入浴剤を使って腰痛予防&改善!入浴剤効果と選び方大全
つらくてたまらない腰痛。
なんとかしたいけど、家事や仕事で忙しい毎日の中でゆっくり腰を休めてる暇なんてない。
そんなあなたにおすすめなのが、腰の痛みを和らげてくれる入浴法です!
毎日の入浴も、一工夫するだけで腰痛改善に効果を発揮してくれるんです。
腰痛のメカニズムと、腰痛に効果的な入浴法や入浴剤の選び方などをお伝えします。
腰痛ってどうしてなるの?
腰痛の種類は全部で4タイプあります。
●病気と呼べない腰痛
●腰の病気による腰痛
●内臓の病気による腰痛
●心理要因による腰痛
この中で、入浴法によって改善できる腰痛のタイプは病気と呼べない腰痛です。
その他のものは専門的な治療をしないと改善は見込めません。
病気と呼べない腰痛とは、病院へ行っても診断結果として病名がつかない、もしくはつきづらい腰痛のことです。
このような、病気と呼べない腰痛は非特異的腰痛と呼ばれています。
実はこの非特異的腰痛、腰痛全体の85%以上を占めるのです。
つまり一般的な腰痛のほとんどが非特異的腰痛なのです。
病院で診てもらう必要がないからと言って放置していると、症状が悪化し、腰の病気という状態まで進行してしまうこともあります。
非特異的腰痛の多くは、悪い姿勢や生活習慣による筋肉疲労が原因となります。
慢性腰痛
工場や販売員など、長時間その場に立ったまま作業をする人は腰の筋肉が疲労しているので、椎間板に負担がかかりやすく腰痛が起こりやすくなります。
実は立って作業をしているよりも座っているほうが腰に負担がかかりやすく、デスクワークやパソコン作業などでずっと同じ姿勢を続けている、移動などで長時間じっと座っていることが多い、休みの日などに寝過ぎてしまうなども、慢性腰痛の原因になるのです。
なぜなら立っている時は、足や膝、股関節など他の部分にも体重を分散できますが、座っているときは股関節が曲がり、腹筋がゆるんでしまうために、上半身の体重や動きを支えるための負担がすべて、背中や腰の筋肉、背骨や椎間板にかかってしまうんですね。
また、全然運動しないのに腰痛になる方も少なくありません。
このように、運動をしないのに腰痛になる人とは腰を支える筋肉組織がかなり硬直しているような人が多いです。
たとえば運動不足になっている人が、さらにずっと同じ姿勢を続けることで筋肉が硬直し、腰痛になるわけです。
自分で運動やストレッチを行わない限りどんどん悪化してしまいまうので危険です。
急性腰痛症
激しい運動などによって突発的に腰椎を痛める方も多くいらっしゃいます。
そのような突発的な腰痛のことを、急性腰痛症、一般的にはぎっくり腰と呼びます。
急に激しい運動をしたり、重い荷物を急に持ち上げたりすると、急激な体重が増えたというような方に多くみられる症状です。
この急性腰痛症の場合は、入浴することは腰痛の逆効果になりますので注意してください。
こうした腰痛の時は、炎症が治まるまでは冷却して、安静にする必要がありますので、湯船にはつからずシャワーで軽くすませる程度にしましょう。
腰痛改善に効果的な入浴法
では、入浴が腰の痛みの改善に効果的とされるのはどうしてでしょうか?
