正しい姿勢と骨盤の位置を意識して腰痛予防
たくさんの人が辛い思いをしている腰痛ですが、腰痛になるメカニズムを理解して、少しだけ意識して行動するだけでかなり改善させることができます。
姿勢と骨盤の関係など、無意識の内に取っていた腰痛になりやすいできるだけやめて、無理なストレッチや筋力トレーニングをしなくても腰痛を緩和させることができる方法を紹介します。
目次
正しい姿勢を保つことこそが1番の腰痛予防
本来人間の体は、頸椎が前湾、胸椎が後湾、腰椎が前湾、仙椎・尾椎が後湾しています。
このような湾曲を「脊柱の生理的湾曲」といい、この状態こそが疲れにくく腰痛などになりにくい理想的な正しい姿勢になります。
「脊柱の生理的湾曲」が常に保たれていれば頭や上半身の体重を交互の生理的湾曲がしなるように分散させ、腰にかかる負担をできるだけ軽減させてくれます。
長時間同じ姿勢だと筋疲労が生じるので実際には少しずつ姿勢を動かした方が良いのですが、基本的には「脊柱の生理的湾曲」を無理なく維持することが理想的な正しい姿勢と言えます。
正しい姿勢を維持することは意外としんどい
しかし正しい姿勢を維持すること自体なかなか難しく、仕事でデスクワークやパソコン作業が長引くとだんだんと姿勢が悪くなってきてしまいます。
最初の内は意識的に姿勢を正す努力をしても、仕事に集中すればするほど猫背になってしまう人は多いと思います。
猫背になると顎が前に出て背骨が前屈し、腰椎が後湾して骨盤が寝た状態になってしまいます。
このように「脊柱の生理的湾曲」のバランスが崩れてしまうと、頭や上半身の体重を交互の生理的湾曲によって分散させていた機能が作用しなくなり、腰に直接負担が伸し掛かってしまうのです。
姿勢によって変化する腰にかかる負荷
また、「脊柱の生理的湾曲」を意識して立っている状態と座っている状態でも異なり、いくら姿勢が良くても座っている状態だと立っている状態の1.5倍近くの負荷が腰にかかります。
さらに猫背で座っている状態だと正しい姿勢で立っている状態の2倍近くの負荷が腰にかかってしまいます。
座りっぱなしの状態で、しかも猫背で長時間作業を続けることは腰にとって重い負荷がかかりっぱなしの状態であり、これが腰痛の大きな原因の一つなのです。
大腰筋などのインナーマッスルを鍛えて骨盤をしっかり立たせよう!
正しい姿勢を意識しても時間が経つとともに猫背になってしまう人は、骨盤をしっかりと立たせて正常な位置に戻さなければなりません。
背筋が伸び、「脊柱の生理的湾曲」のバランスが良い状態の時、骨盤はしっかりと立っているのです。
そこで重要になってくるのが大腰筋や腸骨筋といったインナーマッスルです。
これらのインナーマッスルが鍛えられていれば、骨盤をしっかりと正常の位置に引っ張り固定してくれます。
またインナーマッスルの強化と合わせて、腹筋と背筋の筋力もバランス良く強化するとさらに効果的です。
腹筋と背筋を強化することにより頭や上半身から腰に伸し掛かる負荷で、「脊柱の生理的湾曲」で分散しきれなかった負荷をしっかりと支えてくれます。
このように大腰筋や腸骨筋を強化して骨盤を立たせ、腹筋と背筋を鍛えて負荷を支えることが、より効果的な腰痛予防に繋がるのです。
筋トレ嫌いの人にもおすすめの大腰筋の鍛え方
インナーマッスルである大腰筋を鍛えよう、とだけ言われれば難しいように思うかもしれませんが、大腰筋は日常生活の動きを少し意識するだけで鍛えることができます。
まずは意識して骨盤を立たせて背筋を伸ばします。
この時点で大腰筋に負荷がかかっており、軽い筋力トレーニングをしている状態になります。
さらにこの姿勢を保ちつつ買い物に出かけたり、通勤電車の中で立っていたりするだけで大腰筋に負荷がかかり続け、次第に強化されていきます。
このようなちょっとしたトレーニングを長期間続けることで、正しい姿勢を保つための大腰筋が強化され、楽に骨盤を立たせた状態を保つことができるようになっていきます。
まとめ
腰痛を予防・改善するのに良い方法があったとしても、毎日ランニングや筋力トレーニング、入念なストレッチなどが必要だとなかなか継続することができません。
しかし、1日の内の何回か骨盤をしっかり立たせて行動するだけで次第に腰痛が楽になってくるのであれば、誰でも簡単に継続することができます。
継続できない無理なトレーニングではなく、少しの意識の変化で無理なくできる腰痛予防を実践してみましょう。