マットレスの寿命を長くするメンテナンス(お手入れ)
マットレスは、高級であっても格安であっても使っているとだんだん痛んできます。
しかし、少しの工夫やメンテナンスにより、少しでも痛みの進行を抑え、より長く良い状態を維持することができます。
せっかく高いマットレスを買っても、痛みが進んだり、へこんで来たりしてしまっては、質の高い睡眠を得ることはできません。
今回はマットレスをより長持ちさせるためのメンテナンスについてご説明します。
12年間腰痛の私が絶対おすすめするマットレス・敷布団ベスト16ランキングはこちら
マットレスはなぜ痛んでいくのか
マットレスはなぜ痛んでいくのでしょうか?
買ったばかりの頃は、弾力性も抜群で、表面もさらさら気持ちよかったのに、だんだん弾力性がなくなり、表面にはカビが生えてきます。
その理由は大きく以下の2つです。
- 垂直方向に圧力を受け弾力性が失われる
- 汗を吸収して湿気がこもりカビが生える
垂直方向に圧力を受け弾力性が失われる
マットレスに人が寝ることで、常に垂直方向に重力がかかります。
マットレスは体圧分散を行うために、圧力がかかるとある程度へこむようになっており、押し込まれた状態を毎日数時間継続する状態になります。
ほとんどの場合、人はマットレスの中心付近で毎日寝るため、常に同じ場所だけ圧力がかかる状態になっています。
マットレスを買った初期においては、人が寝ている場所と寝ていない場所で差はありませんが、だんだん時間がたっていくと、人が寝る場所がへこんできてしまいます。
高級マットレスでは、弾力性の維持に優れており、廉価なマットレスに比べ耐久性が十分ありますが、それでも継続して使っていくとへこんだ箇所が出てきてしまいます。
ちなみに、マットレスがへこんでくると、同時に弾力性も失われるため、体圧分散が正しく行われなくなります。
体もマットレスのへこみに落ち込みやすくなるため、寝返りも打ちにくくなり、そのまま無理して使っているとかえって腰痛を悪化させる場合がりますので、要注意です。
汗を吸収して湿気がこもりカビが生える
人は寝ている間にたくさんの汗をかきます。このとき優れたマットレスは、人からでた汗をしっかり吸収してくれます。
こうすることで、マットレスと肌が接する箇所が汗でべたべたになることなく、サラサラ状態を維持してくれます。
しかし、マットレスに吸収された汗がスムーズに乾いてくれるとは限りません。
マットレスは厚みがあることや耐久性を向上させるために一定の密度を保っており、内部までの通気性をよくするのは得意ではありません。
それだけに高級マットレスは特殊素材を利用して耐久性と通気性を両立するべく日々頑張っています。
乾燥しないまま汗がマットレス内またはマットレス表面・裏面に残ってしまうと、意外にはやくカビが生えてしまいます。
特にマットレスの裏面はベッドとぴったり接している場合があり、通気性が著しく悪く、カビが生えやすくなっています。
12年間腰痛の私が絶対おすすめするマットレス・敷布団ベスト16ランキングはこちら
マットレスを長持ちさせるメンテナンスとは
マットレスを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
毎日大掛かりな作業をする必要はありません。ある程度手間をかけるだけで、マットレスの寿命を長くすることができます。
マットレスを長持ちさせるメンテナンス作業としては以下のようなものがあります。
- マットレスの向きを変える
- マットレスの表裏を入れ替える
- マットレスを立てかける
- マットレスの表面を掃除機で吸う
- 水分をこぼした時は重層を使う
それではマットレスの具体的なメンテナンス作業をみていきましょう。
マットレスの向きを変える
マットレスに寝るとき、毎日寝る場所を変えていますか?
