生活習慣としての「まくら」
新生活をはじめた方、引っ越しで寝具を処分してしまった方…何かしらの転機で寝具を変えるときに、「とりあえずこれでいいや」と安易にまくらを選んでから、そのままお過ごしの方も多くないでしょうか。
現代には、眠りにまつわる一見些細にも思える問題が多くあります。
眠りが浅い・安眠できない・すっきりと起きられない…。
こういったことが積み重なると、バイタル・メンタルでのバランスをやがて崩しそこないません。
そこで、1人1人にあった最適なまくら選びについて考えてみたいと思います。
肩こり・腰痛におすすめのまくら(枕)ランキングベスト3はこちら
目次
安価なまくらとその問題点
まくらの素材は、大きく分けると「フェザー」「低反発」「パイマー」の3種類です。
特に昨今は低反発素材への注目が増し、選択肢として入れるかたも多いのでしょうか。
また、形状面についても考えてみましょう。
比較的入手しやすく、イメージしやすいまくらは「布を単純に袋状に縫製し、その中に上記のような素材を詰めたもの」です。
中につめる素材の量によって高さを変えたり、時には香りや感触についても楽しめたりすることができます。
ただし、問題もあります。
皆さんが眠るとき、枕に乗せるのは「頭だけ」あるいは「首から上の部分」ではないでしょうか。
前者の場合、先に述べたような形状だと、少しうつむくような姿勢になってしまいます。
後者の場合、素材感がその人の頭の重量にあっていれば問題ありませんが、首が圧迫あるいは弛緩されすぎて、眠っている間にうまく呼吸ができないこともあります。
今ある枕とその形状についてもう一度振り返ってみて、考えてみてはいかがでしょうか。
肩こり・腰痛におすすめのまくら(枕)ランキングベスト3はこちら
実はまくらが一因だった病気
どうしても眠りが浅い、眠りにつきにくい。
朝起きると口が乾いている…。
こういった症状は悪化すると、身体や心を蝕み「うつ病」や「生活習慣病」につながる場合もあります。
特に最近警告されるのが、睡眠時無呼吸症候群です。
基本的には、体脂肪率や生活習慣などが原因といわれていますが、「自分に合わないまくら」を使っていることも症状を悪化させていることがあります。
また、うつ病の患者さんのなかでも、不眠が症状のひとつとしてある場合、寝具の環境を変えることを医師から進められる…というケースが多々あります。
いびきが大きくありませんか?
ご家族で暮らされている方は、いびきが大きいと指摘されたことはないでしょうか。
実はこの原因、単刀直入に言うと「まくらが高い」ことにあります。
先述した「少しうつむくような姿勢」つまり頭の部分が高すぎると、気道が圧迫され、眠っている間に呼吸しづらくなってしまうのがいびきの原因です。
また、呼吸の基本は「口呼吸」ではなく「鼻呼吸」です。
いびきは基本的に口呼吸でありますがこれは万病の元で、また美容面でも顔の形を変えてしまう恐ろしい習慣と言われております。
適切なまくらの高さを保ち、花から気道への道を確保して、しっかりと鼻呼吸するのが健康につながります。
眠りの仕組みについて
まくらからは少し本題がそれますが、眠りについても考えましょう。
睡眠のメカニズム
就寝2時間ほど前になると、昼間に活動エネルギーとして分泌されていた「セロトニン」が「メラトニン」に変換され、人は眠さを感じます。
また、眠りについてからも時間ごとに変化がおきます。
かのナポレオンは一日に3~4時間ほどしか眠らなかったと言いますが、人は就寝後ちょうど3時間ほどの間に十分な休息・回復をとれるよう深い眠りにつき、そこから覚醒に向かいます。
つまり、眠りはじめてから3~4時間の間が身体にとってもっとも重要な時間なのです。
なぜ眠れないのか
原因は様々ありますが、健康な人の場合は「昼間の居眠り」が原因であることが多くあります。
先に述べたように、眠りにつく際は「メラトニン」という誘眠ホルモンが分泌され、その間は活動に必要なホルモンが減少してしまいます。
