思われますが、首と頭の重みを預けるものとしては、頭が沈んでしまうために適しているとは言えません。
頭と首がフィットするということは低反発枕ウレタンフォームまくらとは、言い換えれば頭から首がまくらに沈み込んでいる状態をつくるまくらです。
その特徴が実は首を屈曲させ寝返りの打ちにくい不自然な睡眠姿勢を招いていることもあります、また、全層がこの低反発枕ウレタンフォーム素材だと使っているうちにまくらがヘタってきたり通気性が悪く、多湿になる夏場は蒸れやすいという難点があります。
そのため、硬めの素材と二層になっているものがおすすめです。
人気な素材
低反発ウレタンフォームまくらの次に人気素材であるプラスチックチップは、合成樹脂を球状や円筒形に成形したもので、これを使ったまくらはボコボコとしていて硬めなのですが、その硬さが好きだという人が愛用しているようです。
また通気性がよく、カビやダニの心配がないことから選ぶ人も多いようです。
ただ、スムーズな寝返りのためには頭と首の可動性が最も大切なのですが、プラスチックチップのまくらはスムーズな寝返りを妨げてしまう可能性があります。
次に人気で古くから使われている素材に羽毛があります、ふわふわとしたゴージャスな使用感が人気のようです。
頭がふんわりと包み込まれるような質感は心地よさがあります。
ただしその極上感は、頭をちょっと乗せてみた限りでのことです。
何時間もふわふわと頭の位置が定まらないようでは、首を真っ直ぐキープできません。
やはり、不自然な睡眠姿勢を作ってしまう枕ではぐっすり眠れない要因になり得るのです。
自然素材
代表的な自然素材に綿のまくらがあります。
綿の材料として代表的なのはパンヤの木という熱帯果樹の幹から取れる繊維を集めたものや、ポリエステル繊維、木綿などがあります。
ほかにはそば殻などもあります。
脱穀後のそば殻を使ったものでそば殻が三角錘の形をしているため、枕のなかに細かい隙間ができ、通気性や吸湿性に優れています。
綿のまくらもそば殻のまくらも適度な弾力性があって使い心地は良好です。
ただ綿は低反発ウレタンフォーム素材よりもヘタりやすく、そば殻素材は中身が片方に寄ってまくらが変形しやすい点が問題です。
ヘタりも変形も首や背骨に負担をかけ、寝苦しさの原因になってしまいます。
ジャストサイズ
ジャストサイズの高さを求めるには上向きに寝たときの高さと横向きに寝たときの高さの両方の高さを優先する必要があります。
睡眠姿勢には静的睡眠姿勢と動的睡眠姿勢とがあります。
上向きに寝たときの首の角度は約15度前後が理想です。
それと同時に血液やリンパ液、間接液などを滞りなく循環させるために寝返りも打ちやすくしなければなりません。
そのため、上向きと横向きの両方がジャストサイズであることが大事です。
まず横向きに寝て高さを調節し、さらに上向きに寝て高さを調節しますが、上向きに寝たときに首の角度が15度前後になるようにして、さらにこの範囲内でも快適な高さを探っていきます。
上向きと横向き、両方の高さがしっくりきても、そこから身動きできなければ寝返りがうまく打てません。
そのためには、まず頭が沈み込まない硬さが重要です。
素材としては低反発ウレタンフォームや羽毛、それから綿は初めから柔らかすぎたり、プラスチックチップやそば殻素材は使っているうちに中身が寄ってしまって頭が沈みこみ寝返りの動きを妨げてしまいます。
まとめ
長年さまざまなまくらを使ってきて、素材に関してもこだわりをもつようになっている人も多いことでしょう。
でも、そのこだわりもまた、注意しなければならない点があるかもしれません。
本当に体に合う枕を探し出すにはやはり専門店や病院で相談するのが1番ですが、自分で一から調節しつつ作ってみるのも良いかもしれませんね。