おそらく意識的に寝る場所を変える人は少ないと思います。
しかし、同じところに同じように毎日寝ていれば、その部分だけ圧力がかかり、へこんできてしまいます。
これを少しでも回避するために、マットレスの向きを時折変えましょう。
マットレスをくるっと回して頭と足の場所を入れ替えます。(人の体の方を頭と足を入れ変えてもOKです。)
そうするだけで、圧力がかかる場所が微妙にずれて、マットレスがへこむ速度を遅くすることができます。
ある程度へこみが進むと、そのへこみに体が落ち込み、さらにそこばかりが圧力がかかる悪循環に陥ってしまいます。
これを回避することがまずはマットレスのへこみ対策の最優先事項です。
マットレスの向きを変えるだけでもへこみから脱出し、へこみの進行を遅らせられます。
マットレスを回すときは、ベッドにマットレスを載せたまま少しずつ回せば、それほど力はいりません。
マットレスの表裏を入れ替える
マットレスの表裏を入れ替えるのもマットレスのへこみを抑えるのに効果的です。
同じ面だけを常に使っていると、当然その面だけへこんできて、裏側はまったいらという状態になります。
これを少しでも分散することによりへこみの進行を遅らせます。
ただし、マットレスによっては裏と表で寝心地や保温性が違う場合があります。
例えば夏用面と冬用面のように役割がある場合は、簡単には表裏を入れ替えることはできないと思いますので、その場合には無理に変える必要はありません。
いずれ時期がきて入れ替えることになりますので、問題ありません。
マットレスを立てかける
ここからは通気性に関連したメンテナンスについてです。
マットレスをベッドや床に敷きっぱなしの場合、特にマットレスの下面の通気性が悪くなりがちです。
ベッドの場合、1枚板の上にマットレスが乗っていると非常に通気性が悪く、汗などの水分がこもってカビやすくなります。
床に敷いている場合は、畳であればおおむね通気性はよいですが、フローリングの場合はやはり通気性が悪く、気が付けばカビが生えている、ということがあります。
すのこの上にマットレスを敷いている場合は、空気と触れている箇所は問題ありませんが、木の部分が通気性が悪く、そこだけカビが生える、ということがありますので意外に安心できません。
このような状況に対するメンテナンスとしては、マットレスを壁などに立てかけてマットレスの下面を乾かすのが効果的です。
通常は、マットレスの下面が見えるようにして壁に立てかけておくだけで、かなり水分を乾燥してくれます。
これはできれば3日に1回は行いたい作業です。
1週間に1回ですと、湿気の多い時期にはカビが生えてしまう場合があります。
ベッド面、床面とマットレスの相性もありますが、特に通気性が悪い場合はある程度の頻度でマットレスを立てかけましょう。
ただし、マットレスを持ち上げる際、マットレスの重みが腰に負担になり、腰痛を悪化させる場合がありますので、マットレスの重さによっては、複数人で作業するように注意しましょう。
腰痛を緩和させるためにマットレスを使っているのに、マットレスを使ったがために腰痛が悪化したのでは元も子もありません。
マットレスの表面を掃除機で吸う
マットレスの表面には、剥がれ落ちた肌や垢など次第に汚れが増えてきます。
これらをそのまま残しておくと、微生物の餌となり、カビや虫の繁殖につながってしまいます。
マットレスの表面が一見きれいであっても要注意です。
シーツを敷いている場合は定期的に洗いたいところですが、シーツが取り外しずらい場合など、ついつい放置しがちです。
そのような場合は、掃除機でマットレスの表面を吸ってしまえばほとんどOKです。
掃除機にシーツが絡むような場合は、布団吸い用の以下のパーツを取り付ければ簡単に掃除機で吸い取れるのでおすすめです。
ただし、汗やシミまでは掃除機では取れませんので、汗やシミの除去に関してはシーツを洗濯するようにして下さい。
水分をこぼした時は重層を使う
マットレスにコップの水をこぼしたような場合は、マットレス内部に水分が染み込んでしまう前に、素早く拭き取って乾燥させる必要があります。
しかし、ある程度水分が染み込んで、拭いても取れないような場合が、重層を使うとよいでしょう。
使い方は簡単で、重層をマットレスの上に振りかけるだけです。シーツは取り外して、マットレスに直接重層を振りかけます。
重層は、3mm程度白く積もるイメージでたっぷり振りかける方が水分を吸収してくれます。
この状態で、2時間放置します。
下手に窓を開けたりすると、重層が風で吹き飛ばされてしまう場合があるので、窓は締めておいてOKです。
放置している間に重層が、近くの水分をぐんぐん吸収してくれます。
2時間放置したら、掃除機で重層を吸い取ります。
重層を吸い込み終わったら終了です。
マットレスの水分がかなり乾いていると思いますのでお試し下さい。
ちなみに、汗を大量にかいた後の乾燥にも有効です。
たたみの上は湿気がこもりにくい
たたみは通気性に優れています。
畳の上にマットレスや布団を敷いている場合は、下面の通気性がよいため、かなり放置してもカビは生えません。
逆に通気性が悪いのはフローリングで、季節や環境にもよりますが1週間程度でカビが生える場合があります。
フローリング風の床敷きも同様です。
フローリングは、水をこぼしても拭き取りやすく、掃除もしやすいので普段の生活では便利なのですが、通気性の面ではよくありません。
もし、畳部屋があるのであれば、寝る場所をフローリングから畳部屋に替えるだけでもマットレスの寿命は長くなります。
まとめ
今回は、マットレスを長持ちさせるメンテナンスについてご説明しました。
マットレスは、機能も価格も色々ですが、一度買ったらできるだけ長持ちさせたいですよね。
メンテナンスに少し手間をかけるだけで、マットレスの寿命は長くなります。
ぜひ大事にマットレスを使っていただければと思います。