腰痛は、長時間おなじ姿勢を続けるなど筋肉の疲労によっておこる腰痛、年齢とともに脊椎が変形しておこる腰痛など慢性的なものがあります。
これは、血液の循環がスムーズにいかず、筋肉に疲労物質がたまることによっておこるものです。
肩や首のこり、腰痛を解消するには、血液の循環をよくすることがポイントと言えます。
体が温まり血行が促進される温熱効果、さらに体重の負担を軽くしてくれる浮力効果があるお風呂は、肩こりや腰痛に悩まされている人に効果抜群です。
ですから、入浴によって改善されことが期待できる腰痛のタイプは、こうした筋肉疲労による慢性の腰痛、つまり病気とは呼べない腰痛のみと言えます。
ご自分の腰痛がどのタイプなのか、よく見極めてから入浴法をお試しくださいね。
ゆっくり入り、体を芯から温めましょう。
腰痛に効果的な入浴法
40℃以下のぬるめのお湯を沸かし、腰痛に効果のある入浴剤を入れ、みぞおちあたりまで浸かった状態で10~30分ほど半身浴をします。
腰にあまり負担がかからないように、姿勢は後ろに倒しぎみにしてください。
その体勢がつらい方は正座がおすすめです。
顔からじわじわと汗が出てくるくらいが入浴時間の目安となります。
最後に肩までさっと浸かってから出るようにしましょう。
湯上りに少し熱めの45~50℃くらいにしたシャワーを、背中や腰、肩などに勢いよくかけると血行促進がさらになされるのでおすすめです。
お風呂につかりながら軽い体操やストレッチをするのもよいでしょう。
入浴後のストレッチも効果的です。
筋肉はゴムのような性質があり、冷えているより温まっていた方が、伸びやすくなります。
入浴後や運動後は筋肉の温度が上がっているので、筋肉がより伸びやすい状態になっており、ストレッチを行うにはベストです。
しかし、腰痛がひどい時や、身体が疲れている時は、お風呂上りや運動後のベストのタイミングで行うように心がけましょう。
腰痛に効果的なストレッチ法
身体が温まった状態でストレッチをすることで、血流やリンパの流れをよりスムーズにすることができます。
このとき反動はつけずに、ゆっくりと時間をかけて行います。
ゆっくりと息を吐き出しながら、伸ばしたい筋肉を意識しながら行います。
では、具体的な腰痛解消ストレッチをお伝えします。
腿裏ストレッチ
1.座って片足を前に伸ばします。
2.伸ばしている側の腿上に、両手に沿わせながら、体を前屈行きます。
腰に負担がかからないように、必ず両手が前側の足の上にあるようにします。
無理に爪先を握ろうとするのはやめてください。
3.この位置で30秒止めます。
反対側も同じようににストレッチします。
背中ストレッチ
1.立膝で片側の足を横に伸ばします。
爪先は真上に向けてください。
2.足を横に伸ばしている側に、体を倒します。
手を腿上に沿わせます。
3.腕を伸ばし、手を頭の後ろに持っていきます。
4.この位置で30秒間止めましょう。
反対側も同じようにストレッチしましょう。
腰部ストレッチ
1.あお向けに寝て、股関節と膝を90度に曲げます。
2.曲げた側の足を、内側にクロスさせます。
3.手で膝を下に抑えましょう。
このとき膝を曲げている側の肩が、床から離れないように注意します。
4.この位置で30秒間止めましょう。
反対側も同じようににストレッチしましょう。
さらに、温湿布などを貼り、腰全体を包み込むように温めると更に効果的でしょう。
普通に入浴するだけでももちろん腰にはもちろん良いのですが、こうした一工夫を加えると、腰痛に対してダイレクトなアプローチができます。
入浴剤の選び方
入浴剤を使うことは、腰痛改善ための入浴法に不可欠と言えます。
入浴剤の基本的な効果は、入浴そのものによって得られる温浴効果つまり、体を温める、体の痛みを和らげる作用、また清浄効果、つまり汚れを落とす、皮膚を清浄にする作用を高めることにあります。
ではまず入浴剤にはどんな分類があるのかを見てゆきましょう。
無機塩類系入浴剤
ブランド例:バスクリン、バスロマン成分:硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウムなど。
顆粒や粉末状のものが多い。
このタイプの入浴剤は、塩類が皮膚の表面のタンパク質と結合して膜を形成して、この膜が身体の熱の放散を防いでくれるので、入浴後の保温効果が高く、湯冷めしにくくなる効果があります。
特に硫酸ナトリウムは皮下組織の賦活作用、修復作用などがあり、あせも、ひび、あかぎれなどの予防にも効果があります。
また炭酸水素ナトリウムは、せっけんと同じように皮膚の汚れを乳化し、清浄効果を発揮してくれます。
各地の温泉名をつけたような商品は無機塩類系入浴剤に分類されます。
炭酸ガス系入浴剤