つまり、いざ夜眠るときになると、メラトニンに変換すべき必要な活動ホルモンが足りなくなり、眠れなくなるという現象に繋がります。
普段から夜の眠りが浅い人は、昼間の居眠りが多くなり、また夜眠れなくなる…などのループに陥ってしまいがちです。
まくらを買い替えてみましょう
さて、ここまでお読みいただいて「まくらを買い替えてみよう」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インターネットや専門店へいくと、オーダーメイド・高級ブランドの枕・プチプライスの口コミまくら…さまざまな種類があります。
しかし、ここで重要なのは「いいまくら=高いまくらではない!」ということです。
ご自身の首や頭の位置をしっかりとキープし、眠りの姿勢を支えてくれるものであれば、値段は問いません。
また、まくらは実は「消耗品」でもあります。
どんな素材のまくらでも自重で沈んでいくため、やはり定期的な買い替えが必要なのです。
このことを考慮して、お財布と相談しつつ、選ぶのをおすすめいたします。
悩みに沿うまくらの種類
肩こり
一般的に、硬めの素材のまくらがよいとされています。
アレルギーがなければそばがら、ほかにはパイプ・ウレタン・ビーズ・ひのきなどがよいでしょう。
天然素材のものは香りが楽しめます。
まくらの形状の選び方ですが、まずは起立しているときの自分の首・頭の角度をチェックしてみましょう。
この状態をキープしたまま就寝できるのが理想的です。
寝返りで横向きに寝たときも、顔から体が一直線になるかどうかを確認してみましょう。
不眠
基本的には肩こりで紹介したまくらと同じ選び方で大丈夫ですが、素材感・通気性・香りにも注意してみましょう。
今ある枕にタオルを巻いたり、中の素材を少し抜いたりして高さを変える・ピローミストで就寝時の心地よい環境を作ってみる、という方法をご提案できます。
長期的に見て眠りが変わるか、ということが重点になってくるので、一度枕の環境を変えた場合は、劇的な変化がない限り1週間程度は試してみましょう。
おすすめのまくらの探し方
大手流通サイトの口コミや価格比較サイトで探すのも一手ですが、ぴったり合うまくらというのは人によって異なります。
東急ハンズ等の大手こだわりグッズ販売店や、デパートの寝具コーナーに行くと、気軽に寝たときの姿勢を試すことができます。
とくに前者だと、低価格帯から高級ラインナップ、時にはオーダーメイドまくらまで様々備えていることが多いので、やはり自分で足を運んで探してみるのが一番良いと言えるでしょう。
また、先述の通りまくらは消耗品です。
実際につかってみないと、耐久性は分かりません。
一度いいと思える枕を見つけたら、商品名などを書き留めて、口コミを確認してみるのがいいでしょう。
実際に使っている人の体験談・とくに耐久性について参考にすることができます。
眠りの前のちょっとした工夫
まくら以外にも、眠りの前に習慣づけたいことがいくつかあります。
自宅にいることの多い人は、寝具の上にいる時間を少し減らしてみましょう。
寝具を「眠る場所」と強く意識づけることで、いざまくらに頭を横たえたときの快感・安眠に繋がります。
また、最近はルームスプレーやピローミストも多く出回っています。
どれも香り過ぎず、適度にリラックスできるようつくられているものなので、試してみるのもよいでしょう。
まとめ
人は一生のうちの3分の1を、まくらに頭を横たえて過ごします。
必然的に、健康や心のもちようにつながるのは否めません。
どうにも頭がしゃっきりとしない、心が疲れた、身体が上手く動かなくなってきた…病院にいくほどでもないけれど悩みがある、という方は、まくらを見直してみてはいかがでしょうか。
普段使いのものを買い替えるというのは気持ちの転換にもなりますし、ちょっとした贅沢な気分にも浸れます。
よい睡眠を得られるよう、願っております。