ブランド例:バブ、きき湯成分:炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもの。
錠剤や粒状のものが多い。
このタイプは、炭酸ガスの血管拡張作用を利用したものです。
湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚から吸収され、皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけ血管を広げてくれます。
血管が広がると末梢血管の抵抗が弱まるので、血圧が下がり、血流量が増え、全身の新陳代謝が促進され、疲れや痛みなどが緩和するのです。
また、温浴効果によって血液が体表面の熱を全身へと運び、身体の芯まで温まることになります。
皮下内に入った炭酸ガスは、肺から呼吸によって体外へ出されます。
薬用植物系入浴剤
ブランド例:バスハーブ成分:センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカ葉などの生薬を配合したもの。
このタイプの入浴剤は、生薬に含まれている成分の働きと、香りの働きからなりたっています。
トウキ、トウガラシ、ウイキョウ、センキュウ、チンピ、ショウキョウなどの生薬には、血行促進効果が認められております。
香りについては、アロマテラピー効果が期待されています。
香りによるリラックス効果は、脳波や自律神経等の測定により解明されており、効果が認められます。
酵素系入浴剤
成分:蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチン等の酵素を配合したもの。
酵素は、医薬品として消化剤や洗浄剤等によく利用されますが、人間はもちろん微生物や植物などの生物の体の中で作られ、タンパク質や脂肪、澱粉などを分解して消化や洗浄を助ける効果を持っています。
入浴剤に酵素を配合する目的は、皮膚に無理な刺激を与えずに清浄にすることで入浴効果を高めることがあります。
清涼系入浴剤
成分:l-メントール、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもの。
このタイプは、メントールを配合して冷感を付与させたものや、炭酸水素ナトリウム、 硫酸アルミニウムカリウム等を配合し、入浴後の肌に清涼感を与えるものがあります。
スキンケア系入浴剤
成分:セラミド、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、植物エキス、米発酵エキス等の保湿成分を主に配合したもの。
このタイプは保湿成分が皮膚に吸着浸透し、スキンケアを行う効果があるものです。
特に冬の乾燥時というのは、入浴後過度に角層中の水分が失われて、お肌にかさつきが起こりやすくなっており、入浴剤によるスキンケアはとても効果的と言えます。
また入浴で潤ったお肌は、浸透しやすい状態になっているため、保湿成分が、肌の表面に吸着し角層内部にまで浸透していきます。
その結果、お肌はしっとりすべすべになるのです。
どの入浴剤が腰痛に効果的?
入浴剤にはこのような6タイプがありますが、腰痛改善に向いているタイプは、無機塩類系、炭酸ガス系、薬用植物系の3タイプと言えるでしょう。
この中でも、炭酸ガス系入浴剤が腰痛改善に一番効果的とされています。
シュワシュワとお湯に溶けた炭酸ガスが、浸透圧により体の末梢血管に吸収されてゆき、その結果血液中の二酸化炭素濃度が上がり、血管が拡張して血行が促進されていくのです。
また、無機塩類系の入浴剤や薬用植物系の入浴剤も血行促進が期待できるので、効果的と言えます。
ぜひご自分の体調やお好みに合った入浴剤を選んでくださいね。
最近は、肩こりや腰痛や冷え症、疲労などを軽減する事に特化した入浴剤ものもあります。
また、温泉の成分である塩化カリウムや硫酸ナトリウムを配合し、温浴効果を高めるものもあります。
赤ちゃんが入っても大丈夫な成分でできている入浴剤も出てきていますので、子育てによって腰痛を抱えるようになったお母さんでも安心ですね。
またお値段も、とてもお手頃なものが多くなっているので毎日使うのも抵抗がありません。
腰痛になる手前に、予防としても使うことも効果的と言えます。
まとめ
とても奥が深い、入浴剤と腰痛の関係。
なかなか腰を休ませることができなくても、毎日の入浴の時に入浴剤を使えば、つらい腰痛を予防・改善することができますよ。
入浴剤のリラックス効果やアロマ効果によって、心も体も休めてくださいね。
ご家族みんなで、それぞれのお気に入りの入浴剤を見つけたり、色々な入浴剤を試してみるのも楽しいですね。